ゴルフ雑記帳のまさです。今回はPINGの2017年モデル「G400 LS Tecドライバー」の試打評価です。
G400といえば、ここ数年のPINGドライバーの中でも特に評価の高くて、名器との呼声高いシリーズで有名です。
個人的にG400MAXドライバーを非常に気に入っており、現在もラウンドで頻繁に使用しているのですが、安定性は高いけどバックスピン量も多めなのが気になっていました。
そこでG400の中で最も低スピンタイプのG400 LS Tec(8.5°)が、安定性を維持しながら弾道を抑えることができるのではないかと思い、中古で購入してみたという話。
さて、実際に買ってGCクワッドやラウンドで使ってみた率直な感想が下記。
それでは弾道計測器GCクワッドの詳しいデータを見ながら、PING G400 LS Tecドライバーについてレビューしていきます。
PING G400 LST ドライバーのデザインと概要
ロフト角(°) | ライ角(°) |
8.5 | 58° |
10 | 58° |
ロフトラインナップは2種類で、珍しく8.5°に10°という組み合わせ。同シリーズはMAXまで入れると全部で4種類ありますが、ロフトが最も立っているのがLS Tecです。
また、ライ角も他モデルより1°以上フラットに設定されているのも特徴(引っ掛けなど左へのミスを軽減するため)
ヘッド体積は小ぶりな445ccです。これはG400MAX以外の3モデル共通。この当時のPINGは460ccにこだわらなかったのも面白かったところかなと思います。
まあ最も驚異的なのは445ccというヘッド体積でありながら、左右慣性モーメントが5000超えというところでしょう。
5000というのはドライバーでは最も高い数値と言ってもよくて、このクラスで代表的なのはナイキのSUMO5000という四角いドライバーです。あの異形とはいえ安定感の塊みたいなヘッドと同じクラスというのはビビリます。
ヘッド後方にタングステンが装着されているのですが、LS Tecだけわずかに前方(フェース寄り)にすることで重心を浅めにしています。
G400ではボーテックと呼ばれるヘッドの振動を抑えるテクノロジーも搭載されています。空力に関する性能を高めるための要素なのですが、クラウンの突起物との相乗効果によって性能をより高めているらしい。
その突起物というのが今ではおなじみのタービュレーターです。空気抵抗を抑えて振りやすくする効果があるとメーカーが謳っているポイント。
正直ヘッド体積が小さい方が効果が高いのでは?とも思えるけれど、どうなんでしょうか?
とりあえずPINGのドライバーの中では特に振りやすいシリーズではあると個人的には感じています。
5段階のロフト調整機能があります。これ以降PINGはスリーブを変更しているので、最新モデルには使えないのが残念。
ただ、このスリーブがマジで抜けにくくてイライラさせられるので、思い切って変えてくれてよかったのかもしれません。
とにかく抜けづらすぎて毎回シャフトが折れてしまわないか不安でしょうがないので、シャフト交換の際はくれぐれも注意してください。
ヘッド形状がこちら。
445CCという体積ですが、投影面積は大きめで460CCクラスのヘッドと比べて特別小さいという感じはありません。
構えてみるとこんな感じです。
フェースアングルがストレートでヘッド形状にも大きな癖はありませんが、クラウンの突起物や模様がごちゃごちゃしているのでスッキリしているとは言い難い。すぐに慣れますけどね。
PING G400 LSTドライバーの試打計測データとレビュー
それでは、ここからは実際に打ってみた際のデータを見ながらレビューしていきます。
- ヘッド:PING G400 LS Tec
- ロフト:8.5度
- シャフト:ツアーAD DI 6
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1x
ヘッドスピード(m/s) | 44.7 |
ボールスピード(m/s) | 64.6 |
打ち出し角度(°) | 17.2 |
打ち出し方向(°) | 3(右) |
バックスピン(rpm) | 1920 |
サイドスピン(rpm) | -116(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 38.3 |
降下角度(°) | 40.6 |
センターからのブレ(yd) | 7(右) |
キャリー(yd) | 258.4 |
総距離(yd) | 276.6 |
スマッシュファクター | 1.44 |
現在当サイトのドライバー計測の基準は下記になっています。
平均キャリーは258.4ヤード、ランを含めた総距離が276.6ヤード。(総距離はフェアウェイ上に落ちた場合の想定値)
惜しくも平均キャリー260ヤード超えとはならなかったですが、G400MAXよりもバックスピン量が抑えられて飛距離も伸びたので期待していたとおりの結果にはなりました。
愛用しているG400MAXドライバーのバックスピン量は2600前後と多めでしたが、LS Tecだと約500〜600回転ほど抑えることができます。おかげで飛距離は平均で5ヤードほど伸びるという結果。
初速は記事執筆時点でのPING最新モデルG430には及びませんが、低スピン性能だけで言えば上位10本に入ってくるレベル感でした。
打ち出し角17.2°、最高到達点38.3°。
一般的には高い数値ですけど、ぼくは弾道が基本的に高すぎる傾向があるため、当サイトの計測値からすると中〜低弾道といったところに収まっているといえます。
こちらがそれぞれの弾道ですが、ストレートからフェードをイメージしやすい捕まり具合です。
サイドスピンが極めて少なくてとにかく直進性が素晴らしい。
ほぼ狙ったところに飛んでくれると言ってもいいほどで、安心感がとにかく強いです。
捕まりは強くないので、スライサーならやはりG400MAXやG400SFTを素直に選んでおくほうが安定させられるでしょう。
弾道をまとめてみるとこうなりました。
超絶安定します。いわゆる低スピン系ドライバーの中では極めて曲がりづらいモデルのひとつです。
左右慣性モーメント5000超えをアピールしているだけあって確かに安定性は優秀です。
PING G400 LSTドライバーのレーダーチャート
飛距離はそこそこ出てくれますが、飛距離性能が大きく向上したG430シリーズと比べると物足りないのも正直なところもあるのが事実。
とはいえ平均以上の飛距離は期待できるし、PINGらしい安定感をしっかりと味わえるのはさすが最高傑作の呼び声が高いだけのことはあります。
ロースピン化できるタイプの中では屈指の寛容性と曲がりづらさがあるので、バックスピンを減らしたいけど安定して欲しいと考えている方には良いチョイスになるのかなと思います。
左へのミスも出づらく叩けるという意味でもパワーヒッターにもおすすめ。
あと打感は柔らかいというよりもしっかり弾く系ですが、G425みたいにパッカン音ではありません。
打っている感覚だとG430にかなり近い打感だという印象があって、特別すごく良いこともないけれど気持ちの良い弾き感です。
PING G400 LSTドライバーのまとめ
今だと中古で3万円前後という価格で推移していますが、G400MAXドライバーよりは幾分安い傾向にありますし、性能を考慮するとけっこう安いほうかなと思います。
ロフト設定8.5°と10°しかないという点がわりとシビアですが、弾道が高すぎる人にとっては良い選択肢になるでしょう。
個人的にもG400MAXドライバーに近い安定性がありながら、低スピンかつ高さも抑えられるようになったので満足しています。
飛距離はまずまずなレベルでしたし、めちゃくちゃ飛びますよ!とは正直言いにくいけれど、安定感のある低スピンドライバーは今でもけっこう貴重な存在なので、状態の良い中古を見つけられた場合はチェックしておくのがおすすめです。
おすすめ度:
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