今回取り上げるのはタイトリスト『VOKEY SM10』ウェッジ。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。計測に使用したスペックは58°Dグラインド、バウンスは12°です。
計測にはトラックマン4ではなく、GCクアッドを使用(アプローチのスピン計測ではGCの方が優れていると判断しているため)

契約プロ、契約外プロも含めると使用率が最も高いウェッジであるVOKEY SM10ですが、結論から言っておくと、打感もスピンも最高!です。キャリーの安定性にも優れているため100ヤード以内での信頼感は圧倒的。
たぶんほとんどの人がそう思っているだろうけれど、非の打ちどころのない完成度です。また、ウェッジワークスも含めるとソールバリエーションの豊富さでも敵がいません。
タイトリスト『VOKEY SM10』ウェッジの概要とデザイン


デザインはいつもどおりのVOKEYウェッジ。
鋳造という製法にも変更はありませんが、重心位置の見直しによって打感とスピンコントロール性能を高めているのがSM10の特徴です。

58°のヘッド形状がこちら。リーディングエッジのみならず全体的に丸みがあるタイプ。あと結構出っ歯な形状です。
またフェース面には特殊な熱処理が加えられているので、溝の耐摩耗性にも前作比で約2倍になったそうです。
溝はTX9グルーブと呼ばれる精密溝でライを問わず安定したスピンが入るとのこと。

ボールに対して構えるとこのような感じ。フェースを開いてもスクエアに使ってもアドレスがしやすくて癖の無さも良いですね。



ロフト別重心設計により、ハイロフトのウェッジでは逆テーパー形状による高重心化がされています。
GCクアッドによるスピン計測データ

計測に使用したのはヒール、トウとリーディンエッジを削ったDグラインドです。比較的バウンス効果が高くて多くの人が使いやすいと感じやすい汎用形状。

計測は主に30ヤード以内のショートアプローチの計測を行います。フルショット時のスピン性能は高いことはどうせわかっているからです。参考までに言っておくと筆者はショートアプローチでのスピンショットがそれほど得意ではないため、5000回転を下回ることが多いです。
その点、SM10は30ヤード以内でも5000回転以上をキープしています。6000回転に迫るデータも出ていたので文句のつけようがありません。

やや芝を噛んだ状態でも5000回転を超えてくるのはさすがの一言。
芝などを噛んだ時にポッコンが出ることあまり起きなくて、フェースへしっかり乗ってくれます。溝の不純物の排出効果が高いことがわかりました。
また、ウェット時でも5000回転は安定して出せていたので、朝露や雨の日でのキャリー誤差小さい点は素晴らしいです。
打出しはもう少し低くなるかと思いましたが至ってノーマルでした。高さのイメージは出しやすく距離感も掴みやすかったですね。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- ショートアプローチでの高いスピン性能
- フェースへの乗り感が最高
- 打感が柔らかくて打っていて気持ちいい
微妙なところ
- ソールバリエーションが多すぎて迷う可能性あり
タイトリスト『VOKEY SM10』ウェッジの性能評価チャート
スピン性能の高さはさすがです。通常時での安定性は言うまでもありませんが、特に芝を噛んでしまった場合や、ウェット時の安定感が最高でした。
フェースとボールの間に不純物が入った場合でもスピン量の誤差が抑えれらているので、キャリーのバラつきも最小限に抑えられています。
打感もかなりソフトかつフェースへの乗り感も良くて、終始気持ちよく打つことができます。
今回は比較的バウンス効果の強いDグラインドを打ちましたが抜けの良さも抜群でした。
100ヤード以内のコントロールショットでは最高峰の安定感

スピンが強くかかるのはウェッジを選ぶ上で重要な要素ですが、それ以上にライが悪かったり、ボールのコンディションがあまり良くない場面でもスピンが安定しているのがSM10の最大の強みですね。
狙ったキャリーが安定するのでラウンドでは信頼して使っていけるし結果も着いてきやすい。ミスったら自分のせいだと納得できるクラブの高性能ぶりを感じました。
ソールバリエーションはいつもどおり凄いので、選ぶのに迷ってしまうというのが強いてあげられるデメリットでしょうか。個人的にはボーケイはDグラインドが汎用性が高くて使いやすいので迷ったらDを選ぶのがおすすめ。
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