試打&評価

【PING ブループリントT 試打レビュー】スピンのバラつきが少ないマッスルバック

PING ブループリントT 試打レビュー

今回取り上げるのは「PING ブループリントT」。こちらを試打計測を行ったのでレビューしていきます。計測にはいつものようにGCQuadを使用。

PINGから登場した軟鉄鍛造マッスルバックの2代目です。2代目にはハーフキャビティ系と完全なブレード仕様に分かれていますが、ブループリントTは後者になります

マッスルバックは打点ブレにシビアなのでスピン量のバラつきも出やすいですが、今作は意外にもそこが安定していました。特に縦の打点ブレにはそこそこ耐えてくれますし、何よりデザインは最高にカッコいいアイアン。

それでは前置きはこれぐらいにして行ってみましょう

PING ブループリントTのデザイン

PING ブループリントT

まず見た目は超絶シンプルなミニマルデザインです。ナショナルブランドのアイアンでここまで無駄を削ぎ落としたデザインは珍しいし非常にカッコいい!

PING ブループリントT のバックフェース
PING ブループリントT のヘッド形状

ヘッド形状がこちら。とにかくストレートネックなところに目がいきますし、ボールをクリーンに拾いたい方にはもってこいでしょう。

ブレード長が前作より2%長くなったそうですが、目で見てわかるような違いはありません。

PING ブループリントT トップブレード

トップブレードもかなり薄い作りです

PING ブループリントT のタングステンウェイト

トウ側にはもうお馴染みになったタンスぐてんウェイト。操作性に加えて寛容性もアップさせたという事らしい。このウェイトはサイズアップしたらしくて前作よりも慣性モーメントは上がっています。とのこと

PING ブループリントT のソール幅

ソールは激狭です。形状は前作と大きな違いは感じませんが、ツアープロからのフィードバックは反映しているはずだから微小なアップデートはされていそう。

PING ブループリントT のバウンス角
PING ブループリントT のフェース面

新溝のマイクロマックスグルーヴを搭載したフェース。PINGのウェッジやらなんやらでほぼ使われているテクノロジーですが、実際にウェットな状況でもスピンが安定する素晴らしい溝で個人的にはかなり評価している部分でもあります

↓ブループリントTアイアンのスペックが下記。

番手ロフト角(度)ライ角(度)
31959
42259.8
52660.5
629.561.3
73362
83762.8
94163.5
PW4564.1

試打計測データ

まさ
まさ

PING ブループリントTアイアンの試打計測の平均データが下記

2024年より7番アイアンはヘッドスピード37m/sでの計測に統一しています.(ドライバーヘッドスピード45m/sの人がふった場合の参考値です)

H/S (m/s)37.3
B/S (m/s)48.6
打ち出し角(度)21.5
打ち出し方向(度)-2.6
バックスピン(rpm)6309
サイドスピン(rpm)-17
ピーク時の高さ(yd)31.6
降下角度(度)48.5
センターからのブレ(yd)-7.2
曲がり-1
キャリー(yd)148.2
総距離(yd)158.5

計測に使用したスペック:7番(33°)、シャフトはMODUS105のSフレックスです。ボールはタイトリスト プロV1x

ロフト33°で約148ヤードのキャリーです。飛距離は特に出る印象がないです同じロフトのブループリントSよりは5ヤードほど飛んでいません。

PING ブループリントT の計測データ

飛距離が出ていない要因にはバックスピン量の多さがあります。平均だと6300回転ほどでかなりスピンが入ってくれます。

スピンが欲しいならこれ以上ないアイアンですが、飛距離を出すにはスイングスピードが求められます。アイアンが飛距離を生み出してくれる要素はほぼありません

飛距離が欲しいならプロジェクトXやKBSのようなノーステップ系のシャフトがいいかも

PING ブループリントT 弾道イメージ

球筋がこちらです。あまりにもストレートネックだからなのか、今回の計測ではちょっと引っ張り傾向ではありました。ですが安定性はまずまずで大きな曲がりもなかったです。曲がり幅の平均はわずか1ヤード

見た目がストイックすぎるので超絶難しいのかと思ってましたが良い意味で裏切ってくれました。

PING ブループリントT の上がりやすさ

打ち出しは21.5°でロフトの割に低め。重心は高めなので高打ち出しには期待できませんが、スピンが多いので落下角度は48°ほどついてくれます。

スイングスピードがないと打球は上がらないタイプ

良かった点

良かったところ

  1. バックスピンのバラつきが小さくてキャリーが安定する
  2. 操作性は高いけど普通に打つ分にはそこまで曲がらない
  3. 抜けの良さは最高峰

微妙な点

微妙なところ

  1. 飛距離性能は期待できない

意外なほどキャリーが揃うマッスルバック

バックスピン量がなぜか揃います。優しいわけではありませんが、スピンが安定するおかげでキャリーのバラつきが気になりません。マッスルバックは打点ブレにシビアなので、キャリーもまちまちになりやすいけれど、その弱点はけっこう解消されているアイアンです。

PING ブループリントT のばらつき

左右の打点ブレにはそこまでの強さを感じませんが、縦の打点ブレにはけっこう良い感じ。縦距離の誤差が小さいのがアイアンにとっては何よりなので嬉しい誤算でした

PING ブループリントT のバックフェース

打感は感動するほど良い気はしません。まあ一般的な軟鉄鍛造マッスルバックだなーぐらい。

PINGはソールの作り込みが絶妙で上手くバウンスを付けてくるのですが、地面への当たりの良さと抜けを両立できている点には毎回驚きます。操作性は初代ブループリントと大差ないですがかなり優秀で自由自在。

総合評価

打ち出しも低めですし、スピンが入りすぎるぐらいなのでアイアン自体に飛距離が出る要素はありません。飛距離を自分で出していける方には問題ないですが、ちょっとでもアイアンに助けてもらいたいならブループリントSの方がおすすめ。打感は思ったよりも普通でした。

操作性や抜けはプロからのフィードバックも要因でしょうけど、モデルチェンジを重ねるごとに進化しています。ただ今作に至っては縦距離が揃うのが強みなので、マッスルを使っているけど距離感がバラつくなーと感じている方の選択肢になってくるアイアンだと思います

ただ、個人的にはブループリントSのほうが出来が良いのでおすすめです

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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