今回取り上げるのは「LAGOLF Face ID ドライバー」。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

ブライソン・デシャンボーがクラブ開発に携わって完成したのが今作。
Elite range session with our guy @brysondech 🚀 pic.twitter.com/sGmFcimcHo
— LA Golf (@LAGolf) April 3, 2025
結論から言うと、LA GOLF FACE ID ドライバーは、ミスした時の曲がり幅が小さい、直進性に優れたドライバーでした。
筆者も正直ここまでブレ幅が抑えられるとは思っていませんでしたが、トウヒールに打点がズレた場合でも思った方向に近いところに飛んでくれる感じがあって驚きましたね。
スライスやフックの曲がり幅が気になる人にとって、これは大きな武器になるんじゃないかなと思います。それでは詳しくレビューしていきます!
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
LAGOLF Face ID ドライバーの特徴とデザイン

LA GOLF FACE ID ドライバーは、ブライソン・デシャンボー選手と、LA GOLFのチーフデザイナーであるジェフ・マイヤー氏がタッグを組んで共同開発したモデルです。

考えるの手間を省いたのかと思えるほどシンプルなデザインが逆に新鮮。

さて、今回のモデルはゴルフの科学者ならではの視点と技術的知見を融合し、全く新しいフェース設計思想を取り入れた意欲作という事だったので、ギアマニアの間では注目されていました。

このモデル最大の特徴が、“Face ID テクノロジー”。これはフェースのバルジ(横の丸み)とロール(縦の丸み)の曲率を、ヘッドスピードに合わせて最適化するというのが新しい発想。ヘッドは全部で5種類用意 。

今回筆者が購入して計測を行った「12-11」モデルは、バルジ12インチ・ロール11インチの設定で、ミスヒット時のギア効果によって物理的に弾道を補正してくれる設計になってます。
この12-11が標準モデル的な位置づけで、41m/s~49m/sぐらいはこれで良さげです。

要するに、トゥやヒールで打っても過度にサイドスピンがかからず、「スライスがフェードに」「フックがドローに」収まるようなイメージですね。ほんまかいな!という感じなんですが、実際に曲がり幅が明らかに少なくて、使っていくうちにどんどん安心感が増していきました。
バルジロールのギア効果に関しては従来からあるものなので、どこがそこまで新鮮なのかというと、ヘッドスピード事に最適化しているという点です。

ボールに対して構えてみると、ヘッド形状は想像以上に癖や特徴がほとんどないオーソドックスなカタチ。かなり構えやすいです。

横からみるとこんな感じで、まあまあシャロー気味でした。

マットブラックのクラウンは落ち着いた印象で、余計な装飾がないぶん集中しやすいですね。標準状態ではほんの少しだけフックフェース気味ですが、違和感はなく、むしろ安心感のある見た目でした。
素材はフェースに高反発なβチタン、ボディはオールチタン構造になっていて、最近主流のカーボンクラウンとは一味違う、しっかりした打感と高いエネルギー伝達性能が味わえます。

調整機能もしっかりあって、±1.5°のロフト調整、後方ウェイトの位置調整が可能。
ヘッドスピード毎に対応したモデルを選ぶのですが、この12-11というヘッドは41m/s~49m/sぐらいまでタイプできるオールラウンドタイプ。ヘッド毎にロフトは1種類しかないので、カチャカチャでロフト調整することを推奨しているようです。
ちなみに今回の計測は標準状態の10.5°で行っています。


加えて、LA GOLF自社製の高級Aシリーズカーボンシャフトが標準装着されているのもポイント高いですこのシャフトだけで数万円するので、かなり豪華な組み合わせだなーと感じました。
こちらのシャフトは40g台から80g台まであって、装着シャフトを選んで購入可能。筆者が選んだのは50gのMIDという中弾道タイプです。HIGHとかLOWとかで選べますが、弾道の高さのようですね。
これで総重量は310gでした。
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
LAGOLF Face ID ドライバー試打計測データ(トラックマン4)




LAGOLF Face ID ドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード44m/s~45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 数値 |
---|---|
ヘッドスピード | 44.6 m/s |
ボールスピード | 64.9m/s |
打ち出し角 | 15.1° |
バックスピン | 2369 rpm |
スピン軸 | -0.7°(ストレート傾向) |
最高到達点 | 32.8 yd |
降下角度 | 38.5° |
キャリー | 244.1 yd |
トータル | 274.7 yd |
打出し方向 | 1.9° (右) |
曲がり幅 | -1.0 yd(左) |
左右ブレ | 7 yd (右) |
スマッシュファクター | 1.45 |
飛距離性能は当サイト基準を余裕でクリア
当サイトでは、ヘッドスピード45m/s前後でトータル270ヤード以上を記録すれば、「飛距離性能が高いドライバー」として評価しています。
今回のLA GOLF FACE ID ドライバーは、実測でトータル274.7ヤードという結果が出ており、余裕で基準をクリアしているモデルです。かなり飛びました!!

ボールスピードは64.9m/s、スマッシュファクターは1.45と、非常に高い数値を記録しており、インパクトのエネルギー効率がとても優れていることがわかります。フェースの反発性能も高く、芯を外してもボール初速が落ちにくい印象でしたね。
弾道の高さに関しても、打ち出し角15.1°・最高到達点32.8ydと、高弾道を打ちやすいセッティングになっていたのも印象的。
球筋:方向性は非常に安定していてストレート傾向


方向性のデータは以下の通りです。
- スピン軸:-0.7°(ストレート系)
- 打出し方向:1.9°(右)
- 曲がり幅:-1.0ヤード(左)
- 左右ブレ:7ヤード(右)
このデータからもわかるように、全体的にストレート系の弾道が多く、曲がったとしても右にも左にも大きく曲がらない安定性が際立っています。
打ち出し方向は1.9°右ですが、そこからフェースの曲率によるギア効果でストレートに戻ってくるような感覚がありました。
筆者自身はドローヒッターということもあるのですが、そう考えるとフェードバイアスの方が強い印象はあるかなってところです。

こちらが全体のバラつきですが、やはりセンターから右方向への集まった感じ。分散はかなり小さくて安定性は驚異的なほど高いです。
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
フィーリング(打感・打音・操作性)

打感は、フェースに吸い付くような柔らかさと、適度な弾き感を感じさせるものでした。βチタンフェース特有の「芯を食った時の気持ちよさ」がしっかり感じられて、強く叩いても嫌な衝撃が手に残らないのが良かったですね。
打音については、やや高めの金属音で響く乾いた感じの音質です。最近のカーボンコンポジットドライバーと比べると音量は大きめですが、屋外だとそこまで気にならず、むしろ爽快感のある打音だなーと感じました。
操作性に関しては、Face IDテクノロジーの恩恵もあって、ストレート系の弾道を打ちやすい印象ですが、フェードやドローの打ち分けもある程度は可能です。
ヘッドの挙動も素直でラインが出しやすく、方向性重視で振っていきたいゴルファーにはかなり扱いやすいクラブじゃないかなと思います。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 独自のフェース設計のおかげで曲がらない安心感がすごい
- キャリーが出しやすくて飛距離性能も素晴らしい
- オールチタンの弾き感のある打感が気持ちいい
- シャフトまで含めて完成度が高い
微妙なところ
- 打音は金属音強めで好みが分かれるかも(最近のカーボンコンポジットとはまるで違うけど、なつかしい感じ)
- 国内で試打できる場所がない(たぶん)
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
LAGOLF Face ID ドライバーの性能評価チャート
総合的に見て、LA GOLF FACE ID ドライバーは、特に飛距離性能と寛容性のバランスに優れたモデルだと感じました。キャリー244yd・トータル274ydというデータは申し分なく、スピン量や打ち出し角とのバランスも良いため、安定した高弾道で飛ばせるドライバーに仕上がっています。
さらに、最大の特徴でもあるFace IDテクノロジーによって、ミスヒット時の左右のブレが非常に少ない点が秀逸ですね。捕まりすぎず、真っすぐに飛びやすい設計なので、大きな曲がりが怖いプレイヤーでも思い切って振っていける安心感があります。
一言でまとめるなら、「飛距離も出て、曲がらない。しかも操作もそこそこできる」そんな、完成度の高いモデルですね。特に捕まりすぎる心配が少なかったので、左を気にせず思い切って振っていきたい人にはうってつけな印象です。
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
まとめ

とにかく曲げたくないし、そのうえで飛距離も妥協したくないよって人には、このドライバーはかなり武器になる可能性は高いです。
スライスにしろフックにしろ、方向のブレでスコアを落としてしまう人にとっては特にオススメです。弾道も高くキャリーも出るので、飛距離面も心配なしですね。
さらにこのドライバーの大きな特徴として、ヘッドスピード別に設計された複数のヘッドモデルが用意されているという点が挙げられます。ぼくが試打した「12-11」はヘッドスピード41m/s~49m/s向けの標準モデルですが、他にもハードヒッター向けの「10-10」や「8-7」、反対にスイングスピードがゆるやかなゴルファー向けの「14-13」など、合計5モデルがラインナップされています。
それぞれのヘッドはフェース曲率だけでなく、ロフト角も異なるように設計されていて、本当に幅広いレベルのゴルファーにフィットするよう作られているのが印象的です。これは「プロでも初心者でも、あなたのスイングに合わせて設計されたフェースが選べる」ってことなので、他にはない柔軟なフィッティング性能を持っているドライバーだと思います。
一方で最強の操作性をゴリゴリに求める方には少しオートマ感が強く感じるかもしれません。
でも「とにかく安定して真っすぐ飛ばしたい」「トウヒールに当たった場合の曲がり幅をできるだけ小さくしたい」という気持ちがあるなら、一度試してみる価値は十分あるモデルだと思います!
現時点で入手できるのはフェアウェイゴルフのみですが、筆者もこちらで購入しています。スペックはかなり豊富にあるので気になる方はチェックしてみてください。
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
関連【限定460cc】ELYTE トリプルダイヤモンド MAX ドライバーが発売開始!特徴&取扱いショップ情報【キャロウェイ】
関連【試打評価】キャロウェイ ELYTE Xドライバー|トラックマン4で飛距離計測
関連【試打評価】キャロウェイ ELYTEドライバー|トラックマン4で飛距離計測
関連【試打評価】キャロウェイ ELYTE トリプルダイヤモンド ドライバー|トラックマン4で飛距離計測
関連【試打評価】テーラーメイド Qi35ドライバー|トラックマン4で飛距離計測
関連【試打評価】キャロウェイ ELYTE MINI ドライバー|トラックマン4で飛距離計測