ゴルフ雑記帳のまさです。
今回はPINGの2024年モデル「ブループリントSアイアン」の試打レビューです。
2019年に発売された初代ブループリントといえば、めちゃくちゃシャープな軟鉄鍛造マッスルバックアイアンだったのですが、2024年には2種類のブループリントが登場しました。そのうちの一つがハーフキャビティ形状となっているブループリントS。今回取り上げるアイアンです。
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PINGの公式サイトによるとSは”SCORE”の意味らしい。
今作は見た目もかなりかっこいいしPINGの軟鉄ハーフキャビティということでぼく個人としてもとても楽しみにしていたモデルです。
ということで、今回もいつものように弾道計測器GCQuadを使用しているので計測データを見ながらどういったシャフトがレビューしていきます。アイアン選びの参考にしてもらえれば幸いです。
PING ブループリントSは打感最高で安定感も申し分なし
先に結論から言っておくとブループリントという事で身構えていたけど意外にも上がりやすいし簡単なツアーアイアン。打感は超がつくほど柔らかいしフィーリング面は言う事無しな仕上がりでした。
バックスピン量は期待してたほど多くはなかったですが、低重心化がしっかりされているからなのか高打ち出しで高さの出やすさの方が印象的でした。
高さが出てくれるので降下角度も十分あってグリーンでもしっかり止められます。スピンもだけど落下角度もとても重要です。
優しく上がってくれるし打点ブレにもそこそこ寛容。方向性もよくてラインも出しやすい。
想像よりも優しく打てるのでそこまで身構える必要はないかと思いますが、バウンス角はi230よりも小さいですし、実際にダフり耐性はないです。
ダフリが気になる方にはちょっと難しいアイアンに感じるかもしれないのがデメリットといえばデメリット。とはいえそのぶん抜けは最高です。
PING ブループリントSの概要とスペック
PINGのブループリントは2019年に初代が発売された軟鉄鍛造ヘッドアイアン。2024年モデルの今作が2代目になります。
初代ブループリントはマッスルバック1種類だったのですが、2代目ではハーフキャビティとマッスルバックの2つをラインナップ。
これはかなり嬉しい展開ではないでしょうか。PINGの軟鉄アイアンでちょっとやさしいタイプが欲しかった人にとっては朗報です。実際思っていたよりもずっと優しく打てるアイアン。
ハーフキャビティということなんでバックフェース側を見てもらうとこんな感じになっているんですけど、わりと深めのキャビティになっています。
もっと気持ち程度のキャビティかと思いきやわりとガッツリでした。ちなみにネックはPINGらしくライ角調整を行いやすいように凹みが相変わらず入っています。
素材は軟鉄単一ヘッドかと思いきやトウ側にはタングステンウェイトが装着されています。重心位置の調整を行うことや慣性モーメント向上を狙ってのことでしょう。
さらに打点位置の裏側にはエラストマーインサートが装着されています。インパクト時の衝撃を吸収するというもの。シンプルなデザインですが中身はけっこうハイテクなところがPINGらいしい。
ということなんですけどi230アイアンと使われているテクノロジーはかなり似ているけれどi230は4ピースなんでもっと複雑。それと比べると幾分シンプル。それにこちらは軟鉄なんで軟鉄信仰の強い人にとってはこちらの方が魅力的に感じるのではないでしょうか。
トップブレードはなかなかシャープ。
PING独自のマイクロマックス・グルーヴを今作でも採用しています。ウェットな状況だったりラフからでも安定したスピンを発揮してくれるとかなんとか。
ソール幅は狭め。
バウンス角はi230と比較すると全体的に1°ほどブループリントSの方が小さいです。プロが好む抜けの良さを重視しての調整かなと思います。
【レビュー】PING ブループリントSの評価
各項目を10点満点で評価していきます。
計測には世界中のプロも愛用する弾道計測器GCQuadを使用しています。
明らかなミスショットを除いた平均データが下記
PING ブループリントS | |
ヘッドスピード(m/s) | 37.7 |
ボールスピード(m/s) | 48.6 |
打ち出し角(°) | 23.6 |
打ち出し方向(°) | -2.1 |
バックスピン量(rpm) | 4744 |
サイドスピン量(rpm) | 84(右) |
高さのピーク(yd) | 34.6 |
降下角度(°) | 49.2 |
センターからの横ブレ(yd) | -4.4(左) |
キャリー(yd) | 153.5 |
トータルディスタンス(yd) | 164.3 |
▶計測に使用したクラブのスペックは下記
- ヘッド:PING ブループリントS
- シャフト:モーダスTOUR 105
- フレックス:S
- ロフト:33°(7番アイアン)
飛距離【8/10】
7番アイアンでロフト33°ということなんですが、平均キャリーは153.5ヤード。思ったよりは飛びました。
軟鉄鍛造のツアーアイアン、ロフトもほぼノーマルなんで特別期待する必要はないんですが飛ばないとかはないので一安心。
ただしi230の方が3ヤード〜5ヤードぐらい飛ぶイメージです。というか実際に飛ぶ。
スピン性能【7/10】
平均で4744回転。あれ?思ったよりも少なかったな…というのが正直な感想。
見た目からして結構低重心化してそうな感じでしたけど、実際に飛び方は低重心系アイアンみたいな雰囲気でした。ここは想像していたのとはまったく違いましたね。
まあ必要十分ではあるしおかげで弾道は強いし風にもけっこう強かったです。
上がりやすさ【8/10】
打ち出し角度は23.6°で最高到達点は34.6ヤード。
高打ち出しで高さも出やすいです。スピンが思いのほか少なかったとは言いましたけど、降下角度は49.9°で申し分ありません。
高さで止められるアイアンだしちょっとぐらいフェース下目に当たってもボールは浮いてくれるので、ソール幅はけっこう薄かったわりに意外と優しいなと思いました。
あと見てもらったらわかるとおり高さも揃ってくれるので一貫性もあります。
捕まり【5/10】
フェード系です。捕まりにくいとかはありませんが、ニュートラルなアイアンだったので5点としています。
ライ角を調整したりすれば好みの状態にカスタムもできるので、ノーマルの状態でこれはけっこう良い調整ですね。
ミスへの強さ【8/10】
めっちゃ安定します。これは想定外すぎた、PINGのツアー系だったら一番カンタンなアイアンだと思います。
まず打ち出し方向の安定性とボールの捻じれの少なさ。ラインはめっちゃ出しやすいです。
打点ブレにも案外強くて扱いやすい。初心者から使えるとかはさすがにありませんが、ブループリントというから難しいかと思いきや中級者ぐらいならまったく問題なく使えるアイアン。
操作性【10/10】
操作性は最高クラスです。フェードが基本形ですがドローをかけたい時にはしっかりと応えてくれます。高低も問題なし。
抜け【9/10】
抜けは最高に良いですね。ここはツアー系だしi230よりもバウンスが少ないのも影響していそうです。
その分ちょっとダフりについての寛容性は落ちていますので、注意点を上げるとすればここでしょうかね。
打感【/10】
軟鉄+エラストマーインサートということなんで無類の柔らかさです。ヨネックスのツアーアイアンにかなり近いですね。ちなみにヨネックスのアイアンの打感はやばい。
ワンピース軟鉄よりもさらに柔らかい感覚にはなっているので芯はちょっとぼやける感じはあるんですけど、柔らかさを求めるならこれ以上ないかなと思います。
総合評価
フィーリング面では言う事無しなぐらい素晴らしい出来栄えです。
それでいて方向性の良さやミスへの強さもツアー系アイアンとは思えないほど簡単なアイアンでした。
打感はちょっと芯がぼやける感覚はあるもののこれはこれでめちゃくちゃ良い打感だなと個人的には思っています。
あと意外にも上がりやすいアイアンなのもよかったです。
PING ブループリントSの試打評価まとめ
この軟鉄アイアンは見た目より数段やさしく打てるのでハーフキャビティ系のアイアンを使ってきた方であれば「けっこう優しく打てる」と感じられる作りのはず。ただしダフリには弱い。
ボールが上がりやすいしミスにもツアー系としては寛容です。なによりエラストマー内蔵タイプの軟鉄ヘッドなんで打感は超絶やわらかい。
ワンピース軟鉄のように柔らかいけど芯がある!というタイプではありませんが、とにかくソフトな打感を求めるなら試す価値ありでしょう。
ダフリを助けてくれるところが希薄な点がシビアといえばシビアですが、それ以外の完成度は素晴らしいです。
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