ゴルフ雑記帳のまさです。今回はアルディラ ROGUE∞(ローグインフィニティ)の試打を行いました。
ALDILA(アルディラ)は現在三菱ケミカルが提供するシャフトで、PGAツアーでの高い人気を誇っています。
中でもフラッグシップモデルのローグシリーズは、世界の主要トーナメントで70勝以上もの輝かしい実績を持っていることでも有名。
さて、今回取り上げる「ROGUE∞(ローグインフィニティ)」シャフトは、驚異的な飛距離と抜群の方向安定性を高いレベルで両立させることを目指し、緻密に開発された2023年モデルです。
日本国内では使用者のあまり多くないアルディラのシャフトですが、今作は池田勇太選手が使っていることで話題のモデル。
先に実際に打ってみた結論を言っておきますと、弾き感が凄いハード中調子。
低スピンで飛ばせて飛距離性能の高さは感じられるし、捕まりも想像よりも良かったです。
ですが、同時にかなりハードなシャフトであることもわかりました。
ヘッドスピードは40後半〜50m/s以上をコンスタントに出せるアスリートに適したカスタムシャフト。
ハイヘッドスピードのゴルファーがコントロールしたドローで飛ばせるシャフトという印象です。
それでは弾道計測器GCクワッドの詳しいデータを見ながら、アルディラ ROGUE ∞(ローグインフィニティ)についてレビューしていきます。
アルディラ ROGUE ∞(ローグインフィニティ)の概要とデザイン
「ROGUE∞(ローグインフィニティ)」シャフトは、驚異的な飛距離と抜群の方向安定性を高いレベルで両立させることを目指し、緻密に開発されています。
全長にわたって80トンの超高弾性カーボンシートが使用され、インパクト時に精緻なフェースコントロールを可能にする「デュアル・トルクコア」テクノロジーが特徴です。
さらに、独特の「アングルプライ」層により、超高弾性と高弾性の2種類のカーボンシートが斜めに配置されているなどもオリジナル要素。
今作は全8種類のモデルが揃っており、シャフト重量は50~80グラム台で、すべて「ツアーフレックス」表記が付いています。
モデル | 重量(g) | トルク(°) | キックポイント |
50 TR | 58.5 | 4.6 | 中調子 |
50 TS | 60.5 | 4.5 | |
50 TX | 61.0 | 4.5 | |
60 TS | 65.0 | 3.9 | |
60 TX | 67.0 | 3.9 | |
70 TS | 74.0 | 3.1 | |
70 TX | 76.0 | 3.1 | |
80 TX | 94.5 | 3.1 |
キックポイントはすべて中調子です。
フィーリングと振動数・中間剛性
実際に振ってみると、ROGUE ∞(インフィニティ)はスペック表に記載されているよりもかなりハードなシャフトでした。
硬さがあってしなり量も少なく、動きを感じ取りづらい、まさにUS仕様のカスタムシャフトだなーというのが率直な感想。
しなり戻りのスピードは速く弾き感も相当なモノがありますが、そもそものしなり自体を出しづらいため、使いこなすには速いヘッドスピードを必要とするハードなスペックです。
60 TSの振動数は264cpm(テーラーメイド ステルス 45インチで組んだ場合の参考値)
60g台のSとしては平均よりも高めで、手元側にもそこそこ硬さのあるタイプ。
センターフレックス計にて中間剛性も計測。4.92kgでした。
ここも平均以上の数値です。中間部にもハリがあります。
さらにもう少し先端側も計測。4.98kgで変わらずでした。
こちらも中々硬めな数値ですね。
実際に振った感触が硬めであると言いましたが、手元から先端にかけて剛性差があまりないです。
ワッグルしてもしなりを感じにくく、硬いシャフトであることは間違いありません。
ただ、超高弾性シートをふんだんに使っているためか、弾き自体は相当な強さがあります。このハードスペックのシャフトでヘッドスピードが出せれば、ドライバーヘッドの性能を最大限発揮できるポテンシャルの非常に高いモデルです。
ヘッドスピード50m/sぐらいは普通に出るような方でないと少しきついかなと思います。[/chat
アルディラ ROGUE ∞(ローグインフィニティ)の試打計測データとレビュー
それでは実際に試打を行ったので、GC Quadのデータを見ていきましょう。
- ヘッド:テーラーメイド ステルス
- ロフト角:9°
- シャフト:アルディラ ROGUE ∞
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1x
- 弾道計測器:GCQuad
ヘッドスピード(m/s) | 46.7 |
ボールスピード(m/s) | 65.9 |
打ち出し角度(°) | 18.4 |
打ち出し方向(°) | 3.3(右) |
バックスピン(rpm) | 1920 |
サイドスピン(rpm) | -358(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 43.1 |
降下角度(°) | 44.3 |
センターからのブレ(yd) | -6(左) |
キャリー(yd) | 264 |
総距離(yd) | 277.7 |
スマッシュファクター | 1.41 |
以上が計測データです。現在は下記が当サイトでの評価基準となります。ご了承ください。
- キャリー250ヤード以下:微妙
- キャリー250ヤード以上:飛ぶ
- キャリー260ヤード以上:かなり飛ぶ
平均キャリーは264ヤード、ランを含めた総距離が277.7ヤード。(総距離はフェアウェイ上に落ちた場合の想定値)
ハードなシャフトでしたが、平均キャリーは260ヤード超えをしてくれました。飛びます!
ただ、飛びのポテンシャルはかなり高いですが、正直ぼくにはハードすぎてキツかったですけどね(笑)
見てもらうとわかりますが、スマッシュファクターの低さがそれを物語っています。それでもこれだけの飛距離が出せているので、使いこなせればさらに飛ばせるシャフトであることは間違いありません。
スピン量は平均で1920回転。
カスタムシャフトの試打データの平均値は記事執筆時点で2007回転ですから、やはり低スピンになる可能性が高いシャフトであることがわかります。
打球の質はめちゃくちゃ強いです。
打ち出し角は18.4°。最高到達点は43.1ヤードです。
高弾道低スピンは作りやすく、特別低弾道化するシャフトではありませんでした。この辺りは中調子に分類されているのも納得のデータ。
次は弾道。
捕まりは結構良かったです。平均サイドスピン量を見ると350回転ぐらいなので、ドローの度合いもそれなりに強い傾向にありました。
アルディラ∞(インフィニティ)は80tの高弾性シートを全長に使っているというのがトピックなわけですが、素材の良さがしっかりと反映されています。
高弾性カーボンは復元力が強く、しなり戻りの速さが増すため、捕まりの良さにも繋がります。
というわけで、その通り捕まりは中々良い。
それぞれの打球を重ねて見たのがこちら。
今回スマッシュファクターも低くて、いつもより打点ブレが大きいのだけど、それでも一貫性のある打球が打てています。
ミスした際のブレも小さく、安定感も優秀です。
アルディラ ROGUE ∞(ローグインフィニティ)のレーダーチャート
低スピン性能が高く、打点ブレを起こした場合の安定感も申し分ないので、メーカーが謳うとおり飛距離と安定性を両立できている高性能なシャフトです。
超高弾性シートの効果によってしなり戻りも速く、しっかりドローが出やすいという結果も出ていましたし弾き感は相当なものがあります。
ただ、冒頭にも触れたようにハードスペックなので、ヘッドスピードで言えば50m/s近いスピードをコンスタントに出せるのが性能を発揮するには望ましいです。
今作はスピードがあればあるだけ飛ばせる仕様になっているので、弾き感がほしいけど頼りがいのあるしっかりとしたフィーリングが欲しい方に特におすすめ。
アルディラ ROGUE ∞(ローグインフィニティ)のまとめ
人を相当選ぶ尖った性能をしています。
基本の硬さがあるためパワーを必要とし、万人向けではありません。
ですが、ヘッドスピードが速い方で、しなり戻りの速い弾き系シャフトを求め、それでいて安定感も損なわないモノを探していた方にはかなりおすすめです。
力があれば高い確率で飛距離を伸ばせるシャフトなので、スイングスピードに自身のある方は是非チェックしてみてください。
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