どうもまさでございます。
今回はPINGの2024年モデルである「i530アイアン」を取り上げます。計測にはいつもどおりGCQuadを使用。
中空の飛び系として人気を博したi525の後継モデル。今作ではさらにロフトを立ててきており飛距離性能をアップさせようという試みがあるけれど、それが吉と出るか凶とでるか。
それでは早速言ってみましょう
PING i530アイアンのデザインと概要
i530アイアンは中空構造です。バックフェースは非常にシンプル。PINGは飛び系ツアーアイアンと言っているだけあってデザインにはかなり拘っているのがわかります。
中空構造の弱点はバックフェースまで金属で覆っていることによってキャビティ系よりも高重心になってしまう点です。
それを解消するためにPINGは今回、ヘッド内部の後壁を40%薄くする構造を採用しました。バックフェースのギザギザの所がその部分です。
中空にしては低重心化してますよってのが今回の構造でもっとも強く打ち出しいるところですね。
トウ側にはPINGではお馴染みのタングステンを搭載。高MOI化を狙ったいつものやつでミスに強くなるとアピールされています。
またヘッド内にはEVAポリマーが内蔵され振動抑制による打感の向上が図られています。
ヘッド形状がこちら。飛び系アイアンとは思えない精悍な顔つきをしています。
トップブレードも薄めでオフセットも少なく、ツアーアイアンを使っていた方でもすんなり移行できそうな雰囲気ですね。
ヘッドスペックが下記です。
番手 | ロフト角 (度) | ライ角 (度) | バウンス角 (度) |
---|---|---|---|
4I | 18 | 60.5 | 5 |
5I | 21 | 61 | 6 |
6I | 24 | 61.5 | 7 |
7I | 27.5 | 62 | 8 |
8I | 31.5 | 62.8 | 9 |
9I | 36 | 63.5 | 11 |
PW | 41 | 64.1 | 12 |
UW | 46 | 64.1 | 12 |
非常にストロングなロフト設定。かなり攻めたスペックです。
試打計測データ
i530アイアンの試打計測の平均データが下記
モデル名 | PING i530 |
番手 | 7 |
ロフト (度) | 27.5 |
ライ角 (度) | 62.5 |
ヘッドスピード (m/s) | 37.5 |
ボールスピード (m/s) | 50.8 |
打ち出し角 (度) | 18.7 |
打ち出し方向 (度) | -0.9 |
バックスピン (rpm) | 5673 |
サイドスピン (rpm) | -523 |
最大の高さ (yd) | 30 |
落下角度 (度) | 47 |
センターからのブレ (yd) | -9.7 |
キャリー (yd) | 158.7 |
総距離 (yd) | 168.1 |
今回は7番でロフト27.5°ということだったので飛距離にかなりの期待を寄せていましたが、平均で159ヤードほどでそこまで飛ぶこともないなーという結果。飛び系を大々的に謳っている割にはって感じですね。
初速はまずまず出ていますが、打ち出しが低いのが思ったほど飛ばなかった要因だと考えています。
ロフトがかなり立った中空アイアンですが捕まりはなかなか良いです。サイドスピンは平均で500回転以上のドロー系です。
横ブレは平均で左に9.7ヤード。曲がっているというよりはぼくにとってライ角がアップライトで左に出てしまうケースが多かった感じですね。調整も視野に入れたい。
ですがミスヒットには結構強くてキャリーの誤差は5ヤード程度と非常に小さい縦ブレでした。安定性は高いです。
最高到達点が30ヤードで平均値はあまり高さは出ていませんがバックスピン量が5600回転ほど平均でかかっています。ロフトに対してスピンはしっかりとかかっている印象。
高さが出てないのは打点が下にブレた際の弾道の低さが要因です。低重心化を狙ったヘッド構造でしたが、やはり中空構造のデメリットを完全に解消することはできてはいなかったです。
PING i530アイアンの良かった点
- デザインがカッコいい
- 飛び系だけどバックスピンもしっかり入る
- 捕まりもよくて優しめ
- キャリーの誤差が小さい
PING i530アイアンの微妙な点
- 打点が下にブレた場合の上がりやすさはそれほどない
- 高さがそれほど出ない
- 打感が微妙
高さが出づらいけどスピンはしっかり入る
飛び系を謳っているし、前作よりもさらにロフトを立ててきているもののバックスピンはしっかり入ってくれるのが意外でした。
ただ、ストロングロフトすぎる中空アイアンということで、打ち出しがまあまあ低めになる傾向が強くキャリーが思うように伸びなかったのも触れずにはいられません。
もうちょっとソール幅を広めにとって低重心化されていれば良かったのかもしれませんが、一応ツアーアイアンを謳っているから譲れないポイントだったのでしょう。
打点が下にブレた場合は高さは不足しがちになるものの、キャリーはなぜか5ヤード程度の誤差に収まるので安定性がないわけではないのは救いです。
まあこのロフトでここまでスピンがかかれば文句はないかなと思いますし、実際のグリーンで止まりにくさを感じることもそこまでなかったです。
自力で高さを出していける方なら問題はないでしょう。ただし普段から高さ不足を感じている方には難しい印象になるかなと思います。
総合評価
スピンが良い感じに入ってくれたので意外な弾道だなーという印象が終始残りました。評価は上記のとおり。
大型ポケキャビみたいに打ち出しから高さが出て馬鹿みたいに飛ぶアイアンというよりは、ツアーアイアンの延長線で選べるモデルの中で飛距離が稼げるモデルを探すというスタンスで購入するのがよさそうかなと思います。
捕まりは良いしスピンもまあまあ入るので総合的には悪くはありませんが、高さを自力で出していける方向けな印象。今までツアーアイアンを使っていれば問題ないかと思いますが、アイアンに高さを補ってもらいたいという方は手こづるかも。
ただ打感はかなり中空感があったので評価は低めです。
飛び系中空にしてはコンパクトなヘッドなので抜けや操作性は中々良かったです。
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