動画と写真撮影機能がついたゴルフ用レーザー距離計「Canon PowerShot GOLF」
兎にも角にも写真や動画が取れる距離計というのは、何となくこういうのがあれば良いな!と思っていただけに非常に楽しみだったモデルです。ということで購入して使ってみたのでレビューしていきます。
【結論】距離計としては色々と欠点が目立つ。たぶん売る
まず初めに結論を言わせてもらうと「たぶん売る」です。
筐体も計測性能も非常に優れていますし、注目の撮影機能もちゃんと使えます。ただ、しばらく使っていると欠点の方がだいぶ気になってしまって、全体的に使い勝手が良いレーザー距離計ではなかったです。51,700円の価値はあるようで無い。コスパは悪いです。
カメラにレーザー距離計が付いたようなものだった
レーザー距離計にカメラ機能を付けたというよりも、デジカメにレーザー距離計を付けたという方が表現としてはいいのかもしれません。
いや、望遠カメラとして遠くを撮影する分には良いけど6倍望遠もしくは12倍デジタルズームでしか撮れないので使い道が無かった。等倍撮影ができれば最高だったんですが、それはさすがに厳しいと思うからマジで宝の持ち腐れ状態。
いや、レーザー距離計として性能が良ければ悪くない選択肢だ!と思うようにしましたが、まず電源ボタンを押してから起動するまでが遅すぎ!距離計というよりも本当にカメラを使っているような感覚に近いです。
「電源ポチ!ウィーーン」というように、毎回計測する時にこれを繰り返す。最初はほかの距離計とは一線を画す挙動だから「うお!面白い!」と感じますが面白いと思うのは最初だけで、その後は起動の遅さに毎回やきもきする。
そして撮影機能は6倍望遠とデジタルズームによる12倍望遠での撮影なので、あくまでも遠くのものを撮影できるだけです。スマホやホントのカメラを使った方が遥かに良い!というのが個人的な意見。
あとバッテリー持ちが絶望的に悪くて1ラウンド持ちません。これが一番致命的だと思います。モバイルバッテリーが必須。
【スペックと機能】動画と写真撮影機能ができるレーザー距離計
パッケージからしてCanonのカメラという印象です。
本体はマットな質感で、デザインもシンプルで悪くありません。個人的に見た目は気に入っています。
反対側がこちら。Canonのロゴは両面にプリントされています。
このレバー部分はレーザー距離計としての機能をオンとオフに切り替えることができるものです。OFFにすると撮影機能だけを使用できるので、人に向けて撮影する際にも安心して使うことができます。
上の方にある蓋を開けるとUSB-Cの充電端子とmicro SDカードを入れる所があります。メモリカードは別売りです。
本体上部にMENUボタンと電源兼計測ボタン+撮影ボタンがあります。押し心地も軽くて、このあたりの作り込みはさすがです。
赤い方が動画録画ボタンと12倍ズームにするための「ZOOM」ボタン。正直この場所にあるのは押しにくすぎます。意識的に触れない限りはボタンが押されない場所なので誤操作の心配はありませんが、ディスプレイを見ながら使う場合には両手での操作が必要なのが辛い。
サイズはめちゃくちゃコンパクトで最高。
重量モ150g以下と非常に軽く、サイズと重さは素晴らしいです。
付属していたケースは100均クオリティです。
一応付けてくれただけありがたいと思え程度のやつで落下の衝撃にも耐えられそうにありません。残念ポイント。
本機のスペック及び仕様は下記
測距範囲 | 約7.0yd.~800yd./約6.4~732m(測距対象物まで)※測距対象や環境によっては測距範囲が制限されることがある |
測距精度 | 7.0yd.以上100yd.未満(6.4m以上91m未満):±1.0yd.(±0.91m) 100yd.以上800yd.未満(91m以上731m未満):±2.0yd.(±1.83m)※直線距離測定時、キヤノン試験基準による ※PowerShot GOLFは簡易距離計のため、測距結果は公的な証明などに使用不可 |
表示ステップ | 加減算距離(上段):0.5yd./0.5m 直線距離(下段):0.5yd./0.5m |
倍率 | 約6倍/12倍(約410/820mm時)※820mmはデジタルズーム |
大きさ | (幅)×(高さ)×(奥行) 約31.0×58.9×91.2mm |
質量 | 約151g/約150g(メモリーカード含む/本体のみ) |
電源 | リチウムイオン電池(内蔵型)USB充電/給電※Type-C 5V/1.0A以上。 ※弊社純正では 「USB電源アダプターPD-E2(別売)」 「USB電源アダプターPD-E1(別売)」 がございます。なお、市販の電源アダプターについても動作を確認している製品があります。詳しくはこちら |
インターフェース | 有線:USB Type-C WI-Fi: 非搭載 Bluetooth :非搭載 |
充電時間 | 約2時間30分※USB電源アダプター PD-E1使用時 ※充電時間や充電される量は周囲の温度や残量によって異なる |
防滴性能 | IPX4相当※防塵は非対応 |
レーザー規格 | IEC60825-1:Class 1 laser product FDA 21 CFR Part 1040.10:Class I Laser Product |
焦点距離・F値(35mm判換算) | 51mm・F3.9(約410mm相当 ※820mmはデジタルズーム) |
有効画素数 | 最大約1100万画素 |
センサーサイズ | 1/3型CMOSセンサー |
動画記録 | 動画記録サイズ フルHD:1920×1080※動画記録サイズの変更不可 ※約820mm相当(35mm判換算)時はデジタルズームのため画質が低下する 一回の撮影上限時間 59秒 NTSC設定時:30.00fps/24.00fps.、PAL設定時:25.00fps |
電子ビューファインダー | 型式 OLEDカラービューファインダー 画面サイズ 0.39型 ドット数 約236万ドット |
オートフォーカス | コントラスト検出方式 |
記録メディア | microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカード※UHS-Ⅰ対応 |
静止画撮影可能枚数 | 約200枚 |
映像表示可能時間 | 約1時間40分※フル充電時、常温+23℃/73°F |
露出補正 | ±3段(1/3段ステップ) |
手ブレ補正 | レンズシフト方式※2軸(Pitch/Yaw)補正 |
連続測距 | 対応※測定ボタンを半押し状態で長押しすると、最大約8秒間、レーザーが照射される。その後ピンロック機能により、測距対象が検出される。 |
バイブレーション | 対応※[バイブレーション]を[する]にすると、測距完了時、または連続測距時にファインダーに〈旗マーク〉が表示されると同時に、本体が振動して通知 |
距離計測の機能は最高の出来栄え
距離を計測することにおいては素晴らしい出来でした。EVF内蔵(電子ビューファインダー)なのでディスプレイ内はマジでカメラ。望遠倍率は6倍(光学410mm)と12倍のデジタルズーム(デジタルズーム820mm)。
他の距離計のディスプレイとは一線を画しています。視認性は良好で遠くのターゲットも鮮明に見えます。
計測スピードも抜群に速く、ターゲットの認識率も驚くほどよかったです。
12倍デジタルズームは遠くのボールを探したりする場合に重宝する
12倍デジタルズームは画期的。他の距離計とは比べ物にならないほど遠くがよく見えるので単純にメリットです。ここはハッキリ言って強いところ。
ティーショットのボールの確認だったり、200ヤード以上の長距離での計測も簡単に行えます。
ブッシュネルとの精度比較
計測精度の確認のためブッシュネル PRO X3と比較を行いました。
画像の左側がCanon、右がブッシュネルです。またCanonは上部の数字が高低差補正後の距離、ブッシュネルは下部の数字が補正後の距離になっています。
どちらもほぼ160ヤードで高低差の有無でも差がありません。
ご覧のように2機種間で計測精度に差は無かったです。Canonの精度は非常に優秀。
手振れ補正が良い感じ!片手でもサクサク計測可能
ニコンのレーザー距離計ほどではありませんが手振れ補正も十分良いです。手振れ補正機能をはっきりと明言して搭載したモデルはまだまだ少ないので貴重な存在。
片手でも計測ができる点は推せるポイントです。
撮影機能にそこまでの感動が無かったし使い道が無い
PowerShot GOLFは撮影機能が最大のウリです。6倍望遠での撮影、もしくは12倍デジタルズームでの撮影ができるので、遠くあるターゲットや同伴者を撮影できるのは良い所です。
ですが、6倍望遠で撮影するものが一体ラウンド中にどれほどあるのか?というのが使ってみてもマジで無い。まー、たまに現れる野生動物を撮ったりする事だったりは楽しいと思います。
12倍ズームで撮影した動画の画質です。HULL HD 1080Pだし、望遠なので画質は悪くなってくるのはしょうがない所だと思いますが、はっきり言って悪いです。ただしCanon PowerShot GOLF内でも再生はできるので、本体のディスプレイで見る分にはそこそこ綺麗な感じで見れます。
ただ、メーカーのプロモーションでは、ラウンドの振り返りに使えると言っていましたが、正直ピンフラッグを測った画面を見て振り返るか?と思わずにはいられませんけれども、札系機能については使用者の使い方にもよるので、うまく使い道を発見できる人もいるかもしれません。
【欠点】バッテリー持ちの悪さと起動の遅さ
撮影機能と12倍ズームを搭載したためか恐ろしくバッテリー持ちが悪いです。1ラウンドも持ちません。
撮影機能を使った場合は特に凄くて、みるみるうちにバッテリーが減っていきます。
ラウンド中はモバイルバッテリーを携帯しておく方が良いです。USB-C充電に対応しているのが救い。
それから、距離計測時の起動の遅さも気になります。使っているうちに多少は慣れてきますし、電源ボタンだけ事前に押しておけば解決できますが、使い方を工夫しないといけない事自体が面倒に感じました。
バッテリー持ちの悪さと起動の遅さは明確な欠点です。
【結論】発展途上。コスパが悪すぎだから買わなくてもいい
ゴルフ用レーザー距離計に撮影機能を付けるという発想はあっても実際に搭載してきたのは本機が初めて。意欲的な製品で応援したい気持ちもありますが、正直なところコスパが悪すぎます。現状でPowerShot GOLFを購入することをおすすめする事はしません。
個人的に使い道を見いだせなかったのは6倍望遠の状態からでしか撮影できない事だと感じました。撮影モードでは等倍からズームできて、ハンディカムのような使い方ができれば神でした。まあそうなれば5万円台ではなくてもっと高額になるでしょうけど。
あとはバッテリー持ちですね。1ラウンド持たないようではゴルフでの使用には厳しすぎる。
距離計としての計測のしやすさや精度、手ブレ補正搭載による使いやすさは申し分なかったので次回作があれば是非今回の欠点を解消してもらえればと思います。
6倍望遠(12倍デジタルズーム)でラウンド中の撮影をどうしてもしたい、使い道をどうにかして見い出せる!という方なら買ってもOKです。
関連ゴルフレーザー距離計おすすめランキング|人気モデルを徹底比較
関連【超おすすめ】GOLFBUDDY GB LASER 2S PROレビュー|16,900円とは思えないクオリティ
関連【レビュー】 NINJOR GOLF 「NJ±PRO」「NJ MINI PRO OLED/LCD」| 価格破壊起こすレベルの異次元コスパと完成度
関連【ボイスキャディ LASER FITレビュー】2万円台のレーザー距離計ではベストバイ