ゴルフ雑記帳のまさです。
今回はテーラーメイドの2023年モデル「BRNR ミニドライバー」の試打評価です。
先に言っておくと、ミニドライバー自体かなりニッチな製品であることは間違いありません。
ミニドラは大きさやロフト設定などがドライバーとフェアウェイウッドの間に位置するクラブで、どちらにも競合する番手になります。はっきり言って多くの人にとっては必要ないタイプのクラブ。
とはいえこのジャンルにも一定のニーズがあり、気になっている人も多いと思うので実際に購入してどういった性能か試してみました。
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さて、ぼくは11.5°の純正Sシャフトを買った(最も安く買えるフェアウェイゴルフで購入)わけですが、ラウンドテストとGCクワッドでの弾道計測を終えた率直な感想が下記。
それでは弾道計測器GCクワッドの詳しいデータを見ながら、テーラーメイド BRNRミニドライバーについてレビューしていきます。
テーラーメイド BRNRミニドライバーのデザインと概要
ロフト角(°) | ライ角(°) |
11.5 | 57°〜61° |
13.5 | 57°〜61° |
ロフトラインナップは2種類でプラスマイナス2°までの調整機能が搭載されています。ライ角は57°〜61°までの調整幅です。
ヘッド体積は304cc。標準の長さは43.75インチです。
今回のミニドライバーの特徴のひとつなのがソール2箇所にあるウェイトです。
この2つは前後を入れ替えることで重心深度の調整ができます。
標準状態だと後方に13gが装着されています。
前方には1.5gが装着。メーカーとしてはこの状態が安定性を重視したセッティングだとしているようです。
今回は後ろが重たい状態とウェイトを入れ替えた場合にどれぐらいの変化があるのかもデータをとっているので後ほどご覧いただこうと思います。
横から見るとこのような形状でまあまあシャローバックです。フェース高は低いのでティーアップは低めにする必要があることは頭に入れておきましょう。
ヘッド形状がこちら。
形状は前作300ミニドライバーと大きな違いはないですが、クラウンは艶あり塗装になっています。
ちなみにテーラーメイドのプロダクトクリエーションディレクターであるトモ・ビステット氏によると、BRNRミニドライバーのDNAは60%がフェアウェイウッドで、40%がドライバーみたいなイメージだそうです。
カーボンクラウンを採用。ここも300ミニと同じですね。
構えてみるとこんな感じに見えます。
標準のスリーブポジションだとわずかにフックフェースに見えるフェースアングルでした。
フェース高はシャローバックなこともあって低めです。現行のテーラーメイドドライバー同様にツイストフェースが採用されています。
打感については、チタンフェースだけれどテーラーメイド ステルスシリーズのフェアウェイウッドにかなり近い印象でした。
USモデル純正ではプロフォース65が装着されています。
ヘッドカラーに合わせたブラウンとブラックのツートンカラーです。
65Sで振動数は256cpm。US純正にしてはあまり硬すぎず日本人ゴルファーにも振りやすいと思います。
グリップはスーパーストローク S-Techが装着されています。
テーラーメイド BRNRミニドライバーの試打計測データとレビュー
それでは、ここからは実際に打ってみた際のデータを見ながらレビューしていきます。
まずは通常のウェイトポジションでのデータを見ながら
- ヘッド:テーラーメイド BRNR ミニドライバー
- ロフト:11.5°(スタンダードポジション)
- シャフト:USTマミヤ プロフォース 65
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1x
ヘッドスピード(m/s) | 45.4 |
ボールスピード(m/s) | 66.2 |
打ち出し角度(°) | 18.7 |
打ち出し方向(°) | 0.6(右) |
バックスピン(rpm) | 2667 |
サイドスピン(rpm) | -163(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 48.6 |
降下角度(°) | 47.5 |
センターからのブレ(yd) | -5(左) |
キャリー(yd) | 251.6 |
総距離(yd) | 268.6 |
スマッシュファクター | 1.46 |
現在当サイトのドライバー計測の基準は下記になっています。
平均キャリーは251.6ヤード、ランを含めた総距離が268.6ヤード。(総距離はフェアウェイ上に落ちた場合の想定値)
こちらのデータはウェイトが標準の後ろ側が重たいセッティングです。
さて、基準と比較してみると辛うじてではあるけれど飛ぶドライバーとして認めることができます。
ただし、ロフトは11.5°であること、クラブ長も43.75インチということを考えれば申し分のない結果でしょう。
飛距離としては並のドライバーと比べても飛んでいると言えるしメインドライバーとして使っても問題ないレベルにあると評価します。
BRNRミニドライバーは思ったよりも初速が出ます。
平均ボールスピードが66.2m/s。当サイトのドライバー初速の平均値が66.8m/sですから、いわゆる普通のドライバーと同等クラスのボールスピードが出せていると言っていいです。
スマッシュファクターは1.46でインパクト効率も非常に優秀。
ただ、バックスピン量は多めになりやすいのですが、ここに関してはロフトが11.5°からしか選択できないので致し方ないところかなと思います。
ロフトの影響もあって最高到達点が45ヤードと高い傾向です。スピンもしっかり入るので高さは出しやすいドライバーだと感じました。
こちらがそれぞれの弾道ですが、ニュートラルな捕まり具合です。
特別捕まるわけでもないし捕まらないこともない。大きなバラツキもなく安定したストレートボールが打てて方向性も良いです。
弾道をまとめてみたのがこちら。
ミニドライバーというネーミングではあるものの、感覚的には大きめのフェアウェイウッドをティーアップして打っているのとあまり変わらないと感じていて、通常のドライバーよりも安定させやすいのがメリットです。
ただし普段からティーショットで使うフェアウェイウッドが苦手なら難しく感じる可能性が高いので注意が必要。
ウェイトを前後入れ替えてみると思っていたよりも明確に違いが出た
今までのテーラーメイドのミニドライバーとは違い、ソールのウェイトを入れ替えることができるので、前側を重たくした場合のデータも取ってみました。
明確にバックスピン量に違いが出ました。
平均データをそれぞれまとめて比較したのが下記。
標準ポジ | 入換後(前13g) | |
ヘッドスピード(m/s) | 45.4 | 44.8 |
ボールスピード(m/s) | 66.2 | 65.2 |
打ち出し角度(°) | 18.7 | 18.7 |
打ち出し方向(°) | 0.6(右) | -0.6(左) |
バックスピン(rpm) | 2667 | 2237 |
サイドスピン(rpm) | -163(左) | -79(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 48.6 | 45.4 |
降下角度(°) | 47.5 | 45 |
センターからのブレ(yd) | -5(左) | -7(左) |
キャリー(yd) | 251.6 | 256.1 |
総距離(yd) | 268.6 | 274.3 |
スマッシュファクター | 1.46 | 1.45 |
今回の計測では、打ち出し角に大きな変化はありませんでしたが、バックスピン量が400回転ほど減少しています。
キャリーは平均で4ヤードから5ヤードアップする結果となりました。こうなると結構飛ぶドライバーぐらいにはなってくるので、メインドライバーとしてセッティングに入れても十分いける。
というように、想像していたよりもウェイトでの調整は明確に効果が出ます。
スピン量のカスタマイズができるのは今までのミニドラにはなかった機能なので、従来モデルではなくあえてBRNRミニドラを選択する理由としてはとても説得力があると言えるでしょう。
打ち出し角には変化が見られないと言いましたが、バックスピンの減少によって最高到達点は3ヤードほど低くなりました。
降下角度が2°以上緩やかになったことでランの割合も増えるという結果。
スリーブポジションを「LOWER」にしてロフトをマイナス2°すればさらなる飛距離アップも期待できます。
球筋の変化はあまり見られません。どちらにしても方向性は十分良いですし、ミスにも意外なほど寛容です。
まあ標準ポジションの方が明らかにバックスピンを増やせるので、方向安定性を重視するなら後方を重くしておくのが間違いないでしょう。
テーラーメイド BRNRミニドライバーのレーダーチャート
従来のドライバー等と比較すると飛距離の評価はこんな感じでしょうか。長さもロフトもフェアウェイウッド寄りですし、バックスピン量がどうしても多めになるのでしょうがないでしょう。
今作はいわゆる普通のドライバーとフェアウェイウッドの中間になるぐらいの飛距離ではありますが、スピン量を減らせるギミックも搭載されていますし、効果もしっかりと反映されるからメインドライバーとしての立ち位置でも十分使える人は増えるはず。
もともとのロフトがある分高さは出しやすく、小ぶりで短いことで操作性も高いです。それでいて打点ブレへの安定性も申し分ないレベルにはあるので、まるでフェアウェイウッドでティーショットをしているような安定感を手に入れることができます。
テーラーメイド BRNRミニドライバーのまとめ
ウェイト調整機能を採用したのは正解です。前後のウェイトを入れ替えることでハッキリと弾道に違いも出ているので、より好みの弾道を作りやすくなりました。
これによって前作までのミニドラとの違いも明確にあるので、300ミニドライバーやオリジナルワンからの買い替えもおすすめしやすいです。
あと、これはミニドラ全般に言えることですが、フェアウェイウッドをティーショットを多く使う方には特に打ちやすいのでおすすめです。
おすすめ度:
テーラーメイド BRNRミニドライバーをなるべく安く買うならUSモデルを選択するのもおすすめ
日本モデルよりもUSモデルの方が金額的にはかなり安くなっているパターンがあります。
そこでUSモデルを購入する場合におすすめしているのが、USモデルのゴルフクラブを専門に扱っている老舗のフェアウェイゴルフさん。
ぼくも普段USモデルを購入する際には必ず利用しているショップで、今年に入ってからはコブラLTDxやテーラーメイド ステルス、キャロウェイ ローグST トリプルダイヤモンドLSなど、多数購入しています。
他にもUS品を扱っているショップはありますが、メーカーから直接仕入れを行っている正規ライセンス品取扱いショップなので、模倣品などを掴まされるリスクがなく、安心感が違います。
参考USモデル専門「フェアウェイゴルフ」は安全?ヘビーユーザーがメリット・デメリットを徹底解説
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