フジクラから2019年モデルとして発売されたスピーダーエボリューション6これでシリーズ6代目
プロやトップアマからの評価が高かった4代目にあたるエボリューション4をベースにしたモデルで、捕まりすぎない叩けるスピーダーというのが特徴的なモデルとのことですが、そのあたりがどういったフィーリングになっているのかが気になるところですが、実際に打ってみないと何とも言えないですね
そこでこのページでは、高精度弾道計測機GC2を使ってのデータ計測をもとに、スピーダーエボリューション6の良かった点と、ここはちょっと気になるという点をさらに詳しく正直に試打評価レビューしていきます
スピーダーエボリューション6の概要
叩けるスピーダーという位置づけの2019年スピーダーエボリューションシリーズ最新作
名機として今現在も人気を博している、スピーダーエボリューション4にも採用されていた「パイロフィルMR70」をエボ6にも使用しています
さらに、超高弾性の炭素繊維シート「70tカーボンクロス」も併せることによってインパクト時の衝撃を受けてもヘッドがブレない設計となっています
また、男子ツアープロから好評の「スピーダーTR」にも使われた「マルチフーププライ積層」という技術を採用したことで、スイング時のシャフト変形を最小限に抑えることで、追従性能と操作性を向上させて、叩いていけるのが特徴
とにかくエネルギーロスを減少させることを主眼に作られていることで、クラブヘッド本来の飛距離性能や、ゴルファー自身のポテンシャルを引き出してくれるカスタムシャフトです
試打評価レビュー
試打クラブ
試打クラブとしてはブリヂストンのTour B JDR(2019)のヘッドを用意しました。シャフトには挙動がわかりやすいだろうということで今回は50g台のモデルです
試打クラブのスペック | |
ヘッド | ブリヂストン Tour B JGR(2019) |
ロフト | 9.5 |
シャフト | スピーダーエボリューション6 569 |
フレックス | S |
バランス | D2 |
総重量 | 296g |
試打計測データと弾道イメージ
スピーダーエボリューション6 | Tour B JGR 純正シャフト | |
ヘッドスピード | 45.6 | 46.7 |
ボールスピード | 66.1 | 67.7 |
打ち出し角度 | 17.3 | 18.2 |
サイドスピン量 | 62左 | 515左 |
バックスピン量 | 2162 | 2926 |
最高到達点 | 42 | 49 |
落下角度 | 42 | 48 |
キャリー | 261 | 251 |
総距離 | 284 | 269 |
比較対象として、Tour B JGR(2019)の純正カーボンシャフトを用意しました。同一ヘッドでこれだけの違いが出るのでシャフトの影響は恐ろしいなと感じますね
飛距離性能
- バックスピン量の低減で飛距離ロスを減少
- 打ち出し角、最高到達点が低くなる
- 風に負けない強弾道で飛距離アップ
同一ヘッドによって極端に飛距離差が出ましたが、特に顕著なのがバックスピン量の減少。キャリーで10ヤード総距離では15ヤードも飛んでいるという結果になり正直かなり驚きました
重量的にはスピーダーエボリューション6とJGRの純正シャフトはほぼ同じぐらいなのですが、ヘッドスピードとボールスピードが減少している点も面白い部分で、シャフトの挙動の違いでスイングスピードにも影響している模様
弾道的には打ち出し角が低く抑えられ最高到達点も低くなっています。前へ前へと飛ぶ強い打球になり、それに伴って落下角度も緩やかになるのでランも稼げているという結果となりました
先端剛性がTour B JGRの純正シャフトよりも高いので、ヘッドがアッパーに動きにくく結果としてフェースの上部でヒットしやすいこともバックスピン量減少には影響しています
飛距離性能的には無駄なエネルギーロスがなく、効率よく飛ばせるシャフト。後述する方向性の良さも相まって平均飛距離を伸ばせるでしょう
方向性と捕まり具合
- ドロー系の球筋
- 捕まりすぎることはなく、安定性が高い
- 大型ヘッドでも右プッシュを防げる
ターゲットラインからの誤差が左右で最大16ヤードと、ドライバーショットの精度としてはまとまった球筋となりました
サイドスピン量はドロー傾向に出ていますが、300rpmということでほぼストレートに近いショットです
前述した飛距離性能に加えて、方向性も間違いなく優秀
捕まりすぎるという感じもなく、両サイドが狭いホールでも安心して振っていける安心感があります
挙動とフィーリング
- シャフト中間部分に最もしなりを感じる
- 先端の動きは少なめ
- もたつかずにスイングにしっかりついてくるので操作性が高い
スピーダーエボリューションシリーズでは6代目となる「スピーダーエボリューション6」
偶数のモデルは中元調子系のシャフトという流れなのがスピーダーエボリューションシリーズではお馴染みとなっていますが6も同様のタイプ。ベースとなっているのは4代目のスピーダーエボリューション4であることから似たような挙動はしているのだけれど、実際のしなり感はこちらの方がありますね
エボ4はシャフト全体でのしなり量は少なめだったことで追従性能が高くて結構叩いていけるシャフトに仕上がっており、そこがウケてヒットしたモデルでした
スピーダーエボリューション6もタイプ的には近く叩けるタイプには分類できるのですが、よりスインガー向けに味付けされているモデルだと感じます。そこを踏まえても正直スイングに敏感に反応する追従性能的にはエボ4の方が上だなあと感じますが、もたつき感もなくて操作性の高さは感じます
実際のところしなり量が少なめでハードに感じる方もいましたが、今作では少ししなり感も加わっている分スピーダーエボリューション6の方がより幅広い層にマッチしてくるシャフトだといえます。硬くてハード過ぎるのが苦手な方にも振りやすいでしょう
スピーダーと言えばシャフトの走りや弾き感があるというのがブランドイメージにあり、事前情報でも先端の走りも感もクローズアップされていましたが、実際に打ってみるとその部分は少し控えめで先端部の動きは少ない部類のモデルだと感じます。ここはエボ4の良さをそのまま継承した感じがして個人的には好印象
挙動的にはおとなしいのでインパクト付近でのフェース向きの管理もしやすいですし、ミスヒット時の当たり負けもしにくいので思わぬ打球が出てしまうというリスクは少ないでしょう。左へのミスも出にくくて安定感は非常に高いシャフトです
よくある質問(Q&A)
対象となるヘッドスピード
- 30g台からラインナップがあるので全領域に対応
今作のスピーダーエボリューション6は嬉しいことに30g台からのラインナップとなったことで、すべてのゴルファーに対応できるようになりました
最軽量のモデルで38gということで、非力なレディースゴルファーやシニア層も扱うことができます
装着するシャフト重量によって当然総重量が変化してくるので、そこをチェックしておきましょう
下記の表には目安となる重量と硬さを掲載しています
ご自分の飛距離をまずは把握しましょう
目安となる飛距離 | シャフト重量 | 硬さ | トルク | ロフト角 |
300ヤード | 70g台 | X | 小 | 9度 |
260ヤード | 60g台 | S | 中 | 10度 |
220ヤード | 50g台 | R | 大 | 10度 |
200ヤード以下 | 40g台以下 | R以下 | 大 | 11度 |
相性の良いスイングタイプ
- コックがほどけてアウトサイドイン軌道になりやすい方
- リストワークが少なめのボディターンスイングの方
基本的な性能面でいえば手元側に粘り感のあるタイプであることから、切り返し時にタメを作りやすいシャフトです
切り返しからコックがほどけることで、アウトサイドからクラブが下りてくる方にはタイミングが取りやすく、スイングプレーンに乗せやすくなる効果が期待できます
また、リストワークを積極的に使わずにボディーターンでスイングする方とも好相性です
相性の良いヘッド
- シャフトの操作性をさらに引き出すならヘッドも操作性のあるモデルが相性よし
- 飛距離と方向性を両立させるなら高慣性モーメントで捕まるタイプがおすすめ
動きや癖が少なくヘッドの特性を引き出せるシャフト。できればヘッドも操作性の高いタイプと組み合わせたほうがヘッドの特徴を上手く引き出せるはず
候補としては、テーラーメイド M5、キャロウェイ EPIC FLASHサブゼロ。国産メーカーであれば本間 TW747 455、スリクソンZ785あたりが面白い
直進性性と飛距離の両立を求めるなら高慣性モーメントタイプのヘッドの中でも捕まりの良いモデルが良いでしょう、その中でもPING G410PLUSやG410SFT、タイトリストTS2は左へのミスを抑えながらミスヒットにも強くなり飛距離と方向性を両立できるでしょう
まとめ
- シャフトに操作性を求める方
- 余計な動きをしないシャフトを求める方
- バックスピン量を減らしたいけどハードすぎるシャフトは苦手な方
総合評価:
飛距離:
上がりやすさ:
方向性:
操作性:
許容性:
総合的にみて操作性が高いタイプですが、しなり感も適度にあることでバランスが非常に良く感じるシャフトです。名器スピーダーエボリューション4をベースにしているというのも頷ける完成度でした
シャフト自体には無駄な動きをせずにヘッドの特性を出しやすいので、できれば操作性の高いヘッドを装着するのがおすすめです
以上、スピーダーエボリューション6試打評価レビュー|試打データ付きでエボ6をわかりやすく解説します。という話題でした