2021年8月20日に発売のガーミンのポータブル弾道計測器「Approach R10」。弾道計測器としては74,800円という驚きの安さと、豊富な計測項目数(20項目)を誇ることから、発表段階から大きな注目を集めていました
ぼくも事前情報として「ガーミン、弾道計測機「Approach R10」を発表。30万以下の弾道計測器を過去のモノにする衝撃の機能」という記事を出していましたが、今回はメーカーからレビュー用に先行して1台提供して頂けました
既に1週間ほど実際に使ってみたので、Approach R10の良かった点や、購入前に知っておきたい気になる点を正直にレビューしていきます
【結論】全ゴルファーが買うべきコスパ最強の弾道計測器
結論だけ先に言っておくと、1週間じっくり使ってみた結果、個人で持つには十分すぎるほど高性能。レベルを問わずゴルファー全員が買うべきで完全におすすめです。100切りとか上級者とか関係なく全員が買ってほしい。そう思えるほど完成度の高い計測器です
気になる精度面に関しては「完璧です!」というわけでは正直ないけど、ちゃんと納得できる内容でした。スカイトラックとの比較も行っていますが、重要なデータは似たような数値で実用性は問題ありません
というわけで、精度も十分実用レベルになったとなると、10万円以下の計測器では現在のところ頭ひとつ抜けた状態
むしろ30万円以下の計測器すら結構厳しいんじゃないかと思えてきました。最大の理由はヘッドデータまで計測できる点です。この価格で入射角やクラブパスまで測れるのははっきり言ってレベルが違いすぎます
これが時代の流れなんだなと言えばそれまでではあるけど、個人レベルで買える計測器としては性能が良いのに安すぎるし、キャディバッグに入れて持ち運べるコンパクトサイズなのも嬉しいところ
ガーミン Approach R10のスペック
価格 | 74,800円(税込) |
バッテリー稼働時間 | 最大10時間 |
バッテリー | 充電式リチウムイオンバッテリー(microUSB) |
本体サイズ | 88.5mm✕70.25mm✕25mm(三脚マウントを除く) |
重量 | 148g(三脚マウントを除く)、220.8g(総重量) |
防水性能 | IPX7 |
弾道測定 | 対応 |
測定タイプ | ドップラーレーダー式 |
測定データの保存 | 対応 |
ビデオクリップの自動記録 | 対応 |
ゴルフシミュレーター | 対応(有料サブスクリプションに加入が必要)、世界42,000以上のコースで、最大4人のプレーヤーと競うことが可能 |
対応アプリ | Garmin Golfアプリ(iphoneとandroid両対応)※Android OS対応のタブレットは使えません |
計測項目数 | 20項目(詳細は下記) |
▼計測項目は下記
- トータル飛距離
- キャリー飛距離
- トータル偏差角
- トータル偏差距離
- キャリー偏差角
- キャリー偏差距離
- クラブヘッドスピード
- ボールスピード
- 打ち出し角
- クラブフェース
- クラブパス
- バックスピン
- サイドスピン
- スピン軸の傾き
- スピン量
- フェーストウパス
- アタックアングル
- スマッシュファクター
- 最高到達点
何がすごいかというと、弾道計測器として欲しい機能をこれでもかと詰め込みまくっているのに安すぎるところでしょう
計測できる項目が20個、バッテリー持ちが10時間で、おまけにスイングの自動録画もできでしまううえに42000以上のコースでゴルフシミュレーター可能・・・。色々と頭がおかしい(褒めている)
これでたったの74,800円なんですよ。スカイトラックやmevo+を3.5台ぐらい買えてしまう。ガーミンさんこれ価格設定間違ってませんか?というぐらいヤバい
設置方法
使い方はスマホとApproach R10をブルートゥースで接続するだけです
連携方法は特に難しい話はなくてめちゃくちゃ簡単なんであえて説明はしませんが、屋外で使う場合には後方に1.8m離れて、かつ0.6m✕0.6mのヒッティングエリアに収まるようにセットします
コンパクトでどこにでも持ち運べる
Approach R10は計測項目の多さや、たくさんの機能が詰め込まれているのも嬉しいところですが、コンパクトで軽量なボディも魅力のひとつです
iphone12 Pro Maxを並べてみるとこんな具合です
本体重量は149g、三脚は70g
三脚はマグネットでくっつくようになっています
三脚を着けた時の総重量は220g。十分軽くて、ブッシュネルのレーザー距離計と同じぐらい
Approach R10のセット内容がこちら
- Approach R10本体
- 専用三脚
- スマホクリップ
- MicroUSBケーブル
- 専用ケース
専用ケースの中に綺麗に収まります
全て収めた場合は496g
ガーミン Approach R10のココが良い
クラブ軌道のデータが取れる
計測項目数も確かに充実しているし精度も十分使えるレベルなんですが、最も驚かされた所はクラブ軌道のデータが取れる点です
これはトラックマンやGCQuadのような数百万クラスの計測器に搭載されるような機能なんですが、一般ゴルファーが買えるものでヘッド軌道データが取れるものは他にないという状況だからとても貴重な存在
入射角やクラブパス、軌道に対するフェース向きなど、詳細かつかなりリアルなデータが見れます。おまけ程度の機能ではなく、しっかりとしたデータなので実用性は十分です
スイング改善に役立つ情報が満載なので上達するスピードもアップするはず
サイドスピンとスピン軸の両方に対応
低価格帯の弾道計測器ではここも貴重な部分で、Approach R10は曲がりに関する情報を詳細に取得することができます
実はこれまで10万円以下ではサイドスピン計測が非搭載というモデルばかりでした。値段的に搭載することは不可能なのか?と思っていましたが、Approach R10ではしっかりと対応しているから衝撃的だったわけです
しかもサイドスピンという表示に加え、スピン軸という表示の両方に対応しているのが最高ですね。とはいえ、そもそもサイドスピンというものは物理的には存在していなくて、スピン軸の傾きによってボールは曲がるから「スピン軸」が正しい表記です
このような意見があると思います
実はぼくもそう思っているんですが、Approach R10では嬉しいことに同時にサイドスピンも表示してくれている超親切設計
スイングの自動録画機能がすごい
付属のアタッチメントを使ってスマホカメラで弾道計測と同時にスイング撮影も行えるのは良いところのひとつです
カメラをセットしてアプリ側でボタンを押すだけで超簡単に使用できます
これによって「スイング、クラブ軌道、弾道のデータ」という必要な情報はApproach R10ですべて記録できます。しかもこれで74,800円。頭がおかしい(褒めている)
コンパクトなのにバッテリー持ちが抜群
本体サイズがコンパクトなのは見て頂いたとおりですが、バッテリーがめちゃくちゃ優秀です
最大10時間駆動するらしいですが、1時間使って10%ほどしか減りません。スペックどおりではあるけど、実際使ってみても全然減る感じがなくて安心感は抜群。ぶっ続けで10時間練習する猛者でもApproach R10だと大丈夫
むしろスマホの充電の方が心配になるレベルです。ポータブル弾道計測器としてバッテリーは重要なので、これは素直に良いところだと思います
ゴルフシミュレーターはG80とは比べ物にならない完成度
ガーミンからはG80というゴルフナビに弾道計測機能を搭載したモデルがあります。ただ、G80は簡易的なシミュレーターで、正直物足りなさもあったのが正直な感想
R10はそれと比較するとかなりリアルな仕上がりで、ちゃんとシミレーションゴルフになっています。コースに対してどこに打っていくか設定できるところや、左右に曲がったり打ち損じたりしたときの反応がちゃんとしています
風の設定もできて、無風や強風、ほどほどみたいな具合でよりリアルなラウンドも可能
しかも42,000コース以上の中から好きなゴルフ場をダウンロードして楽しめるのは凄く嬉しいところ。実際に馴染みのゴルフ場でシミュレーションしてみましたが「ちゃんといつも行くゴルフ場や!」となって少し感動しました
パッティングは自動です。ピンからの距離に応じて1パットや2パットなどが決まっているみたいです
ガーミン Approach R10のココが気になった
機材セット時のアライメント(方向)が合わせづらい
Approach R10は飛球線後方に設置して弾道を計測するんですが、その際にまっすぐ合わせづらいという問題点があります
なぜこれが問題なのかというと、明確にこれ!という基準がないからです。あくまで自分が打っていった打球に対して真っ直ぐをあわせることになります
説明書には以下のように記載されています
- サンドウェッジなどのハイロフトのクラブを使用して、スレートショットを打ちます
- 打ったショットとGarmin Golfアプリの打ち出し方向を比較します
- アライメントが揃っていないと打ったショットの打ち出し方向が一致しません
- アライメントを調整します
- 打ったショットとアプリの打ち出し方向が一致するまで、この手順を繰り返します
以上
ということなんで、方向取りは完全に手動です。つまり、完璧を目指すとキリがないのである程度で収めておく必要があります
ちなみにmevo+だと本体のカメラからの映像をスマホやタブレットに映してアライメントを取るということができます
練習場ボールの補正機能はなし
Approach R10には練習場のボール、いわゆるレンジボールをコースボール並の飛距離に補正するという機能はありません
それはなんだ?という方に説明しておくと、練習場のボールはコースで使うボールよりは飛ばないようになっています。その飛距離の差を機械側で補正していくというもの
つまり、ガーミンでは実際に計測したデータをそのまま表示するという考え方であり、ボール設定は非搭載だそうです
ちなみにですが、GCQuadにも補正機能がありませんが、トラックマンにはあるみたいなところで、メーカーによって思想が違うからしょうがない部分ではあります
ガーミン Approach R10とスカイトラックを比較
普段ぼくがメインで使用している弾道計測器であるスカイトラックとガーミンApproach R10の計測データを比較してみました
ちなみに個人的な話ではあるけれど、現在はGCQuadを注文しています。納品までもうしばらくかかりそうなので、届いたらGCQuadとも試しに比べてみたいと思います
ドライバーショットの比較
▼Approch R10のドライバーデータ
▼スカイトラックのドライバーデータ
▼ドライバーショットの平均値が下記
ドライバーデータ | Approach R10 | スカイトラック |
ヘッドスピード(m/s) | 44.25 | 43.0 |
ボールスピード(m/s) | 62.2 | 62.4 |
打ち出し角(度) | 17.7 | 16.0 |
打ち出し方向(度) | -1.6 | -1.9 |
バックスピン量(rpm) | 2574.2 | 2620.8 |
サイドスピン量(rpm) | 636.7 | 434.9 |
センターからのブレ(yd) | 13.5 | 8.5 |
キャリー(yd) | 229 | 225.9 |
総距離(yd) | 243.2 | 243.9 |
ボールスピード、バックスピン量はそれぞれの打球を見てもほぼ同様のデータが取れていてなかなか良い結果ですが、打ち出し角がApproach R10の方がスカイトラックと比べて全体的に高くなる計測結果でした
キャリーはスカイトラックよりも少し出やすいかななと感じました。単発だと最大5ヤードのキャリー差が出ていますが、平均だと3ヤードほどApproach R10の方がキャリーが出ています。まあ、正直これぐらいなら問題ないでしょう
打ち出し方向とサイドスピンのズレは少し感じます。ただし、これは両方の計測器ともにアライメントを正確に取るためのシステムがないので、ズレが出てしまっているけど許してほしい
ぼく的にも、より正確なデータ検証を行いたいところだけれど、GCQuadが届くのはもうしばらくかかりそうなので待ちたいと思います
8番アイアンショットの比較
▼Approach R10の8番アイアンデータ
▼スカイトラックの8番アイアンデータ
上記のデータを見てもらえればわかりますが、3球目でApproach R10は完全なエラー(ストレート系だったのにとんでもなく右にいった)がでました。割とストレートな打球で、スカイトラックのデータが本来のボールに近いデータです。あまりにも分かりやすいエラーでこれを含めるのはフェアではないと判断したため、3球目は除外します
▼3球目を除外した平均データは下記
8番アイアンデータ | Approach R10 | スカイトラック |
ヘッドスピード(m/s) | 35.6 | 38.0 |
ボールスピード(m/s) | 48.3 | 47.2 |
打ち出し角(度) | 26.7 | 24.5 |
打ち出し方向(度) | 1.6 | 1.8 |
バックスピン量(rpm) | 6480 | 7157.9 |
サイドスピン量(rpm) | 552 | 476.6 |
センターからのブレ(yd) | 10 | 9.4 |
キャリー(yd) | 140.6 | 140 |
総距離(yd) | 149.7 | 149.7 |
やはりボールスピードやスピン量、キャリーともに驚くほどとんでもない差が出ることはありません。Approach R10の方がバックスピン量が少ないのはちょっと気になりますけど
それぞれのデータをみていくと、キャリーと打ち出し角に関してはやはりApproach R10の方がやや出やすい傾向にはありますが、キャリーの誤差はドライバー同様に5ヤードほどがMAXといったところ
10ヤードも20ヤードも違う数値が出てしまって使い物にならない!なんてことはありません
こういう方は30万弱するスカイトラックやmevo+でも厳しいから、トラックマンやGCQuadを買うべきでございます
まとめ
ガーミン Approach R10の紹介でした
確かに計測精度に関して、完璧とまでいかないだろうけれど、この価格帯では到達しないと思っていた計測項目数と高機能ぶりには正直驚かされました
スイングに関する情報は「実際のスイング映像、クラブ軌道、弾道データ」と、打点位置以外は網羅されていますので、これ1台あれば練習効率を大幅に向上させることが可能です
ちなみに、今後もアプリのアップデートで精度や翻訳で不自然な箇所は改良されていくそうですから期待しています
おすすめ度:
関連個人で購入可能な「ゴルフ用弾道測定器」|おすすめ機種&アプリを用途別に紹介
関連ガーミン アプローチS42評価レビュー|優秀なラウンド分析+高精度計測
関連【ガーミン アプローチS62評価レビュー&口コミ】進化したハイエンド時計型ゴルフナビ
関連【注目の弾道計測器】Foresight Sports GC3が公開。2021年秋発売か
関連時計型ゴルフナビおすすめ人気ランキング|ゴルフウォッチを徹底比較【ゴルフスマートウォッチ】
関連レーザー距離計おすすめ人気ランキング(ゴルフ用)|価格別に分けて紹介【コスパ+口コミ&評判+選び方】
関連Rapsodo、モバイル弾道計測機「MLM2 PRO」を発表。スピン量計測やAndroid端末にも対応。
関連【評価レビュー】ガーミン Approach S70|最も理想的なゴルフウォッチ【口コミ・評判】
関連GARMIN オールインワン弾道計測器「Approach R50」を11月28日に発売!タッチディスプレイ付きで高速カメラを3台内臓タイプ