ヨネックス「CB511アイアン」の試打計測を行いました。(GCクアッドを使用)
世界初の精密鍛造フェースを採用したヨネックスのグラファイトハイブリッド軟鉄鍛造アイアンシリーズの2022年モデル。
フェースの平面精度にもこだわりながら、凸ラインを設置し、あらゆる状況下で安定したスピンを発揮するというのが特徴です。
加えてバックフェースには振動を軽減する制振材を搭載しているため、打感にも強いこだわりを感じます。
それでは詳しいデータを見ながらヨネックス CB511アイアンについてレビューしていきます
- ヘッド:ヨネックス CB511
- ロフト角:32°(7番)
- シャフト:REXIS KAIZA-i 7(オリジナルカーボン)
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1x
- 弾道計測器:GCQuad
弾道計測器はPGAツアープロも多数使用する「GCQuad」です
ヨネックスCB511アイアン試打計測データ
ヘッドスピード(m/s) | 38.3 |
ボールスピード(m/s) | 51.7 |
打ち出し角度(°) | 18.6 |
打ち出し方向(°) | 0.5(右) |
バックスピン(rpm) | 6654 |
サイドスピン(rpm) | -600(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 31.6 |
降下角度(°) | 47.6 |
センターからのブレ(yd) | -6(左) |
キャリー(yd) | 159.9 |
総距離(yd) | 171.7 |
以上が計測データです
キャリー159.9ヤード、トータル171.7ヤード
ロフト32°ということを考慮すると十分な飛距離性能です。初速51.7m/sも同ロフトのアイアンと比較すると速く、30°クラスと比べても遜色ありません。
そしてスピン量は6600回転前後を推移しています。スピン性能も申し分ないです。
特に意識せず、普通に打った場合の弾道は、一貫してドロー傾向。
捕まりが良く、フェースへもしっかりと乗ってくれますし、ボールを強く押し込んでいくことが可能です。
ドローはまあまあ強めにかかる感覚がありましたけれど、捕まったか打球でもバックスピン量を高いレベルで保っています。弾道も強めで、ホップするタイプのドローが打てるのが特徴的でした。
弾道を重ねてみたものがこちらです
しっかりと打てた場合、打ち出し方向やサイドスピン量にも大きな狂いもなく、縦距離も一定しています。ですが、打点ブレにめちゃくちゃ強いことはなく、当然ですがポケキャビほど寛容ではありません。
また、最高到達点が31ヤード付近というデータでした。高さは低めなのが気になるところです。
ヨネックスCB511アイアンは超ソフトな打感で捕まりも良い
ヨネックスCB511は打感が非常に柔らかいです。バックフェース部にグラファイト制振材を搭載していますが、効果がはっきりと出ていると感じます。フィーリングは最高の出来だと断言できます。
以前からヨネックスのアイアンは打感が最高であると評価していますが、この制振材技術に関しては素晴らしいとしか言いようがありません。
それでいてボールスピードがしっかりと確保できている点も嬉しいところです。これはボールを強く押し込めることも影響しているのでしょう。さらに食いつきも良いので操作性の良さにも繋がっています。
ヨネックスCB511アイアンは低打ち出しで高スピン
打感も良く、弾道も強いのですが、懸念点をひとつあげるなら“打球の低さ”になります。
打ち出し角が18°前後と低めであることも影響し、最高到達点が31.6ヤード付近がアベレージ。ぼくが計測データを取っている同ロフト帯アイアンの平均と比べ、4ヤードほど高さが出ていません。
さらに、止めやすさの指標のひとつである”降下角度”が47.6°と浅めの数値となっているのもわかりました。平均は49°ほどです。
バックスピン量が6000台中盤を推移しているため通常営業のグリーンであれば問題なく止めることができましたけれど、問題は普段のアイアンショットで高さ不足を感じている方には少し扱いずらいかもしれないという点です。
というわけですので、スイングとしてはダウンブローに打ててスピンを入れられるほうが良いでしょう。
カスタムとしてはモーダス105をやや長めに組んでみるなどがおすすめ。
ヨネックスCB511アイアンのヘッドを見ていく
キャビティバック形状の軟鉄鍛造アイアン。デザインは極めてシンプルで、光沢のないサテン仕上げも高級感があります。
バックフェースのソール部にグラファイト制振材を内蔵。これによって凄まじくソフトな打感に調整されています。
ミッドサイズぐらいで、小さすぎず大きすぎずといったところ。ややグースの入った形状です。
ボールに対して構えたのがこちら。しっかりと捕まってくれそうな顔をしています。
ソール幅は標準的です。
横からみるとこんな感じです。少しラウンドをつけたソール形状で、バウンス効果もしっかりとあらわれています。ソール的にもダウンブローに打ちやすいカタチですね。
フェース面がこちら。フェースの溝の間に0.025ミリ以下の凸ラインを入れる技術が採用されています。これによって濡れた状態と乾いた状態の差が小さくなり、スピン量が安定するというものです。
現場で打ってみても、特にドロップしたりすることも少なく、たしかに一定の効果は出ていると思います。とはいえ濡れれば当然スピンへの影響は出るため、あくまでも補助的なテクノロジーのひとつと考えておくのがいいでしょう。
ヨネックスCB511アイアンの総合評価
高さが少し出にくいなと感じましたが、ドロー系の球筋でもバックスピン量を高い数値で維持しているため、通常営業のグリーンであれば止まりにくさは感じませんでした。もう少し高さが出てくれれば完璧でした。
スイングはダウンブロー派で、しっかりとスピンを入れられるほうが性能を発揮しやすいと思います。そういった点から、スイングレベルも求められますし、ミスにすこぶる強いわけでもないため、安定度は標準的という評価です。
最後にフィーリング面についてですが、ここは文句なしで最高です。打感を重視する方も一度はぜひとも試してもらいたいです。
おすすめ度:
関連【試打評価】オノフ KUROアイアン2022|すべてのレベルで使える万能中空アイアン【口コミ】
関連【ヨネックス EZONE GT TYPE-S 試打評価】あまりにもクセが無いカスタムの自由度が高いドライバー
関連【試打評価】本間ゴルフ TW757Vxアイアン|弱点なしの飛び系ツアーアイアン【口コミ・評判】
関連【試打評価】PING i525アイアン|ブレード型なのに安定感抜群でやさしいアイアン【口コミ・評判】
関連【試打評価】キャロウェイ ローグST PROアイアン|特別飛ぶわけではけど曲がらない超安定クラブ【口コミ・評判】
関連【ヨネックスEZONE CB702フォージドアイアン】試打評価レビュー|ポケキャビ最高峰の完成度。レベルを問わずおすすめ
関連E-ZONE GT455&435ドライバー(2020)試打・評価|ヨネックスの2020年最新モデル
関連【ヨネックスEZONE CB901試打レビュー】飛びと打感の両立とはまさにこれ。ほぼ100点