ゼクシオイレブン・ゼクシオX(エックス)ドライバーの試打評価レビューです
2019年12月発売する、11代目のゼクシオ「ゼクシオイレブン」と、若者向けという位置づけで登場した「ゼクシオX(エックス)」の2種類のドライバーを試打することができました
ゼクシオシリーズとしては初めてとなる2種類のモデルを同時に出すという試みとなっていて、ユーザーを拡大するという意図が感じられるラインナップが特徴的です
おおまかな特徴は以下のとおり
- ラインナップの増加(イレブンとエックスの2種類展開)
- エックスにはゼクシオ初のカーボンクラウンを採用
- フラットカップフェースによる反発力の向上
そしてこのページでは、「高精度弾道計測機GC2」を使ってのデータ計測をもとに、ゼクシオイレブン・ゼクシオエックスドライバーの性能について「クラフトマン」である私が正直に試打評価レビューしていきます
ゼクシオイレブン&ゼクシオエックスドライバーの概要
2019年モデルとなるゼクシオは2種類展開で「ゼクシオイレブン」「ゼクシオエックス」というネーミングで登場しました
新開発のフラットカップフェースを採用したことにより、純粋に反発性能の向上と、打感の改善が施されています
またグリップ側に重量を持ってくるカウンターバランス設計になっている所も特徴で、安定したトップから理想のスイングプレーンでスイングができるような特徴も兼ね備えています
スペック
ゼクシオイレブン | ゼクシオエックス | |
番手 | ドライバー | ドライバー |
ロフト角(°) | 9.5、10.5、11.5 | 8.5、9.5、10.5 |
シャフト | MP1100 | AX-1 |
長さ(インチ) | 45.75 | 45.5 |
ヘッド体積(cc) | 460cc | 460cc |
バランス | D3(S)、D3(SR)、D2(R)、D2(R2) | D1 |
総重量(g) | 280 | 299 |
前作から進化したポイント
前述したとおり、前作ゼクシオテンから、2019年はゼクシオイレブン&ゼクシオX(エックス)の2機種のラインナップに変更となりました
まずはこの2機種の進化したポイントに触れていきたいと思います
進化①ウェイトプラステクノロジー
やたらとグリップ重量を軽くする傾向があったゼクシオですが、今回もグリップ重量は相変わらず軽くなっています
- ゼクシオイレブン→30g
- ゼクシオX(エックス)→43g
Xの方はそうでもないですが、イレブンは30gと現在の市場でも最軽量クラスの重量で、一般的なレディースクラブに装着されるような重さです
ただし今作では一工夫されていて、グリップエンド側に重量を集中させるようになっています
メーカー側の説明では「手元に重量を集中させることで、テークバック時のヘッドを支える力を軽減させることで理想のトップポジションを作り出す」と謳っています
これでどういった効果が期待できるのかと言うと、簡単に言うとカウンターバランスになるということです
カウンターバランスになると、スイング軌道が安定することや、振りやすくなるというのが一般的な考え方ですが、ぼくの考え方では特に後者の振りやすさへの影響の方が大きいと考えます
というのも最近のドライバーヘッドは、ヘッド慣性モーメントの向上を460ccでもヘッド重量が以前よりも重たくなってきている傾向があります。あわせてクラブの全長も長くすることで、クラブ全体の慣性モーメントも高めるという流れ
慣性モーメント自体は高まっていくのですが、いざ人間が使うとなると総重量は軽いのに振りにくさも出てくるのが正直なところです
そういったことから今回のゼクシオイレブンとX(エックス)は手元重心設計によるカウンターバランスになっているので、総重量以上に振りやすく、なおかつ手元側に重量があることでダウンスイングの軌道も安定するので、ミート率と方向性のアップが期待できます
実際カスタムシャフト市場でもカウンターバランスが流行っています
その中でも三菱ケミカルのTENSEI CK PROオレンジやDimana D+リミテッドはその筆頭でしょう。プロの使用率の高さもカウンターバランスの効果を証明する指標になると思います
問題はグリップ交換する場合には純正にしないといけないという問題が出てきますが、ゼクシオの純正グリップは毎回販売されるので大丈夫でしょう
進化②フラットカップフェース
こちらも共通する部分ですが、フェースがカップフェース構造になり反発性能が大幅に向上しているというもの
高初速エリアが72%も拡大と謳っていますが、打感への影響が非常に大きい部分かなと思います
フェース全体のたわみ量が大きくなるので、ボールとフェースのコンタクト時間が増えるので、食いつきに影響が出てきますし、初速のアップも期待できるポイントです
ゼクシオイレブン・ゼクシオエックスドライバーの試打&評価
試打クラブスペック
ヘッド | ゼクシオイレブン | ゼクシオエックス |
ロフト角 | 9.5° | 9.5° |
シャフト | MP1100 | Miyazaki AX-1 |
フレックス | S | S |
総重量 | 280g | 299 |
バランス | D3 | D1 |
長さ | 45.75 | 45.5 |
2種類を比較するということで、表示ロフトは同じ9.5°、標準装着シャフトのSで試打計測を行いました
ゼクシオイレブン・ゼクシオエックスの試打計測データ
イレブン | エックス | |
ヘッドスピード | 45.7m/s | 46.0m/s |
ボールスピード | 66.3m/s | 66.7m/s |
サイドスピン | 350L(左) | 56L(左) |
バックスピン | 2629rpm | 2758rpm |
打ち出し角 | 14.9° | 14.9° |
最高到達点 | 38yd | 39yd |
キャリー | 251yd | 252yd |
総距離 | 271yd | 272yd |
ヘッド形状
形状的にはお馴染みのゼクシオという形です
シャローで安心感のあるヘッドサイズとなっています
フックフェースの度合いが強いので、このあたりで好みは別れるでしょうが、スライサーには確実に効果があります
オープンとまではいきませんが、視覚的にはストレートなフェースアングルで非常にアドレスがしやすいです
座りも良くてすんなりと構えることができる点は高評価できる部分
イレブンと比べると丸みが強くて、ややディープフェース気味の形。中上級者も満足できる綺麗なヘッド形状となっています
飛距離性能
ゼクシオイレブン | ゼクシオエックス | |
ボールスピード(m/s) | 66.3 | 66.7 |
バックスピン量(rpm) | 2629 | 2758 |
キャリー(yd) | 251 | 252 |
総距離(yd) | 271 | 272 |
飛距離性能:
比較した表をみていただくと、どちらもほぼ同じような飛距離性能となり、甲乙つけがたい結果です
飛距離的には、当サイトの基準値となる「キャリー250yd」はクリアしていますので、飛ぶドライバーといえますがバックスピン量がやや多めで、もう一伸びがなかったのが正直なところです
ボールスピードもまずまずの数値ということで、こちらも驚くほど速いという結果にはなりませんでした
期待値が大きかったこともありますが、データ的には水準以上の飛距離ではあるので、飛距離性能的には星4つとしておきます
弾道&方向性
ゼクシオイレブン | ゼクシオエックス | |
サイドスピン量(rpm) | 350左 | 56左 |
打ち出し角(°) | 14.9 | 14.9 |
最高到達点(yd) | 38 | 39 |
弾道&方向性:
飛距離は平均よりも飛ぶという結果でしたが、方向性に関しては現在発売されているドライバーの中でも最高レベルです
ゼクシオイレブンは設計どおりにドロー傾向の打球がでていますが、曲がり幅も一定で、ほぼ同じ地点に落下しています
そしてゼクシオX(エックス)はほとんど曲がりがありません。サイドスピンは200rpmと異常なほど曲がらず、ほぼストレートの球筋となりました
エックスの弾道の捻じれ無さは一級品です。曲がりがほぼ無くて安定性は最高レベルですね
今回の試打での弾道の高さに関しては平均値として「打ち出し角」、「最高到達点」ともにほぼ同等の数値となっていますが、イレブンの方でトップ目の打球(2球目)が出ているので平均値が少し下がっています
打感&打音
打感&打音:
ゼクシオイレブンはいわゆる「ゼクシオサウンド」と言われる甲高く、爽快感のある打球音に仕上がっています
高音ながら深いな感じは全くなくて気持ちのいいサウンドです
対してエックスはカーボンコンポジットという事もあり、引き締まった「中低音」に仕上がっています
日本人が好む食いつくような感触に感じる打球音で、この音が好きな方は多いはず
優しさと振りやすさ
優しさと振りやすさ:
飛びに関しては期待ほどでは・・・というのが正直な感想ですが、それでも相変わらずのゼクシオの打ちやすさは健在で、ミスヒットには強いですし、曲がり幅も一定するので安定感は文句なしのレベルにまとまっています
カウンターバランスによる振り抜きやすさの向上を図りながらも、慣性モーメントの高さによる安定性能がしっかりと出ているところはさすがゼクシオと言わざるおえません
飛距離性能だけなら他にも飛ぶドライバーは数多くありますが、多くのゴルファーにとって重要な「打ちやすさ」という部分ではやはり高く評価できるクラブです
ゼクシオイレブンとゼクシオエックスの違いは?
ここでは2機種の違いについて解説しきます
捕まり具合がまるで違う
2種類のドライバーの最も大きな違いはやはり「「捕まり性能」になってきますが、ここは顕著に違いが出ています
- イレブン→350rpm(左回転)
- エックス→56rpm(左回転)
イレブンの方がエックスと比較しても、約300rpmほど数値が大きく捕まりの良い打球が出ていて「オートマチックドロー」が簡単に打てます
フックフェースの度合いも強く、シャフト自体も先端側のしなり戻りも速いことから、自然に捕まってくれるのが大きな特徴ですね
対してエックスはストレートに近い打球となっていて、非常に素直な弾道です
捕まりを抑えながらも優しくドライバーを打ちたいといった方にも最適
重量の違い
重さも全く違います
今回試打に使用した2モデルをクラブても19gもの差があり、全くの別物です
総重量はスイングに影響が出やすい部分なので、ゼクシオだからどれでも打ちやすいでしょ!と適当に選んでしまうと失敗する確率が高くなるので、重さは重要視したほうがいいです
ヘッドスピードごとの選択肢は「よくある質問」の欄に記載しているので参考にしてください
よくある質問(Q&A)
対象のヘッドスピード
それぞれ標準装着シャフトで分類すると
- ゼクシオイレブン→「37m/s〜41m/s」
- ゼクシオエックス→「39m/s〜43m/s」
という具合です。ややかぶっている部分がありますが、ヘッドスピードが40m/sでもスインガータイプならイレブン
39m/sでも結構叩いていくタイプならエックスがシャフト的にはおすすめです
弾道的におすすめなのは?
- スライサー→「イレブン」
- ストレートorドローヒッター→「エックス」
スライスを軽減したいならイレブン一択でしょう、フックフェースのアングルとしなり戻りの速いシャフトで、スライスを抑制できて飛距離アップが見込めます
捕まりを抑えながらもゼクシオを優しさを体感したいというアスリートマインドの方にはエックスが最適
ゼクシオイレブン・ゼクシオエックスドライバーの口コミや評判
@DUNLOP_JP
新しいゼクシオエックス
ゼクシオはおっちゃんイメージがあったのですが、試打で勧められ一度打ってみたのですが…
今までのイメージがぶっ飛びました!
構えてもフックフェイスじゃないし、つかまり過ぎることはないのでチーピンにはならないです!#ゼクシオエックス#新ゼクシオ— でこ (@8tatsu6) November 4, 2019
ゼクシオX(エックス)。試打会1回目はドフック、2回目は飛ぶドロー。飛ばし屋・シルバー・若者ではない人が安心して飛ばせるドライバー。9.5°でも超高弾道(慣れないで、真っ直ぐ、どこに飛んだか分からないくらい)で、結果飛んでる。
悔しいから(?)私は買わないけど、売れるであろうよ。 pic.twitter.com/MNkm2AJa4I— ミシェルさん (@Michel_Y_M) November 11, 2019
ゼクシオイレブン・ゼクシオエックスドライバーの総合評価:まとめ
ゼクシオエックス総合評価:
以上、ゼクシオイレブン・ゼクシオエックスドライバー試打評価【比較レビュー】どんな違いがあるのか2本を比べてみた。という話題でした