今回はウィルソンの「Staff Modelユーティリティアイアン」の試打計測を行いました。計測にはGCQuadを使用しています。
松山英樹選手が2022年全英オープンで使用したモデルで、大会1ヶ月前からテストを開始していたことでも話題になったクラブです。
今作はフェアウェイウッドに採用されることが多い高強度C300スチールをフェースに採用しボールスピードのアップを狙っていたり、ソール中央に7gのタングステンウェイトで低重心化を図っているなどの特徴があります。
結論からいうと、飛距離性能のかなり高いアイアン型ユーティリティです。余分なスピンが入ることがなく、吹き上がらずに飛ばしていける点がメリット。
さらに操作性も良いです。松山英樹選手がメジャー大会で使用することを決めたことも納得できました。
それでは詳しいデータを見ながらウィルソン Staff Model ユーティリティアイアンについてレビューしていきます。
- ヘッド:ウィルソン Staff Model ユーティリティアイアン
- 表示ロフト角:21°(3番)
- シャフト:KBS HYBRID 80
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1
- 弾道計測器:GCQuad
ウィルソン Staff Model ユーティリティアイアンの試打計測データとレビュー
▼平均のデータが下記
ヘッドスピード(m/s) | 40.5 |
ボールスピード(m/s) | 57.6 |
打ち出し角度(°) | 17.4 |
打ち出し方向(°) | -0.6(左) |
バックスピン(rpm) | 3283 |
サイドスピン(rpm) | 1 |
ピーク時の高さ(yd) | 35 |
降下角度(°) | 43.6 |
センターからのブレ(yd) | -2(左) |
キャリー(yd) | 206.4 |
総距離(yd) | 220.9 |
スマッシュファクター | 1.42 |
以上が計測データです。
平均キャリーは206.4ヤード、ランを含めた総距離が220.9ヤード。
今回打ったスペックはロフト角21°。ロフト19°だったミズノプロ FLI-HIが208.5ヤードでしたので、そう考えると非常に飛んでいるといえるデータです。
難易度の高いアイアン型ユーティリティでスマッシュファクター1.42という数字も悪くないと思います。
同種のアイアン型ユーティリティの中でもボールは上がりやすく最高到達点も高いです。
バックスピン量も3000回転前半がボリュームゾーン。番手なりとも言えますが、余計にスピンが増えすぎることもありません。弾道は強く推進力の高いボールが打てます。
それでいて降下角度は43°前後ついているため、止めにくいということもありません。
この辺りはソールウェイトによる低重心効果が発揮されていると思えるデータとなりました。
弾道はストレートを基本として、フェードとドローの打ち分けも可能です。
ほんのり捕まるぐらいの感覚なので球筋(ドローやフェード)の管理もしやすいです。
弾道を重ねてみたものがこちら。
ほぼセンターに集約しており、方向性の良さがわかります。
基本はストレート系で打てるのでラインが非常に出しやすいのがメリットです。
打ち出し方向もまあまあ安定しているので大きく散らばってしまうことはない印象です。
バラつき具合を見るとこのような感じです。
とてもよくまとまっているので扱いやすいユーティリティアイアンですね。
ウィルソン Staff Model ユーティリティアイアンはこんな人におすすめ
ウィルソン Staff Model ユーティリティアイアンをおすすめするのは以下
- 飛距離の出るアイアン型ユーティリティがほしい方
- ラインの出しやすさを重視する方
- 操作性の良いモデルを探している方
アイアン型ユーティリティで飛距離を重視する方にはドンピシャでハマりそうな性能です。
飛びは本当に優秀なので、強弾道で飛ばしたいぜ!って方は要チェックです。
また、弾道も極めてニュートラルだったので、ロングゲームでのラインの出しやすさを重視する方にもモッテこいだと思います。
後述もしますがヘッド長が長すぎず、コンパクトな見た目なので操作性もなかなか良いです。球筋のコントロールも楽しめるのも嬉しいところなので、いろいろ打ち分けたいよって方にもおすすめです。
ウィルソン Staff Model ユーティリティアイアンのデザインとテクノロジーについて
ウィルソンらしいミラー仕上げです。特に派手な装飾などもなく、とてもシンプルなデザイン。
ビジュアル面での最大の特徴がソール中央に配置されたウェイトです。
このウェイトの重量は7g。
内部構造はこのようになっているそう。フェースにはフェアウェイウッドでよく使われることが多いC300エイジングスチールです。
反発力の向上に一役買っています。
21°のヘッド形状がこちら。けっこうコンパクトなサイズ感でボテッとした印象がまるでありません。
かるーくオフセットが入っている程度で、ネックからフェースにかけての流れなど、かなり形はキレイだと思っています。
アドレス時の見え方はこんな感じです。
ヘッド長はわりと短め。重心距離もそこまで長く感じない点が操作性の良さにも繋がっている印象です。
ライ角もフラット目なので左に飛びそうな気配がないのも特徴のひとつ。
横からがこちら。
ソール形状には際立った特徴はありません。
最後に打感に触れておきますが、非常に弾きの良い感触です。
マイルドな打感とは逆のフィーリング。個人的には結構好きです。
フェアウェイウッドを打っているような感覚を味わえますし、実際に飛んでいるので爽快感が勝っています。
充填剤をヘッド内部に仕込んで、マイルドな打感にする最近主流のモデルとは一線を画する打感です。
THE中空という感覚なので、多少好みはわかれるかもしれません。
ウィルソン Staff Model ユーティリティアイアンの総合評価
反発の良いフェース素材と低重心化の効果で飛距離性能が高いです。普通に打てばボールも比較的上がりやすいので飛びを重視したい方は満足できるユーティリティアイアンです。
ヘッドサイズはコンパクトながら、安定性も高いのが評価できるポイントかなと思っています。
アイアン型ユーティリティ自体が難易度が高いクラブなので万人向けではありませんが、ウッドよりもアイアンが好きならおすすめできます。
ラインの出しやすさと操作性の良さが高いレベルでまとまっているユーティリティアイアン。松山英樹選手が選んだだけあって、完成度の高いクラブです。
評価:
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