コブラの「2020 KINGフォージドTECアイアン」を試打しました
中空構造に充填剤、タングステンウェイトを内蔵するなど、現代のハイテクアイアンの代表格になりそうなアイアンです
このモデル自体の試打をできる機会も中々ないのが現状ですので、どういった性能なのか気になっている方も多いのではないでしょうか
そこで本記事では、高精度な弾道計測器「スカイトラック」を使用して、データ計測を行いましたので、計測値と弾道イメージをもとに正直に性能と特徴を評価していきたいと思います
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【コブラ】2020 KINGフォージドTECアイアンの概要
- マッスルバックのような見た目の中空アイアン
- 充填剤を注入することで、打感と打音も改善
- 高比重のタングステンを内蔵し高弾道を実現
コブラの2020年ハイテク中空アイアン「2020KINGフォージドTECアイアン」
基本構造は中空を採用し、フェースは反発力の向上を図ったLカップフェース構造です。フェース面がソールの下部から溶接されていることから、通常のアイアンフェースよりも弾き感がアップし、初速向上にも一役買っています
そんな反発の良いフェースながら打感の改善にも注力していて、ヘッド内部には振動を軽減する充填剤が内蔵されています
飛距離性能と打感、打音の両立を可能としました
またヘッド内部の下側に高比重のタングステンウェイトを内蔵することで、ストロングロフト設定ながら高弾道が見込めます
【コブラ】2020 KINGフォージドTECアイアン試打評価レビュー
試打クラブ
ヘッド | コブラ 2020 KINGフォージドTEC |
番手とロフト角 | 7番(29.5°) |
ライ角 | 63° |
シャフト | 日本シャフト MODUS105 |
フレックス | S |
バランス | D2 |
長さ | 37.25 |
総重量 |
434g |
スチールシャフト装着の7番アイアンとしては、0.5インチほど長めの設定となっています。また、ライ角も日本メーカーのアイアンと比較すると1°から1.5°ほどアップライトです
計測データ
ヘッドスピード(m/s) | 39.4 |
ボールスピード(m/s) | 50.4 |
打ち出し角(°) | 18.5 |
左右打ち出し角(°) | 3.2 |
バックスピン量(rpm) | 5641.9 |
サイドスピン量(rpm) | 740.9(左) |
キャリー(yd) | 162.5 |
総距離(yd) | 171.1 |
センターからのブレ(yd) | 2.1(左) |
弾道イメージ
こちらがスカイトラックでの弾道イメージ画像です
弾道のイメージをビジュアル化するためにYoutubeへ、スカイトラックの弾道イメージ動画をアップロードしています
飛距離性能
ボールスピード(m/s) | 50.4 |
バックスピン量(rpm) | 5641.9 |
キャリー(yd) | 162.5 |
総距離(yd) | 171.1 |
- ロフト角29.5°としては速いボールスピード
- クラブ長が長いのでヘッドスピードが上がる
- バックスピン量が多め
飛距離性能:
試打クラブとして使用したのは7番アイアンで、ロフト角が29.5°のものです
飛距離的に見てみると、ロフト角29.5°のモデルと考えたら平均的です。スペック以上に飛ぶということは正直ありませんでしたが、打ち出し角が高くて高弾道のショットが出ていたのが印象的
もちろんヘッド下部に内蔵されているタングステンが効いているのかなと思いましたが、その他にも要因があります
それはクラブ長の長さ
平均的なスチールシャフトのアイアンと比べると0.5インチ程度長めの設定となっているのですが、これが弾道の高さにも影響を与えていると考えられます
実際PGAツアーの選手などもアイアン長を長めに組むことで、高弾道化を狙っているプロも多数います(一時期松山英樹プロも長くしていた)
同時にロフト角の割にはバックスピン量が多めになっているのもここも一つの要因でしょう
方向性
左右打ち出し角(°) | 3.2 |
サイドスピン量(rpm) | 740(左) |
センターからのブレ(yd) | 2.1(右) |
- 強めのドローが出て捕まるアイアン
- 長めのクラブ長はどう影響するのか?
- 右方向へのミスは出にくいタイプ
方向性:
捕まるアイアンで基本的にはドロー系の球筋が打ちやすいアイアンです
サイドスピン量740と、アイアンとして見るとサイドスピンは多くて強めのドローです
ヘッド的にもオフセットが大きく付けてあることと、ライ角やクラブ長も大きく影響しています
ライ角がアップライトで、7番で63°です。海外メーカーのアイアンとしては平均的な数値ですが、国内メーカーのモデルと比べると1°近くアップライト
さらにクラブが長いことで、アドレス時にはさらにアップライトになります。こうなるとスライスはほぼ出ないと考えてもいいほど捕まる要素満載で、実際に試打した感想でも右方向へのスライスは皆無でした
長いと当然ミート率の低下の原因になるのが懸念材料となりますが、実際に打ってみると芯を多少外してもそこまで方向性もキャリーにも影響しませんでした
このあたりが今回の2020KINGフォージドTECアイアンの強みでしょう!
ミスヒット時の飛距離ロスが少なく、落下地点を見ても左右10ydの幅に収まっています。曲がる方向も一定ですし、方向性という面でみれば非常に優秀なアイアンです
打感やフィーリング
- 中空アイアンとしては柔らかい打感
- ミスヒット時の優しさが優秀
打感とフィーリング:
中空構造のアイアンと考えれば打感は柔らかく、打音も比較的小さめです
ヘッド内部の充填剤がしっかりと効いているのが感じられて、打感や打音にこだわる方も納得できるフィーリング
捕まりも強いこともあって、フェースにボールが乗っている時間が長く感じます
ヘッド形状
- 中空アイアンとは思えないシャープな形状
- オフセットは強め(グースネック)
- 仕上げも綺麗で所有感も満たされる
ヘッド形状:
シャープな形状で、トップブレードも薄めですが、オフセットが強いのが少々気になるところ
スライサーには安心感のある部分で、これも捕まりの良さにつながっている部分です
実際に実物を見てみると仕上げが綺麗で、国内メーカーと比べても遜色ない出来で驚きました
所有感が満たされるアイアンで、セットでバッグに入れているとカッコいいモデルです
【コブラ】2020 KINGフォージドTECアイアンをカスタムするなら
カタログ値どおりの長さを考えると、シャフト重量は軽めにするのが無難です
この長さでダイナミックゴールドクラスの重量のシャフトを振れる方はごく少数なので無理は禁物
MODUS105は軽量の割に先端剛性も高いので、捕まりすぎを多少を抑えてくれる事からこういったアイアンにはおすすめです。あとはダイナミックゴールド95/105あたりも推奨します
これ以上重いスペックだと、ドライバーでのヘッドスピードが45m/s以上は欲しいところ
カーボンなら先端剛性の高いフジクラのMCIや三菱ケミカルのOT Tourあたりがおすすめです。重量も豊富に選べるので選択肢が増えます
注意点はライ角です
フォージドという名称ながらフェース面はステンレス製が使用されている複合ヘッドで、こういったアイアンはネックが曲がりにくくライ角調整が難しい場合が多いです
フラットなライ角にしたいと考えるなら、クラブ長を0.5インチほど短くする方が良いかもしれません。そうすれば、アドレス時には多少フラット目に構えることが可能です
総評:まとめ
総合評価:
飛距離面は割と優秀で、弾道にも高さがありバックスピン量もロフト角を考えれば平均以上です
対象となるゴルファーは飛距離不足に悩むスライサーです。アップライトなライ角と強めのオフセットの効果で捕まったボールが打てるでしょう
反対にフッカーにはおすすめできないので注意してください
クラブ長が長いことから操作性という部分では辛口評価ですが、いろいろな球筋を打ち分けやすいアイアンではないので致し方ありません
ただ打感も良いですし、ミスヒット時の飛距離のバラツキも少なく、方向性も比較的同一方向にまとまるので全体的なバランスは良いアイアンです
以上、【コブラ】2020KINGフォージドTECアイアン試打&評価|硬派な外観ながら捕まりが良く飛距離性能に優れた中空アイアン。という話題でした
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