スリクソン史上最高初速という謳い文句で登場した「スリクソン ZXi ドライバー」の試打計測を行ったのでレビューしていきます。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)
【結論】前作から初速性能が上がったことは確か！扱いやすく万能な優等生タイプ
ZXiシリーズは4モデルありますが、このドライバーはスタンダードなタイプ。
結論を言っておくと、トラックマン計測も行いましたが初速は出やすくなったなと思います。また、打点ブレへの耐性も高くて安定性も十分。基本的には捕まりが良いので多くの人が扱いやすいと感じられるドライバーでした。
ただしバックスピンも比較的入りやすい傾向があったので、爆飛びすることはなかったです。このあたりはそれぞれがカスタムなりカチャカチャを使って最適化していけると思います。
全体的にバランスは良かったですが尖った所は特になかった。劇的に超飛ぶ！ということもなかったですが打球のまとまりや一貫性はあったので、誰が打ってもそこそこ良い結果が出てくれるのが今作の良さでしょうか。
超おすすめという事でもないんですけれども、買って大きく失敗するドライバーでも無いので無難に勧められる良作でした。
トラックマンによる試打計測データ
2024年よりユーティリティでの計測ヘッドスピードは約40m/s前後での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
| 項目 | トラックマン平均値 |
|---|---|
| H/S (m/s) | 45.0 |
| B/S (m/s) | 65.6 |
| 打ち出し角(度) | 14.8 |
| 打ち出し方向(度) | 1.0 |
| バックスピン | 2549 |
| スピン軸 | -7.7(左) |
| 最高到達点 | 33.6 |
| 降下角度(度) | 39.3 |
| 曲がり幅(yd) | -13.5(左) |
| 左右ブレ(yd) | -9.2(左) |
| キャリー(yd) | 245.5 |
| 総距離(yd) | 266.5 |
| スマッシュファクター | 1.46 |
トータルで270ヤードオーバーすれば非常に良く飛ぶドライバーというのが当サイトの現在の基準ですが、平均値では266.5ヤードとなりました。
とはいえ単発では270ヤード超えも数発出ていたので、飛ばないなんて事は決してありません。
初速については66m/sを超えればかなり良い結果なんですが、そこにも迫っているし十分良良かった。前作よりも弾きも強くなっています。
バックスピン量が2500回転あたりを推移していたので、やや多めなスピン量です。弾道をコントロールすることも考えると丁度良いかなと思います。
プロレベルだと低スピンすぎるよりもある程度スピン量を確保した方が良いというプレーヤーも多いので、トッププロの多くが新作にスイッチしているのはここも影響しているかもしれません。
あとスピンが入ってくれるのでキャリーが比較的出しやすいのは良いところでしょう。
スリクソン ZXi ドライバーの弾道
先ほども言ったように単発ではトータル270ヤード超えが出ていたりもするのでポテンシャルは高いです。これが毎回出てくれたら最高。
そして球筋は基本的にドローが強くかかりました。
曲がり幅の平均は左に13.5ヤード。ここ最近打った中でも結構捕まりの強いドライバーだという印象が強く残りました。
これは引っ掛けたなぐらいの打球です。左は若干怖いのでドローヒッターはカスタムを推奨します。
打ち出し角は中ぐらいですが、バックスピン量がそこそこ入るので高さは出していきやすい。
打球はセンターラインから左にしかいきませんでした。曲がり幅もそれなりにあったので、左を消したい場合は捕まらないシャフトと組み合わせてください。
スリクソン ZXi ドライバーのフィーリング
プロモーションビデオでは毎回「打感が良い！」というセリフが出てきますけど、実際打ってみると感動するほど良いなんて事はなかったです。
まあ弾く感覚はあってそこは良いんですが、なんかちょっと打球音が軽い印象でした。個人的にはちょっと中途半端な打感だなと感じています。
ヘッド形状やテクノロジー
ZXiドライバーシリーズに新しく搭載されたのが「i-FLEX」というテクノロジー。ヒールとトウを厚くしてセンターが大きくたわむという設計です。初速はアップしていたので今作のテクノロジーは結果が出ていると感じます。
リバンドフレームも進化。ちょっとややこしくいですが、ボディの各部位で剛性差を作ってたわみで生まれたパワーを逃さないようなテクノロジーも使われています。
前作からフルチタンになりましたが、今作もフルチタンです。クラウンは薄肉化しても強度を維持するためのフレーム構造を用いています。
デザインはめちゃくちゃ大人しいです。カッコいいとは思えませんが無難なデザインに落ち着いています。好きな人よりも嫌いな人を減らす方向性にも感じます。
外部ウェイトはソール後方に2箇所。4gと10gのウェイトがあり、入れ替えて捕まりを調整することができます。標準はヒール寄りが10gです。
クラウンはつや消し。形状はやや後ろに伸びており投影面積がそこそこ大きです。
形は綺麗にまとまっています。
気になるのはスタンダードポジションにも関わらずやけに開いて見えるフェースアングルです。
めちゃくちゃ右を向いて見えるのでここに違和感を持つ人はいるはず。少なからず筆者は構え辛いと感じています。
被っているのが嫌いな人には丁度良いかもしれません。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 前作よりも初速アップしていて進化を感じる
- 捕まりが良くて多くの人が扱いやすい
- 中スピンで操作性◎
微妙なところ
- 打感がちょっと軽い印象を受ける
データチャート
バランスの良いドライバーです。初速性能も前作よりもアップしていると感じられましたし、捕まりの良さと寛容性も水準以上。
スピン量が若干多いので飛距離の評価をわずかに落としていますが、スピン量は調整次第である程度落とすことはできるのでポテンシャルはあります。
ただ、スピンがある程度入るヘッドなので操作性や安定感はプラスに働くかなと思います。スピンの多さは初速である程度カバーできているといった印象です。
スピンのおかげで高さ不足も補いやすいと思うのでスピンが不足してキャリーが出にくい人にも丁度良さそうです。
まとめ
評価は全体的に悪くありませんが、無難な選択肢になるドライバーというポジションかなとは思っています。
スリクソン史上最高初速という謳い文句だっただけに、それなりに期待していましたが、国産だったらインプレス ドライブスターType-Sの方が飛距離性能は上です。
ZXiドライバーはある程度スピンが入ってくれるので、操作性や安定性は高いです。そういう点がプロ好みなバランスにはなっているのかなとは感じます。打っていて弱点らしいところもないですが尖ったところも感じられない大人しいドライバーでした。
絶対買ってほしいというほど超おすすめでもないけれど、買ってみて大きく失敗するドライバーでも無いので無難に勧められる良作です。
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