ゴルフ雑記帳のまさです。今回はヤマハ RMX VD/Rアイアンのデータ計測を行ったのでレビューしていきます。
ヤマハリミックスVDアイアンシリーズは前作2021年モデルではポケットキャビティアイアンが2種類、そしてハーフキャビティーのVDツアーアイアンが1種と言う展開でした。
2023年モデルではハーフキャビティが2種類、ポケットキャビティが1種と言う構成に変わっています。
そして今回取り上げるのは今平周吾プロも開発に携わったとされる数量限定のハーフキャビティで、ロフトが最も寝ているツアーモデルのタイプです。前作のツアーモデルであったVDツアーよりもロフトが少し立って7番アイアンは33度という設定。
ロフト構成を変更するあたり今平プロのこだわりやヤマハの思考錯誤がうかがえるラインナップです。
今回もいつものようにGCクアッドを用いて弾道計測を行い評価していますので、クラブ選びの参考にしてもらえると幸いです
【試打の結論】打感・操作性・スピンは文句なし
試打を行った結論から言うと、特に際立つのは打感の柔らかさ。そして操作性の良さとハイスピンです。
中打ち出しからスピンで伸びていくタイプの球質で、まさに上級者やプロが好むような弾道が打ちやすい。当然打ち出し角度はやや低めに出るのでライン出しも容易。
フェースの乗り感も最高で高低、さらにはドローフェードも自在に操れる操作性も申し分ありません。
ただし難易度は結構高いです。ミスヒットした場合は明確に飛距離が落ちるので、アイアンに助けてもらえる事はありません。特にトウ側に当たった時は飛距離がガクっと落ちるので、そこは覚悟しておいてください。
ヤマハRMX VD/Rアイアンの概要
見た目はシンプルなハーフキャビティのアイアンです。
軟鉄のワンピース鍛造アイアンで、今回は日本刀に使われる焼きなまし製法っていうのを採用しているみたいなんですが、これによって打感の柔らかさを極限まで高めています。
センター寄りの重心設計にしている点も注目ポイントです。最近のアイアンだとトウ側にタングステンウェイトを入れたりすることが多い傾向にあるんですが、ヤマハは特にそういった細工はせずに重心をセンターに移動させています。ここ結構感心させられたポイントです。
そして今回は重心の深くすると言うことにも注力しているみたいです。とは言え、ツアープロが使う小ぶりなキャビティアイアンの中で重心深度深くしたと言う程度です。
ヘッド形状はいつものヤマハっていう感じの顔ですね。トップブレードの厚みは薄すぎず、それでいて厚くならないような絶妙な調整がされているので、見た目に関しては特別言う事は無いでしょう
【レビュー】ヤマハRMX VD/Rアイアンの評価
各項目を10点満点で評価していきます。
計測には世界中のプロも愛用する弾道計測器GCQuadを使用しています。
明らかなミスショットを除いた平均データが下記
ヘッドスピード(m/s) | 37.7 |
ボールスピード(m/s) | 48.9 |
打ち出し角(°) | 21.3 |
打ち出し方向(°) | 0.5(右) |
バックスピン量(rpm) | 6828 |
サイドスピン量(rpm) | -294(フック回転) |
高さのピーク(yd) | 32 |
降下角度(°) | 49.4 |
センターからの横ブレ(yd) | -1.8(左) |
キャリー(yd) | 146.8 |
トータルディスタンス(yd) | 154.7 |
- ヘッド:ヤマハ RMX VD/Rアイアン 7番
- シャフト:ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー ウェイトロック
- フレックス:S200
- ロフト:33°(7番)
飛距離【10/10】
今回は、ドライバーヘッドスピード45の方が7番アイアンで37から38で打った場合を想定し計測を行っています。
平均キャリーは146.8ヤード。
ボールスピードは48.9m/s。シャフトがDGとは言え飛距離は出ません。飛距離が欲しいんだったら、兄弟モデルのVD/Mの方を選ぶ方が良いでしょう。
スピン性能【4/10】
7番アイアンで6820回転のバックスピン量です。33度ということなんですが、7番でほぼ7000回転に迫るスピン量と言うのはかなり多いです。
さすがツアーモデルと言うだけあって申し分ない結果です。
上がりやすさ【10/10】
打ち出し角は21.3度なので中打ち出しと言うイメージでしょうか。ツアーモデルにしては、低重心設計にこだわっているような感覚はありましたけど、そこまで際立つほどの上がりやすさはありません。
ですが、先ほども言ったようにスピン量はかなり多いので、途中からホップしていくように伸びていく弾道になるのが特徴。
ピーク時の高さは32ヤード程度で、めちゃくちゃ高いと言うわけではないのですが、浮き上がっていくような弾道なので、降下角度は49.4度としっかりついています。
スピン量の多さによる上昇によって降下角度が鋭くなるタイプのアイアンです。
大型キャビティアイアンのように打ち出しからドカンと高弾道が出るのとはイメージが異なるので注意が必要です。
捕まり【9/10】
ストレートからフェードをイメージしてもらうといいかもしれません。僕の場合は最近はドローが持ち球なので今回の計測でもややドローしているんですけど(それでもほぼストレート)、つかまりやすいと言う感覚はありませんでした。
普段ストレート系の打球を打っている方であれば、ややフェードするような感覚で打っていけると思います。
当然だけれどスライサーだとかなり右に行きやすいので厳しくなりそう。
寛容性(ミスへの強さ)【10/10】
しっかり打てればスピン量も安定するし、左右ブレも気にならないんですけど、打点がバラけた時の飛距離の落ち込み方は結構すごいです。平気で15ヤードぐらい落ちたりします。
見た目こそハーフキャビティですが、難易度的にはマッスルバックに近いレベル感です。
中級者程度では少々てこずるかもしれないので、スイングはかなり高いレベルが求められます。
操作性【3/10】
操作性は最高レベルです。ここもほぼマッスルバックに近い雰囲気です。左右高低の打ち分け、ドローフェードどれも自由自在ですね。
抜け【5/10】
実際の芝の上からもテストしていますが抜けは見た目通りでかなりいいです。ここも妥協せず作り込まれています。
打感【7/10】
今作は日本刀に使われる焼きなまし製法っていうのを使っているようです。この作り方自体、あまり詳しい事は分かりませんが、打ってみた感覚ではものすごく柔らかいです。
フェースにベチャっとボールがくっつくような感覚を味わえるので、柔らかさをとことん求めるなら、このアイアンは最高峰の1つと言ってもいいかもしれません。
総合評価
イメージ通りに操れるアイアンを求めるのであれば、かなりオススメできるアイアンです。打感もとにかく柔らかくて、ボールがフェースにずっとくっついているそんな感覚です。しっかりと押し込んでいってラインを出すこともできるし、ドローフェードもすごく打ちやすいです。
そのかわり打点ブレに対する優しさは期待できないので、アイアンが助けてくれると言う感じはほとんどなかったです。
難しさは正直言ってかなりありますが、そこを覚悟してでもフィーリングや操作感を重視する方向け。
ヤマハRMX VD/Rアイアンをおすすめする人、おすすめしない人
ヤマハRMX VD/Xアイアンをおすすめする人、おすすめしない人というのが下記。
おすすめするゴルファーはこんな方
- 圧倒的に柔らかい打感を求める方
- 自由自在に操れる操作性を重視したい方
- スピン量が多いアイアンを求める方
おすすめしないゴルファーはこんな方
- 打点の安定しない方
- スライサー
- アイアンに飛距離を求める方
ヤマハRMX VD/Rアイアンの試打評価まとめ
まさに、プロが求める打球の質感、そしてスピン性の高さがあります。フィーリングも上級者が唸る出来栄えです。
今作に限っては感覚派である今平プロを納得させるための作り込みだと思われるんですが、操作性やフィーリング面を重視しすぎるあまり、アマチュアゴルファーが使うには寛容性の部分が足を引っ張ってくると思います。
難しさは正直言ってあるので、その辺を覚悟できるならチャレンジしてみたいアイアンです。
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