2020年2月発売する、テーラーメイドのSIMドライバーを試打することができました
久しぶりにモデル名ごと大きく変更となったことでも話題になったSIMシリーズ
Mシリーズから受け継がれているテクノロジーが主となっていますが、性能面では大きな変化が起こっています
ドライバーについては米国などでは3モデル展開なのですが、日本では「SIMドライバー」と「SIM MAXドライバー」という2モデルのみです
本記事では「SIMドライバー」の方を取り上げていきます
おおまかな特徴は以下のとおり
- 空気抵抗を減少させヘッドスピードをアップ
- 低重心&高慣性モーメント
- ウェイトギミック搭載で弾道調整が可能
- SIMシリーズでは最もフェース面積が小さい
試打データの計測には「弾道計測器スカイトラック」を使用しています
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テーラーメイドSIMドライバーの概要とスペック
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「Shape in motion」というのがキーワードになり、ドライバーヘッドのパフォーマンスを高めるため、新形状のヘッドになって生まれ変わったのがSIMシリーズ
そしてSIMドライバーは、2種類あるラインナップの中でも、より重心深度が深くて慣性モーメントの高いタイプとなっています
またSIM MAXドライバーと比べて、SIMドライバーの方がフェース面積が小さい点にも注目
個人的にはフェース面積の大きさは空気抵抗に影響しないのか?と思ってしまうところですが、そこはテーラーメイドさんも触れていないのでこれ以上深読みするのはやめておきましょう(笑)
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スペック
テーラーメイド SIM MAX | |
番手 | ドライバー |
ロフト角(°) | 9°、10.5° |
シャフト | TENSEI SILVER TM50 |
長さ(インチ) | 45.75 |
ヘッド体積(cc) | 460cc |
バランス | D3 |
総重量(g) | 307g(S)、305g(SR)、g(R) |
進化したポイント
モデル名がMシリーズからSIMへと変更となり、新たに盛り込まれたテクノロジーがあるので、そこについてもご紹介しておきます
進化①イナーシャジェネレーターによる深重心化
SIM MAXと同様のテクノロジーですが、ソールの後方に伸びるように配置されているのが「イナーシャジェネレーター」と呼ばれるものです
クラウンのみならず、ヘッド側面もカーボンパネルにすることで軽量化を図り、極端に重たい重量物をヘッド後方に配置しているというもの
イナーシャジェネレーター自体は前作のM6にも搭載されていたのですが、SIM MAXでは、より大型のウェイトが設置されて、深重心化と慣性モーメントの向上に貢献しているとのことです
進化②アシンメトリーシェイプによる空力性能の向上
もう一つの進化ポイントとしてアシンメトリーシェイプがあります
前述したイナーシャジェネレーターを斜めに配置することで空気の流れがスムーズになり、ハーフウェイダウンからインパクトにかけてクラブヘッドが加速するという構造です
ゴルファーによってはヘッドスピードが0.5〜1m/sはアップする可能性があるそう
進化③ウェイトギミックがシンプルに
SIMには重心位置を調整できるウェイトギミックが搭載されています
前作のM5ではソール後方側へも移動できるウェイトがありましたが、今作ではイナーシャジェネレーターが搭載されていることもあって横方向のみです
試打に使用したSIMドライバーのスペック
ヘッド | テーラーメイドSIM |
ロフト角 | 9° |
シャフト | TENSEI SILVER TM50 |
フレックス | S |
総重量 | 298g |
バランス | D2.5 |
長さ | 45.25インチ |
ヘッド重量が196gなので割と平均的な重量
気になるのはこのヘッド重量で45.75インチと長尺気味なことですが、実際に試打した際にどういった影響が出るのかを見て行きたいと思います
※M5の純正シャフトもほぼ同様のスペックです
試打データと評価
ヘッドスピード | 43.9m/s |
ボールスピード | 63.6m/s |
サイドスピン | 293(右) |
バックスピン | 2439rpm |
打ち出し角 | 16.0° |
打ち出し方向 | -2yd(右) |
センターからのブレ | 0 |
キャリー | 256.2yd |
総距離 | 276.0yd |
打点のバラつきは出たが平均以上の飛距離
ボールスピード(m/s) | 63.6 |
バックスピン量(rpm) | 2439 |
打ち出し角 | 16.0 |
キャリー(yd) | 256.2 |
総距離(yd) | 276.0 |
飛距離性能:
兄弟モデルである、SIM MAXの飛距離性能の高さを考えるとやや見劣りする部分はあるものの、当サイトの基準値であるキャリー250ヤードは超えてきていますので飛ぶドライバーであることは間違いありません
ちなみに空力効果は感じられるのかという部分ですが、はっきり言ってわかりません(笑)
バックスピン量的にもそこまで多くはないのですが、打点のバラつきもあって平均初速を落としてしまったのが原因です
懸念していたとおり、クラブ長が長い上にヘッド重量が重ためなのも挙動に影響が出ていると思います
とは言いながら、それでも平均よりは飛ぶドライバー
逆に打点がバラついても平均以上の飛びが期待できるとも捉えられるので、ポテンシャルの高さは感じます
基本的な球筋はフェード
サイドスピン量(rpm) | 293(右) |
打ち出し方向(°) | -2.3(左) |
打ち出し角(°) | 16.0 |
センターからのブレ(yd) | 0.0 |
弾道&方向性:
平均値ではセンターからのブレが0になっていますが、右と左への打球が丁度2球ずつだったので0になりました
飛距離性能の項でも言ったように、打点のバラつきの影響は大きいかなと思います
重量的な事も考慮すると、あと範囲インチは短いほうがミート率のアップと方向性の良さに繋がりそうです
基本的な球筋的にはフェード系となっています
捕まりは良いとは言えないヘッドです。スライサーなら調角機能を使ってかなりフックフェースにしないと厳しいかもしれません
打感はやや硬め
打感&打音:
打音に関してはやや硬いという印象です
ここでも比較ですが、SIM MAXの方が柔らかい感じがします
両者の違いを考えると、ソールのスライド式ウェイトなので、ウェイトギミックを搭載しているのが影響はあるのかもしれません
ここは大きく好みの分かれそうなポイントかなー
総重量が重ための割に長過ぎるかも
優しさと振りやすさ:
打点がバラついても飛距離も平均以上出ますし、曲がる方向もある程度まとまるので、ヘッド単体での安定感や優しさという点での性能は高いのかもしれません
ただ、組み上がっている状態で見てみると、この重量帯でありながら長尺仕様ということが振りにくさに繋がっているのは否めません
ちなみにメーカーが用意しているカスタムシャフトラインナップでは45.25インチが標準の長さになっているので、それぐらいの長さで作ったほうが明らかに良いでしょう
ぼくなら45.0インチ以下で作りますね
しっかり感があって癖のない純正シャフト
標準装着シャフトであるTENSEI SILVER TM50ですが、フレックスSで重量が56gでトルクが4.0
中調子で動き自体には癖がないオーソドックスなシャフトです
実はUS三菱から販売されているカスタムシャフトのTENSEI CK PROシリーズの60gと同等のトルク値です
実際にスイングしてみるとわかりますが、しっかり感があって頼りなさは感じさせません
40m/s強ぐらいのヘッドスピードならSだとややハードに感じるぐらいのスペックなので、SRぐらいが丁度良いかもしれません
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形状はオーソドックスで座りが良くなった
形状的には癖がなくて、オーソドックスです
特筆する部分もありませんが、ツートンカラーになっているところが気にならなければ誰でも違和感なく構えられる形状だと言えます
あとSIM MAXドライバーと同様ですが、座りが改善されているのはかなりデカイです
性能的にはクオリティの高かったMシリーズでしたが、ネックになっていたので座りの悪さだったので、そこが良くなっているだけでも素直に嬉しい部分です
地味ながら進化したと言っても良い部分かもしれません
カスタムの提案
ヘッドの重量的な部分を考慮すると、先端剛性の高めなモデルが良いですが、フェード系のヘッドなので極端なシャフトは除外したいところです
最近のシャフトから候補をあげるなら、ディアマナZF、TourAD TPあたりでしょうか
ガチガチに先端が硬いモデルではなく、手元側いしなりがありながらも全体的にしなやかさがあるタイプと組み合わせるのがおすすめです
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まとめ:SIMドライバーのポテンシャツは高いがカスタムが必要かも
以上、テーラーメイドSIMドライバー試打・評価|打点がバラついても平均以上の飛距離性能。という話題でした
SIM MAXドライバーをなるべく安く買うならUSモデルを選択するのもおすすめ
日本モデルよりもUSモデルの方が金額的にはかなり安くなっているのでUSモデルを手に入れるのもありです
そこでおすすめなのがUSモデルのゴルフクラブを専門に扱っている老舗のフェアウェイゴルフさん
ぼくも普段USモデルを購入する際に利用しているショップで、今年に入ってからはコブラSPEEDZONEを購入しています(昨年はEPIC FLASH)
メーカーから直接仕入れを行っている正規ライセンス品取扱店なので安心感が違います
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