ツアー系のスピン系ボールは高性能だけど高価。さらにコンプレッションも高めな場合が多く、ヘッドスピードが速いゴルファーが対象であることもあります。ですが、実際50m/s以上のスイングスピードが出せる方の割合のほうが少ないですし、無くなった場合のメンタルへのダメージも高いことが問題点
そこで今回買ったのがテーラーメイド ツアーレスポンス(2022)。このボールはシリーズ2作目にあたり、高性能だけどツアーボールよりも価格が安いことから評判も良かったものです
前作との違いはディンプルパターンだそうで、空力性能がさらに高まっているとのことですから期待大。あと、わずかにコンプレッションも下がり、よりソフトなフィーリングとなったようです
それでは早速、詳しいデータを見ながらテーラーメイド ツアーレスポンス2022についてレビューしていきます。比較対象にはタイトリスト プロV1xを使用
- ヘッド:テーラーメイド SIM
- ロフト角:9.0°
- シャフト:アッタスダース
- フレックス:S
- ボール:テーラーメイド ツアーレスポンス 2022
- 弾道計測器:GCQuad
弾道計測器はPGAツアープロも多数使用する「GCQuad」です
テーラーメイド ツアーレスポンス2022試打計測データ(ドライバー)
ツアーレスポンス | プロV1 X | |
ヘッドスピード(m/s) | 46.3 | 46.5 |
ボールスピード(m/s) | 66.2 | 67.2 |
打ち出し角(°) | 17 | 15 |
打ち出し方向(°) | -0.4(左) | -0.9(左) |
バックスピン(rpm) | 2145 | 2319 |
サイドスピン(rpm) | 99(右) | -99(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 41.5 | 38.2 |
降下角度(°) | 42.8 | 42.8 |
センターからのブレ(yd) | 3(右) | -9(左) |
キャリー(yd) | 262.9 | 260 |
総距離(yd) | 279.9 | 273.6 |
以上が計測データです
キャリー268.5ヤード、トータル286.3ヤード
キャリーとトータル、ともにプロV1xよりも出ました。初速はプロV1xには劣っているものの、バックスピン量が抑えられていることで飛距離が出ています
実際に飛んでいくさまを見てもかなりの強弾道です。新ディンプルの効果も感じられるし、とにかく推進力が抜群でした
弾道はやや高め。中から高弾道に位置しています
低コンプレッションなのに初速が速いのが素晴らしい所
ツアーレスポンス2022はウレタン系ツアータイプの中で考えると一際低コンプレッションです。メーカーが公表しているデータでもコンプレッション70となっていて、かなり柔らかいボールだといえます(前作はたしか71ぐらいだったと思います)
低コンプレッションだと、ドライバーなどのロングショットで使用するクラブでボールの中心部(コア)が潰れやすくなるため、速いヘッドスピードを必要としなくなるなどのメリットがあります。さらにコアが柔らかいとバックスピン量を抑える効果もあります
実際、データ計測でもプロV1xよりもスピン量は少なくなっていますし、おなじく柔らかいボールであるキャロウェイ クロムソフトシリーズに近い低スピンボールを実現していました。ツアーレスポンスはバックスピンを減らせる効果が期待できます
ただ、低コンプレッションボールのデメリットはボール初速が出にくくなることです。初速が出にくくなることによって飛距離が思いのほか出ない、というパターンも有り得ます
ところが、今作は初速はある程度維持できていました。平均値は66.2m/s。これは中々優秀なデータです。タイトリストAVX2022や、クロムソフト2022と同等
低コンプレッションでも初速性能をキープしている点に今回は驚かされました。飛距離にも期待できますし、感触も柔らかくてフィーリング面にも満足できます
テーラーメイド ツアーレスポンス2022のスピン性能
ドライバーでは飛距離が出ますが、スピンがかからなければハイエンドツアー系ボールには対抗できない。ということでラウンドでもGCクワッドを使って計測していきます
9番アイアンでのデータです。打ち出しもそれほど高くないですし、バックスピン量は9000回転弱となり十分すぎます
これ以外にも計測を行いましたが、アイアンショットに関しては文句がありません
では50ヤード以内のアプローチではどうか。小さい振り幅でもスピンを効かせられるかが重要ですが、30ヤード前後でも5000回転をキープ。20ヤード以下でも4000回転弱かかります
データだけでなく、目視でも確認していますが、しっかりとブレーキがかかっていました。ショートゲームでのスピン性能も十分。もはやスキがありません
テーラーメイド ツアーレスポン2022の構造とデザイン
テーラーメイドのベーシックなロゴがはいります。TP5などと変わりはなさそう
ディンプルパターンもTP5などに使われているものと同様です。空力性能も上々で申し分ありません
ツアーレスポンスの文字も細めで主張しすぎないところが良いです
切断面がこのような感じです。ツアーレスポンスは3層構造(3ピース)、高弾性素材のHFM(ハイフレックスモデュラス)というものがマントル部に採用されています。柔らかいけど初速がでるのはこれが理由っぽいです
そして歪みもなく品質面も素晴らしいです。特に驚くのがカバーの薄さ。低価格のウレタンカバーボールではコストコボールもなかなか良いですが、カバーの薄さはツアーレスポンスと全く異なる部分です
ショートゲームでもスピンがかかるのも納得ですし、パターの打感が極めて柔らかいのもうなずけます
テーラーメイド ツアーレスポンス2022の総合評価
性能面では完璧に近いです。1ダース4,000円弱〜5,000円強で販売されていますが、6,000円以上するハイエンドウレタンボールと比べても遜色ありません。評価は軒並み高い結果となりました
というか、むしろこれのほうがパフォーマンスが良いとすら思えます。というのも低コンプレッションのため、ツアープロ並のヘッドスピードを必要としないからだと考えます。ドライバーのヘッドスピードが40m/s前半〜中盤ぐらいが最も美味しいと思います
弱点を上げておくと、50m/s以上のスピードが出るなら相性は悪くなる可能性もあるので、超パワーヒッターには強くおすすめできません。が、ぼくをはじめ多くのアマチュアゴルファーにはとても強力なボールとなるでしょう
超安いわけではありませんが、この性能でダース5,000円前後と考えるとコスパは素晴らしいです
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