今回取り上げるのはUSTマミヤ『LIN-Q ホワイトEX』。こちらのシャフトの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

LIN-Q(リンク)は米ツアープロの要望によって誕生したシリーズで、マミヤの中では比較的ハード目な部類になります。そして今回取り上げているホワイトは手元調子系で、先端剛性が高いモデルです。
結論から言っておくと、インパクト効率がめちゃくちゃ優秀で安定感もこの上ないシャフトです!捕まりは弱いし正直ハードなモデルですが、しっかり叩きたいという方や、硬めで安定性が高いシャフトを求めている方にはおすすめできます。
ただし重量が比較的あるのでラクはできるようなタイプではありませんが、個人的には名作だと思っています。
まあ、使用プロも少なくてそこまで注目度は高くないと思いますが、この安定性は要チェックです。
USTマミヤ『LIN-Q ホワイト EX』の概要とデザイン

海外からの逆輸入シャフトという事もあってデザインは地味です。


シャフトの軸カラーはメタリックなシルバーで、幾何学模様が入っています。アルディラみたいな印象です。海外ではこういったデザインの方がやはりウケるのでしょうか。

素材的に特徴があるのはトレカ T1100GとM40Xです。
この炭素繊維をナノアロイ®技術適用樹脂システムを配合した「Q・Ply Core」をUST Mamiya独自のノウハウで効率よく組み合わせているというもの。
まあ、とにかく剛性を効率良く高めて叩けるように仕上げましたよ!ということです。

リンクブルーを中心にした場合、ホワイトは低弾道かつフェードバイアスに位置づけられます。

ブルーよりも手元から中間部の剛性は低めで先端は硬くなっているという剛性分布です。
全体的にそこまで極端な剛性差を出していないという印象。

50g台からラインナップですが、シャフト単体での重量はそこそこあります。このあたりはアメリカンな仕様ですね。
振動数と中間剛性

ヘッドはG430MAX 10K 6Sで長さは45.5インチで組んだ場合の振動数が「263cpm」。
60g台のUS系シャフトとしては平均的ですが、手元調子タイプと考えれば比較的高い数値ではあります。手元側もそれなりにしっかり感がありました。

センターフレックス計にて中間部の剛性もチェック。5.88kgはかなり高めの値です。ベンタスブラックやハザーダスにも引けをとりません。

さらにもう少し先端のほうも計測してみると6.02kg。非常に高い値です。
やはりベンタスブラックあたりに近いデータなので結構ハードタイプと考えてもらっていいですね。
USTマミヤ『LIN-Q ホワイト EX』の試打計測データ




LIN-Q ホワイトEXの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | トラックマン平均値 |
---|---|
H/S (m/s) | 45.1 |
B/S (m/s) | 66.7 |
打ち出し角(度) | 12.7 |
打ち出し方向(度) | 1.2 |
バックスピン | 2679 |
スピン軸 | 0.4(右) |
最高到達点 | 30.9 |
降下角度(度) | 37.7 |
曲がり | 0.8(右) |
キャリー(yd) | 246.3 |
総距離(yd) | 277.3 |
スマッシュファクター | 1.48 |
当サイトでは平均トータル距離が260を超えれば飛ぶモデル、270ヤード以上でれば文句なしに飛ぶという基準を設けています。
さて、LIN-QホワイトEXはと言うと、トータル277ヤード。素晴らしい結果です!
スマッシュファクター1.48で効率の良さが光っていました。初速も期待以上です。
当たり負けはほんとにしないし、G430MAX 10K自体はそんなに飛ぶヘッドではないと思っていたのでシャフトによって化けたと考えています。

弾道の高さはメーカーがいうようにしっかりと抑えられています。最高到達点は30ヤード付近で、当サイトで取って来たデータの中では低い値でした。
今回、比較的高弾道が出やすいG440MAX 10Kというヘッドにも関わらずなので、如何に低弾道かという事もわかりました。
ただ、意外とバックスピン量はそこまで極端に減ってしまう事はなかったですね。中スピンぐらいのイメージで良いです。

球筋は完全にフェード系に分類できます。メーカーが言うようにフェードバイアスだったので違和感はありません。
とはいえ、最近の他のデータを見てもらってもわかるかと思いますが、筆者はそこそこドローが強い傾向があるので、それを踏まえるとかなり捕まりは弱いです。
フック量を抑えたい人にとっては安定性のプラス材料になると思います。

横ブレも非常に小さいです!ストレートからフェードで、打ち出し方向もサイドスピン量もとにかく安定していました。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- インパクト効率が優秀で初速アップを狙える
- 当たり負けしない先端のしっかり感!最近の高MOIヘッドと相性が良い
- 高さを抑えたフェード系で安定性が高い
微妙なところ
- つかまりは弱いので右へのミスが多い人には扱いづらいかも
超高効率で高MOIヘッドを活かせる

全体的に剛性感のあるタフなシャフトですが、特に中間から先端にかけては緩めている所が無いんじゃないか?ぐらいガッチリ感がありました。
これによって高MOIの大型ヘッドにばっちりハマる仕様なのかなと感じましたね。ちょっとぐらい打点がブレてもヘッドがグラつかないので曲がる気もほとんどなかったです。
スマッシュファクターも何度打っても高い値が出ていましたし、効率の良さは全メーカーのシャフトの中でも屈指だと思います。
ただし、基本的にはハードなシャフトにはなってくるので、ヘッドスピードは45m/sがラインになってきます。重量もあるので覚悟も必要ですね。
総合評価
シャフト自体がめちゃくちゃ走ったり弾く感じではないのですが、高効率で初速が出て、ロスも少ないので必然的に距離が出てくれるというタイプでした。
LIN-QブルーEXもフェードバイアスでしたが、より高さを抑えつつ、さらにフェード系で攻めたい人にピッタリのモデル。
また、高MOIヘッドの中とのマッチングは間違いなく良いので、最近流行りの大型ドライバーを使っているなら是非検討してみてください。
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