今回取り上げるのはPING「G440LSTドライバー」。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

PINGの2025年モデルのドライバーは基本的に3機種(MAX、LST、SFT)とありますが、この記事では、小ぶりなヘッドサイズ(450cc)のロースピンモデルであるLSTを取り上げます。
結論から言っておくと、飛距離性能は過去のPINGの中でも随一!低スピン系ドライバーを検討している方には有力な選択肢になると思います。個人的には非常におすすめ。
ただ、G440MAXドライバーが今回は低スピンでLSTに寄ったタイプになったので、見た目の大きさで選んでもらっても良いぐらい両モデルに差がありませんでした。
PING G440LSTドライバーの概要とデザイン

「飛び重心」ということで、深い重心によって高MOIを生み出すという点を変えずに、重心位置を従来よりも下げるという試みを行っています。これはG440 MAXも同様ですね。
通常は重心を深くするとフェース上の重心は高くなってしまうのですが、今作では深重心でもフェース上の重心を下げることを重視している。
結果、インパクト効率が上がって初速が上がる!重心が下がれば低スピンエリアが拡大するのでバックスピン量を抑制できるというわけです。
ただし見た目はほとんど変わっていないので外観からは性能の変化は全くわからない。頼むから少しは変化をつけてほしい


ヘッド後方には高比重ウェイトが搭載されています。これは動かすことができて、つかまり具合を調整することができます。

前作G430LST同様に今回もカーボンクラウンを採用しています。


ヘッド形状がこちらです。
G440シリーズの中ではヘッド体積が唯一450ccです。他2機種は460cc。
MAXがだいぶデカく見えるので比較すると結構小さ目ではあるものの、そこまで小さくて威圧感を感じるほどではありません。

横から見るとこうなっています。割とシャロー。

フェースはさらに薄肉化したようです。
前作比で中心部が4%、周辺部が7%薄いフェースになってたわむようになったらしい。
PING G440MAXドライバー試打計測データ




PING G440LSTドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | トラックマン平均値 |
---|---|
H/S (m/s) | 45.5 |
B/S (m/s) | 66.5 |
打ち出し角(度) | 15.4 |
打ち出し方向(度) | 1.0 |
バックスピン | 2139 |
スピン軸 | -5.0(左) |
最高到達点 | 33.8 |
降下角度(度) | 38.1 |
曲がり | -8.3(左) |
キャリー(yd) | 253.1 |
総距離(yd) | 276.7 |
スマッシュファクター | 1.46 |
当サイトでは平均トータル距離が260を超えれば飛ぶモデル、270ヤード以上でれば文句なしに飛ぶという基準を設けています。
今季最高と言っていたG440MAXドライバーを僅かながら超えるデータとなりました。素晴らしいです。

ややヘッドが小ぶりなこともあってか、MAXよりも振りやすかったのも飛距離が伸びた要因かもしれません。
ボールスピードが良く出るうえに、バックスピン量も非常に少なくて棒球でグングン伸びていく弾道でした。
ちなみにMAXとスピン量を2モデルで比べてもほぼ大差ない結果です。
MAXがLSTに寄ってきているといった具合。

低重心化が進んで有効打点距離(重心より上の低スピン化するエリア)が長くなったからなのか、LSTは意外にも高打出し化しました。
スピン量ではMAXとほぼ差を感じないけれど、体感ではLSTの方がよりドロップしそうな雰囲気を感じてちょっと怖い気がします。

捕まりでもMAXとLSTでは特に大きな差は出ませんでした。
LSTでもつかまりは十分良い部類だと思いますが、MAXよりもLSTの方がライ角がフラットなので、打ち出し方向は右に出ています。
なのでドローヒッターならやはりLSTを選ぶ方が扱いやすいと思います。

集弾性も良いです。基本的な打球の集まり方はMAXとよく似ています。
センターから左10ヤード地点なので、バラつきもそこまで気にならず、とても落ち着いていますね。
MAXがすこぶる優しかったので、比較してしまうとやや劣りますけど、ちょっと小ぶりなタイプながら打点ブレには寛容。PINGらしい安定性は失っていません。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- PING史上で屈指の飛距離性能
- 低スピンでグングン伸びる
- 捕まりはまずまずで扱いやすい低スピンタイプ
- MAXに引けをとらない安定性
微妙なところ
- 低スピンエリアが広がったことで、少しドロップの不安がある(ロフト10.5°も試してみるのが吉)
総合力では過去最高と言っても良い完成度

飛距離が一段と出るようになったので、総合的に見ても素晴らしい完成度です。
G440MAXドライバーもかなり飛ぶようになっているので、両者の差があまりないというのが気がかりではありますが、ライ角の影響もあって右に出していきやすいのはLSTです。ドローヒッターはLSTを選ぶ方が安定すると思います。
とまあ、弱点っぽいところがほぼないですね。
強いていうなら低スピンエリアが従来モデルよりも広がっていることによって低スピン化に拍車がかかっていることでしょうか・・・スピン不足によるドロップがちょっと怖い感じはします。ですが、ここに関してはロフトを増やせば解消できるでしょう。
あとは先端に動きがでるシャフトと組み合わせてやっても面白いかもしれません。スピンもちょっと増えてさらにキャリーを伸ばせる可能性があります。
総合評価
飛距離は最高です。PINGの中でも随一の飛びなので、飛距離重視で選んでもG440 LSTは間違いない選択肢だと思います。
あとは全体的な性能のバランスが良くて、隙がまったくありません。
操作性と寛容性も良い感じで両立できていましたし、捕まりは適度にあってちょうど良いところに納まっていました。
G440 MAXとスピン量での差はあまりありませんので、スピンで選ぶというよりは持ち球との兼ね合いで選ぶのが良さそうです。
LSTの方が右には出しやすいので、ドローヒッターはLSTを選ぶ方が気持ちよく振れるでしょう。筆者はドロー系なので、LSTが遥かに打ちやすいかったです。
打感や打音はG430LSTと変わらずでした。
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