ゴルフ雑記帳のまさです。
今回はミズノSTシリーズの2023年モデル「ST-Z230ユーティリティ」の試打レビューです。
小ぶりで精悍な顔つきをしたウッド型ユーティリティですが、今回もいつもどおりGCQuadでのデータ計測とラウンドでのテストしました。
実際に打ってみて感じた率直な感想が下記。
凄く優しいユーティリティというよりは、中上級者がしっかりとスピンをかけてコントロールができるタイプといったところです。
操作性が良く左へのミスは出づらいけれど、高弾道は比較的ラクに打てるところが強みだと感じました。
それでは弾道計測器GCクワッドの詳しいデータを見ながら、ミズノ ST-Z230ユーティリティについてレビューしていきます。
ミズノST-Z230ユーティリティの概要とスペック(振動数や剛性)
ミズノST230シリーズはドライバーは2種類ありますが、ユーティリティはこちらのST-Z230の1種類のみです。
ボディ部分はステンレススチール、フェースは高強度マレージング鋼が使われています。
ロフトラインナップは19°、22°、25°の3種類。
そしてST230シリーズの最大の特徴である「コアテックチャンバー」はユーティリティにも搭載されています。
これはウレタン樹脂と一体成形された鉄芯ステンレスのことで、反発力を向上させるというテクノロジーです。
ミズノの説明によると、鉄芯が飛球線への運動量を持つことでボール初速を向上させるという働きがあるとのこと。
ヘッド形状がこちら。非常にシンプルな形状で出っ歯気味なのが印象的です。
横から見たのがこちら。
構えてみるとわかりますがヘッドサイズは結構コンパクト。標準状態だとフェースが全然被っていないのでライン出しのイメージも湧きやすいです。
打感はまあまあソフトな感じでフェースへの食いつき感も申し分ありません。反面弾き感というのはそれほどなかったです。
ミズノST-Z230ユーティリティの試打計測データ
それでは、ここからは実際に打ってみた際のデータを見ていきます。
- ヘッド:ミズノ ST-Z230ユーティリティ
- ロフト:22°
- シャフト:ディアマナ MM U72
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1x
ヘッドスピード(m/s) | 42.1 |
ボールスピード(m/s) | 58.4 |
打ち出し角度(°) | 18.3 |
打ち出し方向(°) | -0.1(左) |
バックスピン(rpm) | 5909 |
サイドスピン(rpm) | 106(右) |
ピーク時の高さ(yd) | 40.5 |
降下角度(°) | 49.9 |
センターからのブレ(yd) | 1.7(右) |
キャリー(yd) | 186.2 |
総距離(yd) | 198.5 |
平均キャリーは186.2.ヤード、ランを含めた総距離が198.5ヤード。(総距離はフェアウェイ上に落ちた場合の想定値)
今回の平均のヘッドスピードはGCQuad計測で42.1m/sでした。
当サイトで計測を行っている22°のユーティリティの中で比べると、キャリーはや10yd近く下回るという結果。
ですがボールスピードに関してはほぼ平均値を推移しています。ではなぜ飛距離伸びにくいかというと、バックスピン量が非常に多かったからです。
当サイトの22°ユーティリティの平均は記事執筆時点で約4200回転。ST-Z230ユーティリティはそれを遥かに上回る5909回転でした。
ほぼ6番アイアン〜7番アイアンほどのスピン量となっています。
スピン量と同時に高打ち出しだったのもデータの中では際立っていました。
打ち出し18.3°。最高到達点は40.5ヤードに達しました。両方とも平均を遥かに上回ります。
つまり上がりすぎて飛距離が伸びなかったというわけです(笑)
弾道はストレートからフェードをイメージしやすい捕まり具合です。
4球の弾道を重ねてみるとこのような感じになりました。
左方向へのミスはほぼ出ないだろうと感じる捕まり方。
左右のバラツキはほとんど見られません。センターからやや右に集約していますが、1.7ヤード地点なのでほとんどセンターと言っていいでしょう。
高さのバラツキはこれぐらい。ここはバラつきが出ているように感じます。
フェースの上下の打点ブレにはそこまで優しさは感じませんが、打点位置で弾道をコントロールしたい方にはメリットになるでしょう。
ミズノST-Z230ユーティリティのレビュー
飛距離よりも打球をしっかりとコントロールしたい方に適したユーティリティという印象です。
ウッド型ですがアイアンっぽい球筋をイメージしやすいですし、左へ引っ掛けやすいクラブ特性も抑えられている印象があります。
特にバックスピン量は極めて多いのでグリーン上で止めることに関しては全く苦になりません。
ただ、そのバックスピン量の多さが故に飛距離の出しづらさはあります。
ユーティリティでも飛距離重視というよりは、あまり強い打球が出ると困るというようなパワーヒッターや、操作性を重視したい中・上級者の方に適したモデルです。
まあ、そういった方はユーティリティでもカスタムシャフトを選択することが多いと思うので、低スピン系シャフトを装着すればちょうど良い塩梅になると思います。
今回もチャートを作ってみましたがこのような感じ。
高さ、スピン性能、操作性は特に優秀なユーティリティです。ここに関しては最高峰の出来だと感じました。
フィーリング面はミズノらしい仕上がりだったなと思います。フェースへの食いつきの良さや抜けの良さは素晴らしかったです。
ちなみに捕まりも強くはないので、初心者やアベレージクラスでスライサーの方は扱いづらいと感じる可能性が高いでしょう。
ミズノST-Z230ユーティリティのまとめ
総合評価:
高弾道かつスピン量が多いので飛距離がめちゃくちゃ出るというタイプではありませんが、操作性やピンポイントでグリーンを狙っていけるユーティリティとしては凄く完成度が高いです。
おすすめな人
- ウッド型ユーティリティで高スピンを求める方
- 左へのミスを消したい方
- 操作性やスピンを重視する中・上級者
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