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今回の試打評価は三菱ケミカル VANQUISH(以下、バンキッシュ)です。
バンキッシュは三菱ケミカルの技術を結集した新軽量ブランド。発売は2022年7月15日
軽量化を行いながらも強度を落とさない高性能素材を用いることで、飛びと安定性を両立するというのがコンセプトです。
片山晋呉選手や、藤田寛之選手が5TXを実戦投入していることでも話題で、実際に飛距離と方向性が両立できているのだそう。
今回は、個人的に5Xを計測したかったのですが、同時に5Sと5TXも準備できたので、比較したデータも掲載しています。
結論から言っておくと、めちゃくちゃ良いです。ほんとに飛距離と安定性を両立できる素晴らしいシャフトでした。これは流行ると思う。
走るのに捕まりすぎない不思議な感覚はありますが、叩けば叩くだけ飛ばせるといったシャフト。飛距離を伸ばしたいと考えている方は絶対にチェックしておくべきです。
ちなみに、普段カスタムシャフトの6Sを使っているような方であれば5Xが良いでしょう。
それでは詳しいデータを見ながら三菱ケミカル バンキッシュについてレビューしていきます
- ヘッド:テーラーメイド ステルス
- ロフト角:9.0°
- シャフト:バンキッシュ 5
- フレックス:S、X、TX
- 長さ:45.25インチ
- ボール:タイトリスト プロV1x
- 弾道計測器:GCQuad
三菱ケミカル バンキッシュの試打計測データ
5X | 5S | 5TX | |
ヘッドスピード(m/s) | 46.4 | 46.6 | 45.9 |
ボールスピード(m/s) | 66.3 | 66.5 | 65.8 |
打ち出し角度(°) | 17.1 | 17.2 | 16.1 |
打ち出し方向(°) | 2.4(右) | 0.9(右) | -2.8 |
バックスピン(rpm) | 1989 | 2049 | 1986 |
サイドスピン(rpm) | -115(左) | 10(右) | 37(右) |
ピーク時の高さ(yd) | 40.8 | 41.2 | 40.2 |
降下角度(°) | 41.8 | 42.1 | 37.2 |
センターからのブレ(yd) | 5(右) | 5(右) | -11(左) |
キャリー(yd) | 267.8 | 266.6 | 263.0 |
総距離(yd) | 285.5 | 283.8 | 280.6 |
以上が計測データになりますが、お目当てだった5Xの平均キャリーが267.8ヤード、トータルが285.5ヤードです。
当サイトのカスタムシャフトの平均キャリーが265ヤードとなっていますので、それを上回るデータとなりました。
飛ばしには明らかに有利なシャフトだと言えます。
なかでも注目すべきはバックスピン量の安定感です。今回は5S、5X、5TX、どれもほぼ同様に2000回転前後となりました。これが最も驚いたところ。極端に増えたり減ったりすることがありません。
軽量にも関わらず、全く吹き上がらず飛距離ロスをすることがなくて素晴らしいです。
弾道イメージは上記です
先中調子でしかも軽量というわけですから、当然捕まりが強いタイプを想像していました。ところが蓋を開けてみれば、緩やかなドローボールです。
しかもサイドスピン量も少なめ。ほとんどストレートと言ってしまって良いレベルのおとなしい球筋となっています。
走り感はあるけど捕まりはほどほど。これは新感覚です。
高さも揃っています。
各ショットでバックスピン量に大きな差が出ていないことが要因です。
軽量タイプのシャフトでここまで安定性が高いのは珍しいです。
バンキッシュの振動数と中間剛性、フィーリングについて
振動数計で手元側の剛性をチェック。また、センターフレックス計で中間部分の剛性を計測してみたので見てもらいましょう。
総じて言えるのは手元側がしっかりしており、中間から先の走り感があるという所です。
バンキッシュ 5S
まず、5Sの振動数が245cpm。センターフレックスは3.56kgです。
5Sは手元もCF値もあまり高めには設定されておらず、けっこう柔らかいなと感じます。
実際、中間部からの動きがはっきりと出ていて、鋭い走り感がありました。ワッグルしてもわかりやすいぐらいに中間から先が動きます。Sフレックスだとほどよく粘り感も感じられてとても振りやすいです。
シャフトが積極的に仕事をしてくれた方が良い方は5Sがちょうど良いでしょう。
バンキッシュ 5X
次に5Xです。
振動数は265cpm、センターフレックス値は4.42kgでした。
振動数は多くのカスタムシャフトの6S相当ぐらいのスペック。
5Sよりも動き自体が小さく、そして速くしなり戻る感覚です。
もたつかないのでとにかく振りやすいです。軽量でここまで安定すると気持ちよすぎます。
安定性の高さからもわかりますが、先端も結構しっかりしているので、叩いた場合でも問題ありません。
Xはそれほど硬すぐなくて、切り返しの間もとりやすいです。バックスピン量も安定していますし、ヘッドスピード40中盤〜後半ぐらいなら5Xでも十分ではないでしょうか。
バンキッシュ5TX
そして5TXです。
振動数は284cpm。センターフレックス値は5.02kg。
振動数は非常に高いですね。さすがTXといったところなのですが、5Sや5Xとはまったくの別物と言っていいほどシッカリとしています。
振動数だけでいえば、ベンタスブラック6Xとほぼ同じ値です。
ただし、中間部は5.0近辺なので、そこまで硬くはありません。60g台の平均よりやや硬いかな?ぐらいです。
ですが、やはり手元側がここまで硬いとしんどさが出てきます。正直ぼくのスイングスピードやパワーだと、切り返しの間が取りづらくて、タイミングが合わせにくい。
アウトサイドから降りてくるパターンが多くて、左にひっぱりこむような打球が多くなりました。
ヘッドスピード50近くある方や、タメがしっかりと作れる方向けです。重量だけをみてTX選ぶと想像よりも硬いことに驚くかもしれません。
当然軽量ではあるので、まったく無理ということはありませんが、手元側の硬さがネックとなります。40m/s台のスイングスピードだとすこし振りづらいかなと感じました。
叩けるので1発の飛びにも期待できる。安定感も申し分なし
バンキッシュの凄いと感じたところは、軽量で走るのに叩いてもバックスピン量が余計に増えることもない点です。
むしろ、叩いて叩いても美味しいスピン量で安定してくれるので最高と言えます。
というわけで、どんどん振っていけて、叩けば叩くだけ飛ぶという状態。褒めすぎですが、まさにそういった類のシャフトです。
一撃の飛距離もかなり魅力的ですし、ドラコン選手にもおすすめです。
軽量で暴れにくいですから、長尺化してセッティングするのも面白いと思います。
三菱ケミカル バンキッシュのデザインについて
ブラックの軸カラーにスカイブルーのロゴが入る爽やかなデザインです。こちらが裏側になります。
不思議なのが、表面にもVANQUISHの文字が入っているところ。主張が激しい。
ブラックの軸カラーと言いましたが、マットブラックです。高級感があってカッコいいです。
先端側にはPRECISION CRAFTEDの文字。これは品質管理をめちゃくちゃ徹底していますよ!というものです。
重量公差±1g、振動数±1cpmという高精度で製造されているらしい。恐れ入ります
三菱ケミカル バンキッシュの総合評価
飛距離性能はどのフレックスで打ってみても非常に優秀。
とはいえ軽量タイプなので、振りやすいだろうなとは思っていましたが。
バックスピン量や方向性が想像よりも安定することに驚きました。カスタムシャフトを次のレベルに押し上げる高い完成度を誇っています。
重たいシャフトでもないのに球筋を安定させられるため、とくにアマチュアゴルファーに恩恵があると感じています。シンプルに評価はかなり高いです。
軽量のこういったシャフトは価格が総じて高いのがお約束みたいなところがありますけれど、バンキッシュはカスタムシャフトとしては安くて、2万円台から買えます。
性能を考慮するとコスパは異常に良いです。飛距離アップしたい方には文句なしでおすすめです。
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