今回取り上げるのはスリクソン『ZXi4 アイアン』。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

ZXiシリーズのアイアンは3種類ありますが、その中でも特に飛距離が出るストロングロフトなのが、中空構造の『ZXi4アイアン』です。
結論から言っておくと、飛距離の出やすは期待通りでしたが、それでいて打感もかなり良くて中空アイアンとしてはとてもレベルの高いモデルだったと感じています。しかも優しさも思っていた以上にありましたし、何より顔が良かったのも素直に関心しました。
打感はそこそこ、飛距離はしっかり!それでいて顔にもこだわりたいよって方はチェックしておくべき中空アイアンです。あとマルチピース中空にもかかわらずライ角調整が3°まで出来るというのが最強すぎます。
スリクソン『ZXi4 アイアン』の概要とデザイン


ZXi4アイアンのデザインはシンプルな見た目ですが、「ソフトステンレスボディ」を採用した2ピースの中空アイアンです。
スリクソン的には同ブランド史上で最高の打感らしい。
ロフト設定は7番で28.5°、PWは43°なので結構なストロングロフトのアイアンです。

4番~7番にはヘッド内の底に「タングステンニッケルウェイト」が入っていて、徹底した低重心化を狙っているようです。
8番から下の番手にはタングステンは入っていません。

あとはクリーブランドのウェッジと同じように、ネックの重量と、さらにトウ側の重量を削減して、その分をソールに再配置する手法を取っています。


ブレード長は長めですけれど、ネック周りが絞ってあるのとトップブレードが厚すぎないので綺麗にまとめっていると思います。顔は結構良い感じなんじゃないでしょうか。
グースは極端には付いていません。適度な感じで丁度良いバランス。


ソールはお馴染みの三角ソール。

今回驚きなのはステンレスの2ピース構造なのにも関わらず、ライ角を±3°、そしてロフト角が±1°まで調整できる点です。これは素晴らしすぎますね。
中空アイアンで尚且つマルチピース系のアイアンでもライ角をいじりたい方には朗報です。

打感は中空構造としては良くできています。
スリクソン史上最高?というのは中空の中でなのか?もしそうなら確かに最高ではあると思いますが、ハーフキャビティなどを含めるとそうでもない。
とは言っても中空系特有の弾き感はありますが、特に充填剤などを使わずにここまでソフトフィーリングに寄せてきたのは感心します。
スリクソン『ZXi4 アイアン』試打計測データ




ZXi4アイアンの試打計測の平均データが下記
2024年よりアイアンはヘッドスピード38m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | トラックマン平均値 |
---|---|
H/S (m/s) | 37.9 |
B/S (m/s) | 52.9 |
打ち出し角(度) | 16.8 |
打ち出し方向(度) | 0.0 |
バックスピン | 5222 |
スピン軸 | -3.7(左) |
最高到達点 | 29.4 |
降下角度(度) | 45.2 |
曲がり | -5.5(左) |
キャリー(yd) | 170.2 |
総距離(yd) | 183.1 |
7番アイアンでのキャリーがほぼ170ヤードでした。かなりラクに飛ばしていけるので飛距離は期待通りといったところでしょうか。飛距離重視派でも満足できるレベルにはあると思います。

最高到達点は30ヤードをわずかに下回る平均値だったので、すごく高弾道か?というとそうでもなかったです。
フルキャビティ系の上がりやすいアイアンよりは幾分劣るかなという印象を受けました。
ただ、バックスピン量は5,000回転を超えてくるので、28.5°というストロングロフトを考えると、しっかりスピンの入るアイアンでした。

落下角度は平均で45°だったので止めやすさについては気にならないレベルでした。高さはさほどでしたが、スピンが入ってくれている分で角度が付いたという事ですね。

筆者は普段からドローが強めな傾向があるので、それを踏まえるとつかまりは標準的。
基本的にはストレート系をイメージしてもらうと良いと思います。
今作はライ角がまさかの3°まで調整できるので、ベースがストレート系だと捕まり具合のアレンジもしやすいのはメリットです。

ブレは小さくて寛容性の高さは十分発揮されていたと思います。特に打点がブレても前後の距離差が小さいです。
個人的には下目に当たる、いわゆるトップ気味の打球でもちゃんとキャリーが稼げるのがデカいと感じました。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 飛距離性能は高いけれどスピンもしっかり入る
- 素直なストレート弾道
- トップ気味でもキャリーのロスが少ない
- この構造と素材でライ角を3°調整できるのが凄い
微妙なところ
- 高さは期待していたほど出なかった。中弾道ぐらいのイメージ。
スリクソン『ZXi4 アイアン』の性能評価チャート
飛距離が出やすいのにバックスピンがしっかりと入ってくれるのがまずはメリットです。
最高到達点こそ、めちゃくちゃ高いという事はありませんでしたが、スピンのおかげで止めやすさは担保されています。
ただ、高さをとにかく求めているならちょっと物足りないかもしれません。ロフトは1°まで調整できるので寝かせてみるのもありかもしれません。
ミスへは強くて優しい。弾道もストレート系で素直だったのも扱いやすさに拍車をかける出来栄え。
ライ角調整できる中空アイアンは貴重

ミスに寛容で飛距離も出るしスピンも入る!基本性能はハイレベルです。
そのうえでステンレス系のマルチピース構造の中空アイアンでありながら「ライ角」を3°まで調整できるのは素晴らしいと思います。
ベースは捕まりに癖の無いタイプだったので、使い手に合わせて調整もしやすいのは強みになる感じています。
あと中空アイアンの中でも非常にすっきりしたルックスで、顔も良いので見た目に拘りたい方にもおすすめしたい良作でございました。
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