今回取り上げるのはタイトリスト「GT2ドライバー」。こちらの試打計測を行ったのでレビューしていきます。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)
タイトリスト2024年モデルのドライバーは現時点だと3機種(GT2、GT3、GT4)とありますが、この記事で取り上げていくのは投影面積が最も大きいGT2です。
結論から言っておくと、安定性と飛距離両立を見事に実現しています。また打感をはじめとしたフィーリング面での妥協もなく確実におすすめしたい名作です。
万人が使いやすいうえに初速は全メーカー中でも随一の性能でした。プロ使用率の高さも納得の完成度です。
タイトリストGT2ドライバーの概要とデザイン
GTシリーズの中では真ん中に位置するモデルでプロ使用率の高いヘッドなのがGT2。寛容性と飛距離性能の両立が人気だったTSR2の後継機で、今シリーズでも最も人気になるのはこちらだろうと思われる。
GT3にあったスライドウェイトはGT2にはありません。代わりにヘッド後端にウェイトが装着されています。つまり重心を深くすることで寛容性を高めようとしているのが狙い。
ヘッド後方のウェイトと同時に、ヘッド形状も後方に伸びた形が採用されています。ベースは洋梨形状ですが、雰囲気的にはかなり優しく打てそうな印象を受けますね。
また、GTシリーズからオールチタンではなくなり、クラウンに独自のポリマー素材が使われれるようになりました。まあ基本的には他社のカーボンクラウンと同様の効果があって、採用の理由は軽量化による余剰重量の生み出すためです。
クラウンが軽くなったぶん、ヘッド内の前方と後方に重量を分散させているのですが、簡単に言えば初速向上とミスヒットに対する強さのアップです。
ただ、今作では異素材の繋目が全くわからない精巧な作りでパッと見は前作との違いがわからないレベル。ここは素直に関心しました。
アドレスしてみるとこんな感じ。フェースアングルはストレートからむしろ開いて見えるぐらいです。
投影面積はやや大きめではありますが、開いて見えるのでアドレス時の安心感はそこまで強くはありません。ここは好みも分かれる箇所かなと思います。
横から見るとこうなっています。やや後端が上がった形状ですが、これは空力が考慮されたものだから。だろうと思う。
フェースの外観に変化はほとんどありませんが、今作ではスピードリングフェースというのが採用されています。外周部を補強することでセンターヒット時の初速を最大化できたそうです。
同時に芯を外した時のロスも最小限に抑えてくれるというのも特徴。あと打感についても変化はあまり感じませんでした。つまり打感は最高。
タイトリストGT2ドライバー試打計測データ
タイトリストGT2 ドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | トラックマン平均値 |
---|---|
H/S (m/s) | 44.4 |
B/S (m/s) | 65.2 |
打ち出し角(度) | 14.7 |
打ち出し方向(度) | 0.3 |
バックスピン | 2447 |
スピン軸 | -5.4(左) |
最高到達点 | 32.3 |
降下角度(度) | 38.3 |
曲がり | -7.8(左) |
キャリー(yd) | 243.8 |
総距離(yd) | 266.1 |
スマッシュファクター | 1.47 |
当サイトでは平均トータル距離が260を超えれば飛ぶモデル、270ヤード以上でれば文句なしに飛ぶという基準を設けています。
GT2ドライバーは単発だと270ヤード超えもありますし、平均でも260ヤード中盤で飛距離性能としては申し分ない結果。GT3ドライバーは264.7ヤードだったので、平均ではGT2がやや上回っています。
とはいえ僅差の結果で、兄弟モデルなのでベースの飛びはほぼ一緒。GT3が前作よりもバックスピン量が増えているという結果だったけれど、GT2も同じような結果。こちらも2000回転中盤を推移しており、中スピンというヘッドでした。
スマッシュファクター(ミート率)は1.47。数値はかなり良いし、若干ですがGT3よりもデータは良い。
初速は平均で65を超えてくるので言う事はありません。弾きも良かったです。
バックスピン量もGT3と同様に、前作よりも入りやすい傾向があるように思います。ヘッド内荷重の影響が出ていると個人的には結論づけていますが、安定感も増すので印象としては悪くありません。
ただ、GT3よりも打ち出しが高くなり、若干ですがバックスピン量が少ないですが、トラックマンのインパクトデータを見ると一目瞭然でした。
GT2の方がアタックアングルがついています。要するにアッパー軌道が強くなっているのが要因です。
なぜこうなるかというと、GT2の方が重心が深いからアッパーに動きやすいからです。これは打っている段階から明確にケツが下がるので下から入ってきます。
ですがここまで明らかな差が出てくるのは驚きました。入射角がダウンブロー気味に入る方ならGT2の方が適正値に近づけていける可能性が高いです。
GT2の捕まりはまあまあ良いです。フェースアングルは開いて見えるので右にいきそうな雰囲気もありましたけど、実際に打っているとしっかりとフェースは戻ってくるしフェイストウパスもほとんど開いて当たることはなかったです。
15発中2球だけ右にプッシュ気味の打球が出ていますが、それ以外はほぼストレートからドローでした。
キャリーの誤差も小さく、高いレベルで飛距離を安定して出せています。
ミスの許容範囲も広く、GT3よりも明らかに簡単。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 初速と安定性を高いレベルで両立している
- ミスヒットしてもキャリーのロスが少ない
- 捕まりがよく右へのミスはあまり出ない
微妙なところ
- 標準スペックだとバックスピンは比較的入りやすいので、一撃必殺の飛距離は期待しにくい
飛距離を犠牲にせずに安定感を高めた名作
初速の高さは相変わらず、それでいてバックスピン量が2000中盤というのもバランスが良くてちょうど良いなと思います。扱いやすいうえに飛距離が犠牲になっていないので、当サイトの評価も極めて高いです。
プロが求める飛距離と安定というのを高次元でまとめており、使用者が多いのも納得です。
基本的には捕まりがよくスピンもちょっと入ってくれるので、スピンや捕まりを抑えたい場合のカスタムもしやすい。個人的には先端剛性の高いツアーAD VFあたりと組み合わせたいなと思います。
反対にアッパーに動きやすい先調子系を使いたいならGT3の方が相性は良いかもしれません。
総合評価
とにかくバランスが良いうえにチャートも満遍なく高得点です。
飛距離は標準状態だとスピンが入りやすいので9点ですが、スピンを抑えれば10点クラスの飛距離を得られるでしょう。
操作性もそこそこ良いですし、ミスへの耐性もあります。とても実戦的でどんな方でも平均的以上をコンスタントに出せるヘッドといった感じでしょうか。
またコンポジットヘッドとは思えない打感の良さもあって言う事ないレベルの完成度です。
文句無しでおすすめ。
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