ゴルフ距離計

【レビュー】EAGLE VISION Xi(イーグルビジョン クロスアイ)|1台2役のハイブリッド距離計、実際どうなの?

ゴルフ距離計においては「GPS派」と「レーザー派」があると思います。

筆者は両方持ってラウンドする派なんですけど、その両方の長所を1台にまとめた注目モデルが、2025年に登場した「EAGLE VISION Xi(イーグルビジョン クロスアイ)」です。

GPSによる全体のコース把握と、レーザーによる正確なピン距離測定。この2つの計測スタイルをハイブリッドで実現し、さらに「ナビとレーザーの良さを融合した3点間距離表示」や「ピンポジを反映できるピンレコ」など独自機能を搭載しているのが特徴です。

価格は約7万円と高価格帯に位置する本機ですが、果たしてその価値はあるのか?

ということで、EAGLE VISION Xiを購入したので、実際にコースで使用した感想をもとにレビューしていきます。

EAGLE VISION Xiを使ってみた結論

良かった点
気になった点
  • GPS×レーザーの連携によるXi独自の3点間距離測定が便利
  • レイアップ時の残り距離把握に非常に役立つ
  • ハイブリッドモデルとしてはバッテリー持ちはかなり良い(30時間超)
  • 距離計としての精度・スピードも問題なし
  • アプリ連携にスコア入力機能がなく、記録を一元管理できない点が惜しい
  • 7万円台のモデルなのにファインダー表示がLCD(OLEDならなお良し)
  • GPSナビ画面の解像度が低く、直射日光化での視認性に難あり
  • タッチ操作の感度がもう一歩

Xiは、戦略的なプレーを可能にする機能が詰まった、唯一無二の存在です。3点間距離表示やピンレコといった他にはない強みを持ちながら、GPSとレーザーの精度も非常に優秀でした。なので、単純に性能的には申し分ないので、買ってみて損をするような事はない良モデルです。

一方で、視認性の低さや操作性の甘さといった使い勝手の面では、価格に見合うだけの完成度とは言い切れない部分もありました。そういった事も考慮すれば約7万円という価格を考えると、ややコスパに疑問を感じる人もいるかも・・・という感じはします。

それでも、戦略的なプレーを重視し、距離だけでなくマネジメントの幅を広げたいよって人にとっては、GPSナビとレーザーのハイブリッドである本機は間違いなく検討に値する距離計です。

個人的には、レーザーで測ったポイントから、グリーンまでの距離をナビで確認できる3点距離測定は画期的で最高の機能だと思っています。これはマジで良いですね!

なお、「レーザーとGPSを1台で完結させたい」という点で、計測面では十分な完成度を持っていますが、スコア入力機能が搭載されていなかったのは惜しいなーと思う部分。

という感じなので、スコア入力とか別にいらないし、距離計は1台で完結したいなど、距離測定の利便性をとにかく重視したいんだよ!という人には値段は高めだけどおすすめ。

スペックと基本情報

何度も言いますが、EAGLE VISION Xi(イーグルビジョン クロスアイ)は、GPSゴルフナビとレーザー距離計を融合したハイブリッド型のレーザー距離計です。

レーザー距離計の本体横にナビ画面が搭載されたモデル。最近ではちょこちょこ出てきたタイプですが、ついにイーグルビジョンも出してきました。

この手の距離計は、単純にレーザーでピンポイント計測ができて、コース全体の距離把握やハザードの位置確認を1台に集約できるので便利。

本機の最大の特長は、レーザーで測定した任意のポイントからグリーンセンターまでの距離をGPS画面に表示する「3点間距離表示」機能。特に機能を切り替える事などは不要で、単純に測った場所からグリーンまでの距離がナビ画面にでます。

これにより、レイアップ時や刻みのショットでも戦略的に次打を組み立てられるのが大きな魅力です。これは今作独自機能で、想像していたよりも圧倒的な強みでした!

また、ピンフラッグの位置をGPSに登録する「ピンレコ」機能や、スロープ補正(高低差測定)、連続スキャンモード、ピンシーク機能(バイブレーション通知付き)など、実戦的な機能もフル装備。

ナビ画面には1.3インチの円形カラー液晶(240×240ドット)が搭載され、タッチ操作でホール全体のレイアウトや各ハザード、残り距離の確認が可能です。屋外でも見やすい半透過型の液晶で、スマホ感覚で直感的に操作できます。としていますが、液晶画面の完成度は微妙でしたね。

また、Bluetooth接続によりスマホアプリ「EV PRO」と連携することで、風向き・風速などの情報表示やピンポジションデータの取得、ファームウェアアップデートなども可能です。

さらに約30時間という長時間バッテリーに加え、IPX4の生活防水仕様、USB Type-C充電対応など、使い勝手の面でも抜かりなし。

以下のスペック表にまとめました。

製品スペック一覧|EAGLE VISION Xi(EV-490)

項目詳細
モデル名EAGLE VISION Xi(EV-490)
発売日2025年3月7日(朝日ゴルフ用品)
サイズ104.2mm × 71mm × 42mm
重量202g
測定方式レーザー距離計 + GPSゴルフナビ(ハイブリッド)
測定距離~800m(874ヤード)
測定精度±1ヤード
望遠倍率6倍
ディスプレイレーザー:モノクロLCDGPS:1.3インチ円形カラー液晶(240×240ドット)タッチ対応
スロープ機能対応(オン/オフ切替可能)
防水性能IPX4(生活防水)
GPS対応衛星みちびきL1S、GPS、GLONASS、QZSS、MSAS
Bluetooth通信Bluetooth SMART(スマホアプリ「EV PRO」と連携)
バッテリー内蔵リチウムイオン電池(USB Type-C)
連続使用時間約30時間(GPS使用時)
付属品専用ケース、USB-Cケーブル、レンズクリーナー、クイックマニュアル、保証書

ラウンドで実際に使ってみた感想

計測スピードと精度

まずレーザー距離計としてはの計測性能についてです。

Xiはボタンを押してからのレスポンスが非常に速いです。当サイトではいくつもレーザー距離計をレビューしてきましたが、スピードに関しては申し分ない結果でした。

ピンシーク(いわゆるピンファインダー)といって、最も手前側の目標物を優先する機能でも速度低下はあまりなくて優秀。

ディスプレイがLCDなところ以外では不満があまりないですね。

プロ使用率の高い「Bushnell PRO X3」と比較テストも行いました。

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上の画像は左がイーグルビジョン、右がブッシュネルです。ブッシュネルは画面下側の数字が高低差補正後の数字、反対にイーグルビジョンは画面上の数字が補正後の距離です。

結果として精度も非常に優れており、プロ使用率の高い「Bushnell PRO X3」と同一地点から測っても測定誤差はほとんど見られませんでした

また、GPSナビ機能の精度についても検証のためにユピテルの「YGN7000」と比較したところ、5ヤード以内での誤差は出ますが、EAGLE VISION Xiも非常に安定しており、ほとんど誤差らしい誤差は無いと判断しました。

一部エッジまでの表示で8ヤードぐらいズレていた場面がありましたが、エッジは機種ごとに計測するポイントが若干異なることもあるので、たまに起こる程度です。基本的には安定した距離計測ができます。

ナビ機能の使い勝手

GPSナビの精度に関しては先ほども言ったように非常に安定しており、他機種と比較しても大きな誤差は感じられませんでした。特にグリーンセンターやハザードまでの距離はまずまず正確で、GPSナビとしての基本性能は十分に信頼できます。

ただし、コースレイアウトの表示にはややどころかめちゃくちゃ不満が残ります。現在プレーしているホールに隣接するホールまで一緒に表示される時があったりして、これがマジで意味不明なんですけど、どうしてこういう仕様なのか・・・。

このホールの場合はまあ良いでしょう。こんな感じで全部1ホールずつにフォーカスした、よりシンプルで視認性の高い画面構成であれば、ナビ機能としての満足度はさらに上がったと感じます。

グリーンの表示もわかりやすいし、ピンの前後左右のエッジまでの距離も表示されていて便利。

数字の表示は大き目で見やすいです。

ディスプレイについて

レーザーのディスプレイはLCD表示です。7万円台と考えればこのディスプレイは何とかOLEDディスプレイにしてくれたら最高だった。

レーザー側のファインダーはモノクロLCD仕様なのがやや残念なポイント。高価格帯モデルとしては、より明るくコントラストの高いOLED表示が欲しかったところです。

GPSナビ画面についても、屋外での視認性はそこまで高くなく、直射日光が当たると情報が見えづらくなる場面がありました。

また、解像度も今どきのスマホやスマートウォッチと比べると一歩劣る印象です。

操作性とデザイン

本体は手になじみやすい丸みのある形状。重さも200g台前半で、やや重ためではあるものの、GPSナビとレーザーを両搭載しているモデルとしては標準的。

ボタン配置はシンプルで、初見でも直感的に扱えるレイアウト。GPSナビ側のタッチパネルはレスポンスがやや鈍いこともありますが、操作自体はシンプルで複雑な手順も不要。風向きや風速などの情報をワンタップで確認できる点も便利です。

バッテリー性能

Xiのバッテリー性能は、単体のレーザー距離計と比べるとやや物足りない印象もあります。通常のレーザー機であれば数ヶ月電池交換不要なモデルも多い中、Xiは内蔵バッテリー式で、こまめな充電が必要になります。

しかし、GPSナビとレーザーの両方を搭載していることを考慮すれば、約30時間という駆動時間は非常に良い。

実際に1日18ホール使ってもバッテリー残量は十分に残っており、ラウンド中にバッテリー切れを心配する必要はなかったです。

アプリ連携と付加機能

Xiはスマートフォンアプリ「EV PRO」と連携することで、天気や風の情報が確認できる「ウィンドサポート」「ウェザーサポート」機能を利用できます。プレー当日の風速や風向き、天気予報を端末上でリアルタイムに確認できるのは、ショット判断において非常に便利なポイントです。

ただし、アプリ連携機能の一部には物足りなさもあります。特に残念なのは「スコア入力機能」が搭載されていない点。GPSナビ付き距離計であれば、スコア管理まで一元化できるとさらに便利だったため、今後のアップデートで対応してくれることを期待したいところです。

独自機能と使い勝手

このモデルを語る上で欠かせないのが「Xi独自の3点間距離測定」機能。ティーグラウンドからフェアウェイの狙いどころをレーザーで測定すると、その地点からグリーンまでの残距離もGPS画面に自動表示されます。これは特にレイアップ戦略を立てたいホールや、ブラインドのある場面で真価を発揮します。

例えばこれだど、レーザーで測った場所までは172ヤード、そしてそこからグリーンまでは116ヤードという感じで表示される。超便利だし勝手に表示されるので、レーザーで測るだけなのも最高です。

現状で他にはないXiだけの機能なので単純に強みだし、最も評価したい機能ですね。

さらに、測定したピン位置をGPS側に記録する「ピンレコ」機能も搭載されており、一度測ればその後のショットで常にピンまでの正確な距離を把握できます。まさに“考えるゴルフ”を支える、頼れる相棒といった印象です。

良かった点/気になった点

良かった点

  • 計測スピードと精度が優秀で、信頼性が高い
  • 3点間距離表示が戦略的ラウンドに役立つ
  • GPS・レーザー両対応で1台完結できる利便性
  • 長時間駆動バッテリーで充電の手間が少ない

△気になった点

  • ナビ画面の解像度と視認性がやや時代遅れ
  • アプリ連携にスコア入力機能がなく、記録を一元管理できない点が惜しい
  • タッチパネルの反応が鈍く操作に戸惑う場面も
  • ファインダーがOLED非対応で表示がやや暗い

こんな人におすすめ

EAGLE VISION Xiがおすすめなのは以下の方。

  • GPSナビとレーザー、どちらも欲しいけど2台持ちは面倒という方
  • 戦略的にコースマネジメントをしたい中〜上級者
  • レイアップの残り距離を正確に把握したいゴルファー
  • GPSナビ付きでもバッテリー長持ちのモデルを探している人

イーグルビジョン クロスアイの総合評価とまとめ

項目評価(★5段階)
精度★★★★☆
計測スピード★★★★★
視認性★★☆☆☆
携帯性★★★☆☆
コスパ★★★☆☆
独自機能(ナビを活用した3点測定とピンレコ)★★★★★

総評: Xiは、GPSナビとレーザー距離計の“いいとこ取り”を狙った意欲的なハイブリッドモデルです。特に3点間距離表示やピンレコ機能といった独自性の高い機能は性能的にも相当良くできているので、戦略的にプレーしたいゴルファーにとって大きな武器になります。

ただし約7万円という価格を考えると、視認性が若干気になるディスプレイやタッチパネルの操作性は気になるところ。

機能面では唯一無二の魅力がある一方で、快適さや使いやすさを重視する方はしっかり検討してから選びたい製品かなという印象ですね。

それでも「距離計を1台に集約したい」「戦略性を高めたい」というゴルファーにとっては、間違いなく候補に入る価値あるモデルです。

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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