カスタムシャフトとして国内、国外問わず多くの使用者のいる、三菱ケミカルのディアマナシリーズの2019年モデルである「ディアマナZF」が発売されました
長く続いているディアマナですが、現在展開されているモデルは第四世代で全体的に弾き感を感じやすいタイプが多いのが特徴です
ディアマナといえば赤・白・青と今までは3種類のラインナップ展開だったのですが、ZFは4種類目になりどこにも該当しないモデルというのが気になるところ
特性的には先端の弾き感がありながらも手元よりにしなりのポイントをもってきたモデルで、コントロール性能と飛距離性能を同時に追求したシャフトでありますが、今回はディアマナシリーズとしては初の40g台をラインナップに追加するなど、今までよりも幅広い層が使えるようになっています
今回は「飛んで曲がらない」を追求しているとのことですが、実際どういった性能なのか・・・
このページでは、高精度弾道計測機GC2を使ってのデータ計測をもとに、ディアマナZFのフィーリングやどういった方におすすめするのかを正直に試打評価レビューしていきますので、どうぞシャフト選びの参考にしてみてください
ディアマナZFの概要
- 粘りと弾きを両立したモデル
- 方向性能が高く、弾道のバラつきが少ない
- Dimanaとしては初の40g台からのラインナップ
ディアマナZFがすでにトッププロから信頼を獲得している理由は、素材使いにあるといってもいいでしょう
まずは「MR70」という高強度の炭素繊維シート、もう一つはTENSEIのプロシリーズに使われているボロン繊維
MR70はシャフト全長に使用されることで、従来のよりも20%近く強く、弾性率が10%大きくなっています。これに加えてシャフト先端部にはボロン繊維を積層することで先端剛性をアップしているというもので、挙動の安定性が大幅に向上しています
ディアマナZFと、ディアマナBF・DFを比較した場合をみていきますと、手元側の剛性はZFが最も高く、先端部では若干DFの方が硬めの設定になっています
ディアマナBFは手元を固めて、先端側に動きを出すような合成分布図となっていて、捕まりやすくしたモデル
ディアマナDFは手元側の剛性は緩めた、典型的な手元調子系で先端が、シリーズ中最も硬くなっています
そしてディアマナZFは、先端部の硬さはあるものの、手元側がかなり硬めの設定になっていることによって、相対的に中間部から先端に動きが出てくるというものでしょう
シャフト全体の硬さがもっとも感じられる設計で、スイング時のしなり感は少なめとなりますが、こういったタイプは追従性能が高く、操作性が非常に高くなるという特徴があります
ディアマナZFの試打評価レビュー
試打クラブ
試打クラブのスペック | |
ヘッド | テーラーメイド M5 460 |
ロフト角 | 9.0度 |
シャフト | 三菱ケミカル DiamanaZF |
フレックス | S |
バランス | D2 |
総重量 | 313.5g |
シャフト単体でのスペックは以下のとおりです
- シャフト重量:64.0g
- トルク:3.8
- キックポイント:中元調子
試打計測データと弾道イメージ
ヘッドスピード | 46.2m/s |
ボールスピード | 67.0m/s |
サイドスピン | 139左 |
バックスピン | 2408rpm |
打ち出し角 | 15.6° |
最高到達点 | 39yd |
キャリー | 259yd |
総距離 | 281yd |
飛距離性能
飛距離性能はヘッドの性能に依存する部分もありますが、ヘッドスピード46m/sで初速が67m/sを超えてきているのでミート率の高さから飛ばしのポテンシャル的には高いモデルですし、データ的にも飛距離的にもキャリーで260ヤード弱出ているので優秀です
そして打ち出し角的にも15度付近なので平均的な高さがでていますし、捕まっている割にはバックスピン量は2400rpmほどとやや多めです
高さを抑えていきたい方が吹き上がりを抑えるという感じのモデルではないですが、方向の安定性は抜群ですし、これぐらいのスピン量が実はコース上では一番安定性が高いので理想値に近いです
方向性
弾道的には軽〜くドロー傾向の球筋ですがサイドスピン量的には500rpm以下で非常に良い結果で方向性的には文句はつけれないかなと思います
左右打ち出し角は右方向へ約2°ほどで理想的な打ち出し方向となりました。右に出て戻ってくるドローといったところ
1球目は右に出て返ってこなかったこともあり、右方向21ヤード地点に着弾していますが、その他3球は15ヤード以内にまとまっているので十分実戦で使えます
挙動とフィーリング
しなりのポイント的には中元の表記となっていますが、手元側の硬さがかなりあることで、相対的にシャフトセンター付近に近い部分がしなりを感じるのと、実際に打ってみて感じたのは先端側にもやや動きのあるタイプであるということ
弾道の高さに影響を与えているのはこのあたりかなと思いますし、しなり量自体はDimanaの中でもそれほどあるわけではありませんが、実際に振っていてそれほどハードな印象はうけませんでした
やはりタイプ的には青マナ系のディアマナBFに近い雰囲気がありますが、ディアマナZFの方が捕まりは若干抑えられているので叩いていける安心感はこちらのほうがあります
前作のDFはディアマナ第四世代の中でも先端剛性が最も高い白マナ系で、捕まらなかったのを考えると、DFで捕まりきれなくて飛距離ロスしていた方がいた方いたのは事実。なので、今回のZFのテーマとなっている「飛んで曲がらない」というのはわりと納得感があります
こんな方におすすめ
特性的に基本的には左方向へのミスを消しながら飛距離を出していきた方におすすめするモデルですが、左を嫌がるあまりにプッシュアウトしてしまう方には適度に捕まってくれるので最も相性が良いでしょう
ディアマナBFのように捕まりが比較的いいタイプには分類されますが、先端部はあまり動きすぎないので、フック回転を抑えたい方に最適
また、手元部の剛性も高いことから、リストターン系のスイングでインパクトでしっかり叩いていくようなタイプとも好相性。追従性が高いので、クラブが遅れることなくインパクトできるでしょう
全体的な印象としてはディアマナとしてはクセが少ない方で、先端も適度に動きますが、ある程度ヘッドスピードがないと捕まりきらないので60g台のスペックだと43m/sは最低でも欲しいところです
カスタムするなら
バックスピンが適度に入ってくれることと、捕まりもそこそこ良いので低スピン系のヘッドで、捕まりがそれほど良くないモデルと相性が良さそうです
例えば今回試打に使用した「テーラーメイドM5」などはその筆頭でしょう
あとは「エピックフラッシュサブゼロ」や「PING G410LST」もおすすめです
ディアマナZFのデザイン
シルバーを基調としたデザインでかなり高級感のあるデザインで、Diamana ahinaに近い見た目に感じます
まあahinaの場合は裏面が黒だったので、裏返すと印象はまったくことなります
個人的にはツーロンカラーを強調してくれたほうが視覚的に短く見えるので好みですが、まずまずのデザインではないでしょうか
ディアマナZFの試打評価レビュー:まとめ
- 左方向へのミスを減らしながらしっかり叩いていきたい方
- DFなどのハードな手元調子系では捕まらず飛距離ロスする方
- カット軌道のスイング修正をしながら飛距離も欲しい方
実際に打ってみるとほぼ中調子なのではないかと感じるほどしなりに癖は感じにくいモデルです
シャフト先端の動きはほどほどなので捕まりすぎずにコントロールできる点や、適度なスピン量を考えるとDiamana第四世代の優等生タイプで粘って弾くを両立したといったところ
それでもBFほどは捕まらないので左方向へのミスを消しながらも飛距離性能と安定性を求める方にはもってこい。ハードすぎる印象もないですし、こういった癖の少ないモデルで軽量の40g台をラインナップに加えるのは面白いと思います
以上、【評価】ディアマナZF試打してみたら方向性抜群のパワードローがめちゃくちゃ打ちやかった。という話題でした