今回取り上げるのは三菱ケミカル「ディアマナBB」。こちらを試打計測を行ったのでレビューしていきます。
計測にはいつものようにGCQuadを使用
ディアマナ第6世代の2作目にあたるのがBB。ブルーボードの略だろうけど、いわゆる青マナということで中元調子です。
巷ではクセがなくてみんなが使える中調子だー!と言われているみたいだけど、個人的には張り感が強いし、先端もかなり硬い感覚がして想像よりもハードなシャフトだという感想。スペックダウン(特に重量を落とす)した方が使いやすいと感じた。
とはいえ弾きが強くて初速出る!飛距離性能は高めなシャフトです。理由は降下角度が緩やかな低スピン弾道が生まれやすく、キャリーだけでなくランもしっかりと出るタイプだったから。
中調子でしなり戻りもそこそこ速いタイプなので、強弾道ドローでランも稼げるとなれば魅力的なシャフトだと思います。
ただ、前述したようにハードさを感じるのが正直なところなのでスペックは少し落としてやる方が良いかもしれない。という個人的な意見。
低スピン系なので重量ダウンさせても吹き上がりが出づらいだろうから、ヘッドスピードも上げられて飛距離を伸ばせる可能性が高いと思います。
ちなみに、三菱のシャフトはスペック感のバット径(手元の太さ)のサイズ差を他社よりも少ないので、スペックダウンさせても違和感なく移行できるというメリットがあるのもメリットです。
ディアマナBBの概要とデザイン
ディアマナBBは初代青マナを彷彿とさせる、いわゆるブルーボードという、サーフボードをイメージしたデザインを採用しています。
デザインは個人的にはかなり好きですし、やっぱりディアマナと言えばこれだよなーということでカッコいい!
そして軸カラーのブラックはマットな仕上げで今風にしているところも注目ポイントでしょう。
デザインはクラシックですが、テクノロジーは三菱の最新テクノロジーをふんだんに取り入れています。搭載されているのは下記
- Xlink Tech:強度、弾性率、破断伸度を上げるテクノロジー
- DIALEAD:シャフトの変形を抑えるエネルギー効率が上がる
- Consistent Feel Design:スペック間のバット径差を縮小
- NEW TIP TEC:先端のねじれを最適化、大型ヘッド対応しエネルギー伝達をアップ
という内容。スイング中のシャフトの変形を抑え、そして高MOIヘッドに対応するために先端部のねじれ量も最適化していますよという内容。現代の大型ヘッドとの相性を考えて作られて中調子のディアマナです。
スペックはかなり豊富で、43g台のR2から80g台TXまで21種類の展開です。
ディアマナBBの振動数と中間剛性
振動数と中間剛性を計測しました。あくまで静的な計測データですが、ひとつの目安になるかと思うので参考にしてもらえればと思います。
計測に使ったシャフトスペックはBB 63 Sフレックス。
装着ヘッドはテーラーメイド SIM、長さは45.25インチというセッティングです。
振動数は264cpm。手元部分は一般的な60g台のカスタムシャフトの中ではちょい硬ぐらいです。
次にセンターフレックス計で中間剛性を計測してみると5.36kg
中間部の数値はかなり高め。数字が増えるほど剛性が高いわけですが、実際打ってみた時に感じた張り感の正体はこの中間剛性の高さだろうと思われます。
よくある中調子系よりも明らかに硬めな計測結果でした。
さらにもう少し先端側も計測してみると5.11kg。
この部分での数値も比較的高めで、ツアーAD VFよりも硬さがありました。
という感じで、計測結果は出ましたが、あくまでも静的な計測結果です。この数値が人間が実際に打った時のフィーリングにそのまま反映される訳ではありません。
ですが、ディアマナBBに関しては正直けっこう硬さを感じました。とにかく中間部分の張り感が強くて、まったりしなるというよりもシャキッとしている中調子系で弾き感は強めなフィーリング。
さらに先端のねじれが抑えられるというテクノロジーも相まってか、しなり感を感じやすいとは思いませんでした。
楽に打てそうなイメージを持つとハードさに戸惑う可能性もあるので注意が必要だと思います。
ぼくはSRも打ってみましたけど、それでもまだかなり硬さを感じるので、選ぶなら50g台でも良いぐらいです。
試打計測データ
ディアマナBBの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)
項目 | 値 |
---|---|
H/S (m/s) | 44.7 |
B/S (m/s) | 64.4 |
打ち出し角(度) | 16.1 |
打ち出し方向(度) | 2.65 |
バックスピン | 1993 |
サイドスピン(rpm) | -434 |
降下角度(度) | 40 |
センターからのブレ(yd) | -11.1 |
曲がり | -23 |
キャリー(yd) | 251.3 |
総距離(yd) | 275.2 |
スマッシュファクター | 1.44 |
ドライバーでは平均トータル距離が260ヤードを超えれば飛ぶモデル、270ヤード以上でれば文句なしに飛ぶという基準を設けていますが、今回の結果は275.2ヤードです。
硬くて想像よりもハードだー!と言っている割には飛んでいる。要因は初速の出やすさと低スピン性能にあるのが計測結果からわかります。
特に低スピン性能には目を見張るものがあって、平均値で2000回転を下回ります。コース上でのテストでも明らかに打球の質が強く、風の影響も最小限に抑えられるのはありがたいところ。
やはり中間から先端にかけてが中々硬いことが影響しているのを実感させられる結果。
しなっている感覚はそれほどないことも影響してか、中元調子という表記からは想像し難い弾き感があります。このあたりの要素は中調子と言われればそんな気もします。
捕まりは結構良くて基本的にはナチュラルなドローが打ちやすい。逆に右に抜けるような事はなくて、インパクトゾーンでバシッと捕まえてくれる素直さはありました。
高さはある程度揃ってきます。最高到達点はそれほど高くありません。ここはバックスピン量の少なさが影響しているので、シャフトがスピンを入れてくれる要素は少ないです。
比較的捕まりの良いシャフトでありながら、打球には一貫性があってバラつきも少なくキャリーも揃っていました。
大型ヘッドに合わせた中調子系というだけあって打点ブレが発生しても粘ってくれるあたりは先端の硬い手元調子のシャフトに引けをとっていません。
良かった点
良かったところ
- 低スピンの強弾道でランも出やすい
- 弾き感が強くてしっかりと捕まる
- 叩いていったり打点がブレても暴れない
微妙な点
微妙なところ
- 思いのほか硬めでハードな中調子だったのでスペック選びが少しむずかしい
クセのない中調子というキーワードに惑わされないで
同一シリーズに3モデルあって、中調子モデルが出ると決まって「クセのないシャフト」というキーワードが使われる。ここに注意したいのですが、このパターンだと脳死でいつも通りのスペックを適当に選らんでおけば誰にでもハマってくれるんでしょ?と思ってしまうとヤバい。
というのもディアマナBBは想像しているよりもハードで、各種計測器で剛性を確認してもそれが顕著です。
さらに実際打ってみても中間が特に硬いし、逆にクセがあるやん!とすら思っているぐらいです。
手元も緩さはそれほどないので、結構しっかりタメを作って打てる人向けです。リリースが速い人はより硬さを感じてしまうでしょう。
あと、基本的に硬いんで、試せるならスペックダウンしたモノから試してもらいたい。
弾きも強く初速出せる!それでいてバックスピン量は減らせるし捕まりも良いので飛距離性能は申し分ないのですが、スペック選びでミスってしまうと硬さによって余計な力が入ってしまう可能性もあるので注意したいところ。
総合評価
チャートを作るとこんな感じです。捕まりと飛距離、そして良い意味で遊びがないので操作性も申しぶんありません。
飛ばせる要素が多く盛り込まれていて性能は非常に良い。当サイトの評価としては高いです。ただ、想像していたよりもハードさがあってスペック選びはやや難しいというのが難点でしょうか。
個人的にも63Sではしんどかったので、SR、もしくは50g台までスペックダウンした方がフィーリングも良くなってくるだろうと思います。
スピン量は減りやすいシャフトなので、重量を下げても問題はなさそうです。
弾き感の強さは結構あるので、中調子系でシャフトがしっかりと弾いてくれる、それでいて暴れないモデルを探しているという方にはおすすめできます。
スムーズなしなり感がある中調子が良いなら同じ三菱のカイリブルーの方が良いでしょう。
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